このページは、2004年の大河ドラマ『新選組!』を語るページです。

2005年 1月 8日 更新


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第 1回 〜 第10回 / 第11回 〜 第20回 / 第21回 〜 第30回

第31回 〜 第40回 / 第41回 〜 最終回


第 1回 黒船が来た 1月11日放送 第26回 局長近藤勇 7月 4日放送
第 2回 多摩の誇りとは 1月18日放送 第27回 直前、池田屋事件 7月11日放送
第 3回 母は家出する 1月25日放送 第28回 そして池田屋へ 7月18日放送
第 4回 天地ひっくり返る 2月 1日放送 第29回 長州を討て 7月25日放送
第 5回 婚礼の日に 2月 8日放送 第30回 永倉新八、反乱 8月 1日放送
第 6回 ヒュースケン逃げろ 2月15日放送 第31回 江戸へ帰る 8月 8日放送
第 7回 祝四代目襲名 2月22日放送 第32回 山南脱走 8月15日放送
第 8回 どうなる日本 2月29日放送 第33回 友の死 8月22日放送
第 9回 すべてはこの手紙 3月 7日放送 第34回 寺田屋大騒動 8月29日放送
第10回 いよいよ浪士組 3月14日放送 第35回 さらば壬生村 9月 5日放送
第11回 母上行ってきます 3月21日放送 第36回 対決見廻組! 9月12日放送
第12回 西へ! 3月28日放送 第37回 薩長同盟締結! 9月19日放送
第13回 芹沢鴨、爆発 4月 4日放送 第38回 ある隊士の切腹 9月26日放送
第14回 京へ到着 4月11日放送 第39回 将軍、死す 10月 3日放送
第15回 行くか、残るか 4月18日放送 第40回 平助の旅立ち 10月10日放送
第16回 一筆啓上、つね様 4月25日放送 第41回 観柳斎、転落 10月17日放送
第17回 はじまりの死 5月 2日放送 第42回 龍馬暗殺 10月24日放送
第18回 初出動!壬生浪士 5月 9日放送 第43回 決戦、油小路 10月31日放送
第19回 通夜の日に 5月16日放送 第44回 局長襲撃 11月 7日放送
第20回 鴨を酔わすな 5月23日放送 第45回 源さん、死す 11月14日放送
第21回 どっこい事件 5月30日放送 第46回 東へ 11月21日放送
第22回 屋根の上の鴨 6月 6日放送 第47回 再会 11月28日放送
第23回 政変、八月十八日 6月13日放送 第48回 流山 12月 5日放送
第24回 避けては通れぬ道 6月20日放送 第49回 愛しき友よ 12月12日放送
第25回 新選組誕生 6月27日放送

【NHK大河ドラマ『新選組!』を見終えての手記】
2004年の大河ドラマ『新選組!』が終わった。ホント終わってみればあっという間で、1年とはこんなには短いものなのか?と全49回の感想文を振り返って読んでみた。1話1話にいろいろ思い出があって、最後にどうまとめたらいいか分からないが、ただただ『面白かった・・・』という感想の一語に尽きる。その理由はのちほど書くとして、まずは最初に2004年の大河が『新選組!』と決まった時の事から書いていこう。

発表があったのは確か『利家とまつ』が放送されていた時だったと思う。以前から新選組好きだった事もあって大喜びの筆者であったが、出演者の名前に驚き!近藤勇役に香取慎吾さん、土方歳三役に山本耕史さん、沖田総司役に藤原竜也さん・・・失礼ながらこれを聞いた瞬間、『大河も終わったなぁ〜』と思ったのが正直な感想である。理由は演じる俳優がみんな若い事。そしてジャニーズの俳優を主役に持ってきた事でアイドル的な扱いを求めて作ろうとしているのでは?と大河の今後を危惧したのであった。決して香取さん、山本さんらを嫌いな訳ではないが、子供の頃から見続けていた大河にここ数年変化が生じていたのを感じていたからなのかもしれない。どんどん大河の存在が軽くなっていく・・・そんな気がしてならなかったのである。

しかし、そんな中でただひとつ期待させたのは、脚本が三谷幸喜さんであった事。これまで数々のテレビドラマや舞台の脚本を手掛けてきた三谷さん。その才能と面白さは他の脚本家とは明らかに違っていた。見る人のツボをしっかり押さえているというか、映画やテレビを見るたびに関心していたほどだった。そんな三谷さんが書くのだから、これはきっと面白くなるだろうと期待が持てた。それに物語は函館までを描くのではなく、あくまでも近藤勇が主役で、近藤勇の最期までを描くと言う。ここが三谷さんのこだわりなのだろうか?この点も大いに好感が持てた。そしてその後、近藤勇役を香取さんにキャスティングしたのは三谷さんだった事を知った。『ドラマの最後には、近藤勇は香取くん以外に考えられなくなりますよ』そう高らかに言っていた三谷さん。その時は『うっそー』と疑っていたが、前年の『MUSASHI』は最悪だっただけに、ここは三谷さんを信じるしかなかった。こうして2004年の大河が始まった・・・。

さぁ、待望の第1話である。期待・・・と言いつつ、実はつまらなかったら途中で見るのを止めようと思っていた。もちろん、そんな事はないと信じての事だが、その心配は1話目から良い意味で裏切られた。ドラマが物凄く丁寧に作られていたからである。まず、基本的に全49話は近藤勇の49日という位置づけで書いていた。つまり近藤勇の35歳の人生の中で49日をピックアップしていたという点だ。もちろん、物語の進行上それは後半で崩れるが、これは見事な方法だった。ナレーションも排除していたが、ナレーションは邪魔でもあり、一方で、物語を説明する上で凄く役に立つ演出法である。それをあえて排除した三谷さん。それだけ脚本を書くのも難しくなるが、三谷さんはそれをうまくカバーするメリハリある書き方をしていた。これには驚いた!そして出演者1人1人を、誰もが印象に残るような愛情あふれる描き方をしていた。これも好感が持てたし、何より近藤勇役の香取慎吾さん以下、山本耕史さん、藤原竜也さん・・・出演者みんなが素晴らしいではないか!『軽くなったのでは?』と最初に思った事をただただ反省した。

ドラマが進むにつれて出演者にもどんどん感情移入していった。芹沢鴨を演じた佐藤浩市さん、山南敬助役の堺雅人さん、井上源三郎役の小林隆さん・・・死ぬたびに胸が締め付けられるような悲しさを感じた。そんな中で新選組に関するエピソードを細かく描く三谷さんの脚本には一切の手抜きはなかった。三谷さんも、視聴者をびっくりさせようと努力していただろうし、次が見たくてワクワクさせる・・・という三谷さんの術中に良い意味ではめられた感じだ。時には疑問を感じるシーンもあったが、それは人間の感性はバラバラだから仕方がないと思っている。坂本龍馬と知り合いだったという設定も最初は疑問を感じたが、のちのちは、『可能性はない訳ではない』と受け止め方がすっかり変わったし、『そんなわけがない』と言うオヤジ連中にも『知り合いではない根拠はあるんですか?』と切り返えしたり・・・。とにかく新選組!LOVEだったのは間違いない。

1年間親しんだ事で、今は寂しさでいっぱいだが、心からありがとう!と言いたい。これから再び新選組が描かれるドラマや映画が放送されるだろうが、これ以上の新選組はないと思っている。ホント、この1年は幸せだった。感謝感謝・・・である。今後は函館までの続編の放送に期待が集まるが、三谷さんの大河再登板、そして、新選組!出演者の今後の活躍を期待したい。最後に・・・本当にありがとう。

第49回(最終回)「愛しき友よ」 (12月12日放送)

【物語】
新政府軍に捕らえられた勇(香取慎吾)は、板橋宿に移され、坂本龍馬暗殺への関与や甲陽鎮撫隊の顛末(てんまつ)などを詮議される。調べに対し、勇は、龍馬暗殺への関与を否定。さらに、甲陽鎮撫隊は独断で率いたと話し、勝海舟(野田秀樹)の名前を口にせず一身に責任を被る。歳三(山本耕史)は、斎藤(オダギリジョー)らを会津の松平容保(筒井道隆)のもとへ向かわせ、自らは危険を覚悟で江戸に舞い戻る。捨助(中村獅童)は、勇の奪還に板橋宿へ乗り込もうとしない歳三たちと袂を分かつ。  江戸に着いた歳三は、勝に、勇の助命嘆願に力を貸してほしいと頼むが断られてしまう。徳川への恨みを一身に引き受けて多くの命を守るために死ぬ ― それができるのは勇だけなのだ、と勝は語る。逆に歳三は、榎本武揚らの軍勢と行動を共にし、蝦夷へ渡って幕臣の意地を貫いてくれと勝から頼まれる。勇の身元を徳川家に照会した新政府軍に対し、「預かり知らぬ」という返答が届く。その結果、勇は切腹ではなく斬首と決まり、その首は京の三条河原にさらされることになる。それは、勇が武士として最期を遂げることを許されず、罪人として処罰されることを意味していた。処刑の日、歳三は島田(照英)らと新政府軍との戦いを続け、療養中の総司(藤原竜也)は刺客の襲撃を受けお孝(優香)を失う。また、容保の命を受けた斎藤は、勇の首を奪還するために京へとひた走る。刑場では、新選組の隊服に身を包んだ捨助がひと暴れし、勇より一足先に死地へ旅立つ。そして勇は、つね(田畑智子)、ふで(野際陽子)、音五郎(阿南健治)らが見守る中、最期の時を迎える。
【牛嶋のズバリ感想文】
とうとうこの日が来てしまった。約1年に渡って放送してきた『新選組!』の最終回である。いずれこの日を迎えるのは分かっていたが、やはり迎えたくなかった気持ちが大きかった。しかし最終回は、役者さんやスタッフのみなさんにとっての集大成である。だから、一瞬たりとも逃すべく最終回を見た。そして、今は満足感でいっぱいだ。心からありがとう!と言いたい。それでは最終回の感想文です。

@全て私の考えであります
大久保大和が近藤勇であると露見したことで、勇は処罰が下されるまで板橋に幽閉されていた。同時に取調べを受けたが、谷守部からは坂本龍馬暗殺を、有馬藤太からは甲陽鎮撫隊として甲府に行ったのは誰の差し金か?と問いただされた。『全て私の考えであります。嘘ではございませぬ!』と答えた勇。こうして最終回が始まった。

A最高の脚本家
タイトルバックには多摩の面々の名前が。中でも”土方為次郎 栗塚旭”と”植木屋平五郎 島田順司”の字には『おおっ!』と期待感が膨らんだ。ご存知!『燃えよ剣』『新選組血風録』で土方歳三を演じた栗塚旭さん、そして沖田総司を演じた島田順司さんである。さすがは三谷さん!登場人物を最後の最後まで大事に描き、自分なりのこだわりを織り込んでいる点はホント素晴らしい。三谷さん、あなたは最高の脚本家だ!

B勇が新政府に?
有馬は『むやみに罰する事は出来ない』と、一軍の将である近藤の行く末を案じていた。それでも『私の心は決まっております』と勇は死を覚悟していたが、『生きる事を恥と思うな』と有馬。筆者も『うん、うん』と頷きながら見ていた。それを考えたら、のちに蝦夷に渡って函館戦争を指揮した榎本は、最後は降伏しながらも新政府のためにと官軍に迎え入れられた。そりゃ、新選組にいたのとはわけが違うので比較すべき事ではないが、榎本と同様に勇が新政府に迎え入れられていたら?と思うと悲しさがこみあげてきた。

C乱れる新選組
勇が板橋の本陣に移された事は新選組隊士の元へも届いていた。捨助は『助けに行こう!』と決起するが、『局長は俺たちを救うために降参したんだ』と歳三。その他の隊士も動く気配はなかった。その姿に『かっちゃんを見殺しにするつもりか!見損なった』と捨助は1人で出て行ってしまうが、歳三は勝海舟に会って助命嘆願に。斎藤は容保に力添えを頼むために会津へ行く事にしたのであった。しかし、新選組に再起の道はないと尾形は脱隊してしまう事に。鳥羽伏見の戦い、甲州勝沼の戦いで敗れ、そして勇の投降と・・・こうして急速に足並みが乱れていった新選組であった。

D納得出来ないゆかりの人
試衛館にも勇が捕らえられた事が、勇の兄・宮川音五郎によって伝えられた。養母のふでが『なぜ?逆賊の汚名を着せられるのか?』と異を唱え、佐藤彦五郎も『勇が何をしたって言うんだよ。なぜ罪人扱いされなきゃいけないんだ。せめて武士らしく切腹させてやってもいいだろう』と涙。勇ゆかりの者にとっては納得出来る事ではなかった。

E無念の勇
勇が幽閉されている民家には可愛い幼子がいた。勇をそっと見る幼子。勇はげんこつを口の中に入れる・・・笑う幼子。しかし母が制止して戸を閉められてしまうのであった。幼子が転がした鞠を勇の近くに残して・・・。その幼子に娘のたまを見たのか?涙を流す勇・・・。思えば自分の娘とゆっくり過ごす事も出来なかった勇。死は覚悟出来ても、たまと別れるのは無念であっただろう。

F歳三、会津、そして函館へ
歳三は江戸の勝海舟を訪れ、助命嘆願書を書いてもらうように頼んだ。しかし『書くことはかくけど、無駄だよ』と勝は一蹴。歳三は必死に頭を下げるが、勝には勇を助ける意志は全くなかった。そして『近藤の死は無駄死にじゃねーぞ。徳川への憎しみを一新に背負っているんだ。本望じゃねーのかい?』と勝。こう言われてしまえば反論も出来ない。勇の決意を誰よりも知っていたからだ。そして勝から、榎本武揚と合流するよう頼まれた。ご存知のように、のちに歳三は勝に頼まれた通りの道を進むが、『泣く子も黙る新選組の鬼副長だ。みんなも喜ぶと思うぜ』と勝が言うように、歳三の加入は大きな力となっただろう。

Gちょっと不満
歳三は北上するにあたって総司に会いに行った。『俺も局長も永倉も斎藤も一緒だ。お前も早くよくなって追いつけ!』と言って総司を安心させるが、総司にはその嘘を見抜いていた。前にも『土方さんは嘘をつくと顔にすぐ出る』と指摘した総司だが、最終回でも同じシーンがあるとは!これも三谷さんが1人1人のキャラをしっかり描いているからこそで、大いに関心した次第だ。しかし、歳三が『お孝はどうなんだ?』と聞いていたが、お孝は勇が大事にしたお孝ではなく、総司と恋仲になったお孝という設定になってしまったようだ。ちょっとこの辺りは不満かも。でも、これが歳三と総司の別れのシーンとなった。『もうみんな一緒じゃないんだ』と言って歳三の去っていった方向を見ていた総司。悲しさがこみあげてきた。

H勇は立派な武士である
目付から文が届いた。『近藤はもはや徳川の家臣ではない。速やかにそちらで罰して頂きたい』との事だったが、これは徳川からも見捨てられたという事。有馬は『力になれず申し訳ない』と謝るが、最後の望みを西郷に託した。しかし西郷は『あの人に受け止めてもらう』と書状をつき返したのであった。なんとひどい事か。こんな仕打ちをされたら誰しも『俺は今まで何のために幕府のために尽くしてきたのだ?』と疑問を持つだろう。しかし勇は全く動じず。過去の自分を後悔するより、最後の最後まで自分の意志を貫こうとした勇。これこそ真の武士だ。のちに勝が言うセリフだが、勝が言わずともしっかり我々視聴者には伝わっていたのである。

Iありがとう!有馬
徳川の残党が挙兵したとの事で、有馬は宇都宮行きを命じられた。薩摩藩邸からつき返された書状が理由のようだが、有馬も無念であっただろう。でも、新選組ファンは有馬藤太という名前を一生忘れない。ありがとう!有馬!一方で『近藤勇を斬首の刑に処す。首は京の三条河原にさらす』と勇の処罰が決まった。武士として切腹を許されなかったのはホント無念の一言だ。

J為次郎を出すとは!
歳三の兄・土方為次郎が久々に登場した。最終回に登場させるとは、なんというにくい演出か!三谷さんに大きな拍手を送ろう。為次郎は『近藤さんもたいした出世だ。ははは。歳三、よくここまで勇を守り立て、新選組を引っぱってきたな』と褒め上げるが、斬首される事実より、最後の最後まで意志を貫いて立派に戦おうとしたのを褒めるとは!これもナイスな演出だ。そして『多摩の誇りだ。何が正しくて、何が間違っていたか100年、200年後の者たち決めればいい』と為次郎。ホント、このシーンはカッコ良かった。栗塚さんも喜んで演じていた事だろう。

Kあっぱれ!永倉!
永倉と大村が再会。仇を討つために新選組に入った大村だが、その後仇を討つ事に成功したらしい。筆者は密かに野口健司の登場も期待していたが、さすがにこれは無理だった。そして芳賀(市川)から、『近藤が流山で捕まったそうだ』と知らされる永倉。『一足先に抜けておいてよかったなぁ。調子に乗って人殺しをしてきたから、打首はちょうどいいんだ』と芳賀。それに対して『お前に何が分かる。近藤さんの悪口を言うのは苦楽をともにしてきた俺達だけだ』と一喝。永倉もショックであったに違いない。事実、新選組墓碑、勇と歳三の顕彰碑を建て、最後まで新選組隊士を弔い続けた。また、永倉が記した『新選組?末記』は現代に新選組の活躍が伝わる貴重な資料となった。永倉よ、あっぱれ!

L家族同然
『待ってろよ、しげるぅ〜』左之助は”歩き”ではなく”駆け足”で京に向かっていた。しかし『大声を出したら腹減った』と左之助は小休止。続いて、既に”長男”茂を産んだ京のまさの姿が映し出されたが、『この子、ようおなかすくわ〜』と。同時に左之助が握り飯を食べているシーンが描かれていたが、茂=左之助の息子という構図が描かれて面白かった。そんな中、勇が捕まった事を知った左之助。仰向けで天を見上げながら『近藤さん・・・』と声をあげ、今いる場所がかつての思い出の場所だった事を思い出した。そして過去に落書きした名前を見て、あの頃の情熱が蘇ってきたのか、『局長、待ってろ』と助けに行く事に・・・。家族へ向かう歩を勇に向けた佐之助だが、左之助にとっては勇も家族同然だった。

M首、奪還ならず!
斎藤が会津の容保の元へ。早速、勇の身柄について頼もうとするが、『近藤のことなら手遅れじゃ。余にはどうすることもできん』とピシャリ。こう言われたら斎藤もあきらめるしかない。どうする事も出来ないのは斎藤も分かっていたと思う。そんな中、近藤に渡すつもりだった刀を斎藤へ。『出来ません』と断る斎藤だが、『近藤の意志を継いでくれ。虎徹じゃ』。この言葉を聞いて受け取る斎藤。勇が愛した名刀・虎徹を受け取る事で、勇の意志をしっかり継いでいこうと心に決めたのだろう。そして容保から『早速仕事を頼みたい』と三条河原にさらされる勇の首を奪還せよと命令され、斎藤は二つ返事で承知した。容保は勇を見殺しにした訳ではなかった。もうどうする事も出来ない中で、自分の出来る事をしようとした容保。しかし、勇の首は結果的に奪還出来なかった訳で・・・。容保、斎藤はもちろん、勇ゆかりの人ならば、誰もが無念であっただろう。

N勇の命
『無念でしょう。武士らしき切腹させたかった』と山岡は涙していた。それに対して勝が声を荒げる。『武士らしくってなんだよ。どう死んだかではない。どう生きたかだ。あれ武士だよ、紛れもない武士だ』。結果的に勇を見殺しにした勝だが、決して好き好んで見殺しにした訳ではなかった。結果的に勇が全てを被ったカタチになった訳だが、逆に考えれば、それだけ勇の命は他の誰よりも重かったと言える。

O捨助が・・・
慶応4年(1868年)4月25日。ついに運命の日がやってきた。幽閉されたままの勇。その口には無精髭が見られたが、この数日間の。処刑場の準備も着々と整い始めていた。勇の兄・宮川音五郎がその様子を見ていたが、自分の弟は処刑される場所をどんな気持ちで見つめていたのだろうか。一方のふでとつねは神頼み。最後の最後まで勇が助かるようにとの願がっての事だった。『くれぐれも取り乱さないように』と音五郎。しかし『取り乱すくらいならここへは来ておりません』と妻のつね。『よく言いました』と養母のふで。しかし、2人とも精一杯の強がりだったのかもしれない。そんな中、捨助が横をくしゃみしながら通り過ぎる。それにしても捨助が最後の最後までからむ事になるとは!

P三谷さんも島田さんも素晴らしい
手元に置いていた刀がなくなっている事に気づいた総司。『刀は侍の魂』とお考に訴えるが、お孝は総司の事を思って『植木屋平五郎に預かってもらった』との事。そんな中、『前歯が可愛い。もう1回見せて・・・』と、じゃれあう2人。そこへ平五郎が現れ、『あっははは』と微笑ましい顔で2人を見つめていたが、これだけならただのワンシーンだ。しかし、植木屋兵五郎を演じていたのが島田順司さんというのがポイント。それにしても、こういう演出をするとは視聴者の誰もが想像していたなかった事だろう。何度考えても『三谷さん、あっぱれ』である。そして島田さんもこの役を引き受けてくれたのも素晴らしい!。

Q偉大な近藤
前回の感想文で『桂はどこへ?』と書いたが、幾松と京に留まっていた。もちろん勇が打ち首になる事も桂の耳に入っていたが、『私はあの男が嫌いではなかった』と無念の表情。そして『最後まで忠義を貫いたのはあの男だった。近藤に並ぶ忠節の志がいるだろうか?所詮、我らは寄せ厚めだ。彼らのように固い結束で新政府が切り抜けていけるのか?』と今後を不安視。目的は果たした桂だが、改めて近藤勇の偉大さを感じていたのか?
 
R純粋ほどタチの悪いモノはない
新選組の隊士を名乗って捨助が勇の前に現れた。『最後までお前のそばにいてやるぞ』と言う捨助だが、『知りません。はじめて見る顔です』と勇。食い下がる捨助だが、勇は『新選組の名を語るとは不届き千万!知らん!』と一蹴した。捨助は自分も打ち首になっても構わないと思っていたのは事実だろう。しかし、最後の最後まで勇の思いを分からなかった捨助。筆者の自論だが、”純粋な心”ほどタチの悪いモノはないのである。

S無念の歳三
その頃歳三は宇都宮で銃撃戦を展開していた。自らも被弾して左足の指に負傷を追っていたが、勇がどういう状況にあるのか考える暇もないほどの激戦であった。島田は『処刑されるのを今日があの日だって事を(土方さんは)知っているのか?』と口にするが、それを分からない歳三ではなかっただろう。現に『先に死んでいった者に対して俺たちは最後まで闘わなければならないんだ』と言ったように、運命の日だからこそ、必死に戦っていたと思われる。事実、歳三は退却してきた味方の兵を斬り捨てるほど激しかったらしい。勇の処刑を誰よりも無念に思っていたのは歳三自身なのである。

21腑に落ちない
総司が刺客に襲われた。『この人は病なんです』とお孝は必死に説得するが、刺客は聞く耳を持たず、盾になったお孝はバッサリ斬られてしまうのであった。総司は平五郎から渡された刀によって難を逃れたが、倒れたお孝に向かって『お孝!』と叫びながら、血を吐き倒れてしまった。それにしても、総司はともかく、お孝の運命がこうなるとは誰が想像した事か!一説によると勇との間に”お勇”なる女の子をもうけたとも言われるお孝だが、最後は総司の彼女的に描かれたのはなんか腑に落ちない気がした。

22悲しいぜ
勇は持っていたコルクを見つけられてしまった。『持っていてはいけませんか?』と聞く勇だが、勇の運命と同じくしてコルクは放り捨てられてしまうのであった。一方の歳三は戦場において『お守りだ』とコルクを握り締めていたが、勇の手を離れて、ぽつんと取り残されたコルクは寂しげであった。そして処刑場へ・・・。『お世話になりました』と一礼、そして子供を見て微笑む勇。もちろんそこにたまの姿を見たのだろう。思えば一緒に暮らしたのはほんのわずかだった。武士の宿命かもしれないが、現代からしたらあまりにも悲しすぎる出来事だ。
 
23餞の言葉・・・
左之助は木に登って状況を見つめていた。勇はたくさんの見物人がいる中、歩を進める。ふで、つね・・・どんな思いで勇の姿を見つめていただろう。ほんのちょっと目を見物人に向けた勇だが、つね、ふでの姿は確認出来たのだろうか?そんな中、『近藤勇、よく戦いました』とふで。そして『お前は多摩の誇りじゃ』と音五郎も続く。そしてたくさんの声も・・・。ふではその声に涙。まさしく勇に対して精一杯の餞の言葉であった。勇の耳には届いていたのだろうか・・・。そして、そこへ左之助が飛び出そうとする。しかし、尾形がそれを静止。『山南さんに言われた事を思い出した。新選組の行く末を見届けるのが俺の仕事。局長は喜びはしない。生き延びて官軍に一泡拭かせてやるのです』。その言葉に折れるしかなかった左之助。無念の表情だった。

24完・・・
アマガエルの姿。あじさいの鼻、めだか、飛ぶ鳥・・・。勇の目に映った自然の姿だが、勇はもうこの景色を見る事も出来ないのかと筆者は悲しくなった。そして勇の目にもうっすらと涙が・・・。そんな中、『見苦しい首をさらしたくないので、ひげを剃りたいのですが・・・』と有名なセリフ。その頃、捨助は隊服を着て出陣体勢。ひげを剃ってもらう勇。そこへ捨助が飛び込む。しかし、勇の近くまで歩み寄る事もなく斬られる捨助。捨助は『かっちゃん待ってろよ〜』と勇よりも前に息をひきとってしまうのであった。ひげを剃り終えた勇。『助かりました』と一言。そして『長々と失礼いたしました』。清めの水が刀に・・・。『お願いします』と勇。その姿にふでは涙。しかし、つねには涙はなかった。そんな中、『新選組は不滅だ!』と左之助が声をかける。勇がそれに気づき、笑みを浮かべる。そして『俺も不滅だ!』と後は尾形に託した。その頃斎藤も襲われるが、『近藤勇の御首取り戻しに参る』と斬り捨て、京へ急いだ。そして総司は横になりながら、血の上を蟻が歩く姿を見、そして蟻を放す・・・。歳三は闘っていた。『行くぞ!』と誠の旗をひるがえし、銃弾飛び交う中突っ込んで行った。そしてついに・・・。悲しさなのか?満足した様子なのか?それとも・・・?『トシ・・・』その言葉が最後の言葉であった。そして画面には『完』の文字。こうして1年に渡って放送された『新選組!』が終わった。

25最期の言葉の裏にあったもの
三谷さんが朝日新聞に連載している『ありふれた生活』によると、勇の最期の言葉は一話目を書く前から決めていたそうだ。ご存知!『トシ・・・』である。しかし、セリフの解釈は香取さんに任せたとの事で、三谷さんも楽しみにしていたらしい。そんな中で勇が最期に笑みを浮かべるのは想像していなかったようで、虚をつかれた思いだったらしい。収録後、どうして微笑んだのか?と聞いたら、香取さんは本番直前まで頭の中は真っ白だったようだ。そんな中、カメラが回った時に頭に浮かんだ言葉は『トシ、次は一体何をしようか』だったとの事。つまり、あれは希望の笑顔だったのだ。香取さんの解釈は完全に脚本家の想像を遥かに超えていた訳だが、あの瞬間に、香取慎吾は紛れも泣く近藤勇になったと三谷さんは絶賛していた。筆者もまさにその通り!香取慎吾はホントに近藤勇だった。

第48回「流山」 (12月 5日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)は徳川家を預かる幕臣・勝海舟(野田秀樹)から、江戸近辺より立ち去るようにと命令され、新選組を下総流山に移動させる。さらに、新政府軍の探索の目を逃れるため、勇は“大久保大和”、歳三(山本耕史)は“内藤隼人”と名乗り、新たに隊士を募って態勢の立て直しを図る。同じ頃、勇と袂を分かった永倉(山口智充)は、死んだと思っていた市川宇八郎(八十田勇一)と合流。左之助(山本太郎)は、京都に残した妻・まさ(はしのえみ)の元へ戻っていく。総司(藤原竜也)は、看護しているお孝(優香)に支えられながら、江戸で静養を続ける。見舞いのために立ち寄った斎藤(オダギリジョー)に総司は、刀の時代が終わる前に新選組で働けたことは幸運だったと話す。一方、流山に駐屯する勇たちを怪しんだ新政府軍は、薩摩の有馬藤太(古田新太)を派遣して内情を探らせる。有馬の武装解除要請を受け容れてみせることで一件落着かと思われたが、新政府軍の中に「京で勇の姿を見た」と言う者が現れ、取り調べを受けるために勇は新政府軍の陣に出頭しなければならなくなる。絶体絶命の状況で、勇は潔く身元を明かして切腹する道を選ぼうと考えるが、そんな勇に歳三は、「死ぬ気で嘘をつき通して生き延びろ」と説得する。一世一代の大芝居を打つことになった勇は、同志たちの想いを背負って、大久保大和として新政府軍の陣に出頭するが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今週は筆者の多忙と体調不良によって更新が遅れてしまった。しかし終盤に来て、もう言葉が見つからないというのが正直な所であった。今年1月にスタートした『新選組!』。終わるのは分かっていても、まさか本当に終わりを迎えるとは!時の流れの早さを感じると同時に、終わる寂しさ、そして、残り1話残っているが、この1年間よありがとう!と言いたい。さぁ、それでは第48話の感想文にいきましょう。

@撮影シーンが欲しかった
甲州勝沼の戦いに敗れ、永倉、左之助も脱退。ついに試衛館のメンバーは勇と歳三の2人になってしまった。五兵衛新田に退いて再起を図っていたが、勇と歳三はのんきに釣りをしながらも”新しい新選組を作ろう”と決意を新たにしていた。そこへ周平が現れ、なぜ五兵衛新田というのか調べたと勇に報告。こういうの好きなんですと答える周平。それを微笑ましく思う勇であった。この時点で勇は、周平は学問の道こそふさわしいと思ったのかもしれない。『私には向いていない』と再三言っていた周平だが、向く、向かないというよりは、時代が変わりつつある中、周平には進むべき道が他にあると理解した勇であった。それはそうと、勇は五兵衛新田に自らの写真を置いていったと言われるが、甲陽鎮撫隊出陣前と言われる写真撮影のシーンを是非とも入れて欲しかった。

Aもしかしたら・・・
勝が薩摩藩邸に西郷を訪ねた。『江戸はお前にやるから。明日の総攻撃はやめてくれ』と告げ、『はい』と頷く西郷。新政府軍の総攻撃を中止させ、江戸城無血開城の功労者である勝だが、新選組贔屓の視聴者からすればあくまでも勝は敵である。江戸から立ち去れと新選組に命じるなど言語道断!でも、無血開城がなければ、最悪の場合、我が国もあの国と同じように、2つの国家が存在する道を歩んでいたかもしれないのだ。ある意味、近代ニッポンの隠れた功労者が新選組であると言えよう。

B新しい斎藤像
新しい新選組を作るにあたって、勇以下の隊士は『斎藤の言葉が胸に突き刺さった』と口にした。しかし、『あの日の話はするな』と尾形の胸倉をつかんで斎藤は激怒。本音とはいえ、あそこまで感情をむき出しに訴えたある種の照れなのか?いや、勝沼の戦いで敗れた悔しさなのか?でも、これまで映画やテレビで語られてきた斎藤とは違う”新しい斎藤像”が作られたのは確かだ。先日、オダギリさんの高校時代の恩師に会う機会があったが、オダギリさんは俳優になるなど最初は考えずに業界に入ったらしい。でも、こうして良い役を演じる事になった事実に『人生何が起こるか分かりませんなぁ〜』と笑いながら、かつての教え子を誇りに思っていたのは印象的だった。そして斎藤ものちに警視庁で活躍する事になるとは・・・。ホント、人の道とは分からないものだ。

Cタイトルバック
タイトルバックに、大久保大和、内藤隼人の文字が・・・。あくまでも近藤勇(大久保大和)、土方歳三(内藤隼人)という表記だが、この大久保大和を近藤勇と見破られて命を落とす勇。勇の死が近い事を感じさせた。そうそう、西郷もまだこの時点では隆盛ではなく、吉之助だったのである。そう言えば最近桂が出てこないが、どうしたのであろう。

D最後の対面
下総流山に陣を張り、体制を立て直す事を決めた新選組。勇はその前に総司の元を訪れ、『徳川の世が戻ったら天然理心流の5代目襲名披露だ!また来る』と去っていったが、お互い徳川の世が戻る事など思っていないのが現実であった。総司も自分の命の短さを感じていたし、勇も今まで以上に死を覚悟してただろう。そして、これが苦楽を共にしてきた2人の最後の対面となった。

E永倉と左之助
今週は慶応4年(1868年)4月3日を描いた。先週から約1ケ月後になるが、脱退した永倉と左之助の様子もしっかり描かれた。まず永倉だが、江戸で同志を集めて会津に行き、新選組のあるべき姿を勇に見せようと考えていた。一方の左之助は勇らと一緒にいても良かったのでは?と少し後悔の念。そんな中、死んだと思ったおそのの恋人・市川宇八郎が現れた。目を大きく開いて驚く永倉だが、事実を正直に話すしかなかった。市川もそれを理解、そして永倉を隊に誘うのであった。一方の左之助は京に戻る事を決意する。この2人もここで袂を分かつと思われたが、のちに再び合流する事になる。

F総司と斎藤
総司を訪ねた斎藤は『いつ頃死ぬんだ?』とズバリ聞く。そして『夏の終わりくらいかな』と答える総司。そのスッキリ感に2人の距離が近い事をうかがわせた。そして死を目の前にする男に向かって『お前はいいな〜』と斎藤。そして『もう刀の時代じゃないんだ』と告げるが、総司は『刀の時代を少しでも知っていて良かった。なんて自分は運がいいんだろう』と返す。それに対して『俺はもっとついている。近藤さんに出会わないで薩長に付いていたら、京の街でお前と闘っていただろう。その時はお前に負けていた』と笑う斎藤。そして『涼しくなる前にまた来る』と去っていったが、『涼しく・・・』というのは夏が過ぎてからの秋という事か?この一言は重みがあった。

G有馬藤太が古田新太。いいね〜。
尾形が武器を調達し、体制の立て直しは着々と進んでいった。一方で長州軍がすぐ近くまで来ているとの噂が・・・。『まさか』と歳三は疑うが、それは現実のものとなった。近藤が潜んでいる?大久保大和は近藤勇ではないか?と疑いをかけられ、薩摩藩士の有馬藤太を差し向けられる事になったのだ。最後の大物キャラクター有馬藤太は古田新太さんが演じていた。三船敏郎主演の映画『新選組』では萬屋錦之介が有馬を演じていたが、その存在感が際立っていた。それと同じくして今回大河で演じた古田新太さんもまさに当たり役だ。

H冷や冷やモノ
有馬が流山に赴いた。歳三は紳士に対応し、有馬を稽古場に連くが、ここは冷や冷やモノだった。まずは、勇の姿を見て島田らが『局長!』と大きな声をあげ、『そんな呼び方をしたらバレルだろうにぃ〜』と1人突っ込み。そこに今度は捨助が登場だ。ここでまたもやヒヤッとしたが、来る前に尾形から話を聞いて口車を合わせる事でうまくかわす事が出来た。しかし、有馬は寺の中にあった”誠”の御旗を見つけ、近藤勇=大久保大和を完全に見破ったのであった。しかし、それを見て見ぬフリをしたのか?ただただ『解散をオススメします』と有馬。それに対して『分かりました』と勇。これこそが勇への警告だったのでは?そして『近藤勇を知っているか?』と有馬が聞く。それに対して勇は『近藤は天下の大罪人です。薩長の事を許す訳にはいかなかたのでしょう。何度生まれ変わっても戦い続けます』と、大久保大和の奥底にある近藤勇の本音を有馬に伝えた。『もし近藤がそげん男なら敵ながらあっぱれ。一度、膝を突き合わせて酒でも飲みたかった』と有馬は納得するが、近藤こそ新政府で力を発揮すべき人物と悟ったのは間違いなし。そしてただただ『生きていてくれ』と思った事だろう。

I一世一代が失敗
一件落着と思われたが、新政府軍の中に『京で勇の姿を見た』と言う者が現れ、勇は取り調べを受けるために出頭しなければならなくなった。『心配はいらん。カタチだけ。ここはおいを信じてたもせ』と有馬は言うが、新選組隊士達は勇の身を心配して反対。しかし、行かねば疑われるし、ここは既に近藤勇と見抜いた有馬を信じるしかなかった。『こうなったら嘘を突き通せ。どんな手を使ってでも戻れ!』と歳三。そして今生の別れではないと言いながら抱き会う2人。近藤勇、一世一代の大芝居が始まった。しかし、それは失敗に終わる事になる。

J加納くん・・・
勇は『私は大久保大和。近藤ではござらん!』と堂々たる声で訴えた。有馬は『そろそろ、帰しちゃりもはんか』と勇との約束を果たそうとするが、ここで『かつて新選組にいたやつがいた』と言われてからは形勢は不利に。なんと!その男とは加納鷲雄だった。見詰め合う勇と加納。加納はどうすべきか迷っているようだった。なかなか言葉が出てこない。勇もじっと加納を見つめる。しかし、加納の迷いを感じてか、少し微笑んで『加納くん、お久しぶりです』と自分が近藤勇である事を白状したのだった。『ご無沙汰しております』と深々と頭を下げる加納。そこには勇に対する憎しみはなかった。むしろ、尊敬の念を抱いていたのかもしれない。勇はすっきりとした表情だった。そこには観念したと言うより、ここまで来たらもう悔いはないと瞬間的に悟ったのかもしれない。こうして48話は終わった。

【来週の展望】
今回は有馬登場と勇の投降がとても印象的な回であった。多少、史実と言われるものとは違う演出がなされたが、素晴らしい中味だったと思う。そしてとうとう最終回である。予告ではやつれた勇の表情。そして捨助が助けに向かう姿が・・・。涙を流す妻のつね、そしてふでの姿もあった。『近藤勇、よく戦いました』と声をかけるふで。涙、涙の最終回になる事間違いなし! 泣いても笑っても次回が最終回だ!

第47回「再会」 (11月28日放送)

【物語】
恭順謹慎を決めた将軍が江戸を去り、勇(香取慎吾)ら新選組には、江戸で官軍を迎え撃とうとする主戦派の期待が集まっていた。しかし、江戸を戦火にさらしたくない勝海舟(野田秀樹)は甲府への出陣を命じ、隊の名を甲陽鎮撫隊と改めさせる。新選組を捨て駒にしたい勝の本音を悟った勇は、反論することなく命に服する。松平容保(筒井道隆)に謁見した勇は、いずれ大軍を率いて会津の戦に加勢すると約束する。療養中の総司(藤原竜也)も勇に直訴し、甲府へ同行する。進軍の途中、多摩に立ち寄った勇らは大歓迎を受け、つかの間、故郷に錦を飾る。その中にあって、「官軍に先を越されるのではないか」と永倉(山口智充)はひとり気を揉む。不幸にも永倉の予感は的中し、勇らが勝沼に進軍した頃には、官軍に甲府城を占拠されていた。敵の攻撃に手も足も出ない中、勇は“刀の時代の終わり”を実感する。歳三(山本耕史)が援軍を求めに行くが、明らかに不利な戦況に、永倉は会津に助けを求めに行こうと提案する。しかし、会津には援軍として向かいたいという勇との間で意見が対立する。その頑なな態度に、永倉は勇と袂を分かつことを決意し、左之助(山本太郎)と共に隊を去って行く…。
【牛嶋のズバリ感想文】
新選組!の第47話が終わった。とうとう残り2話である。テレビ雑誌に最終回の内容が紹介されていたが、勇の最後の姿に『勇よ、お前は本当に死んでしまうのか・・・』と筆者の心の涙が流れたのは言うまでもない。でも、ひどい事を言うようだが、ここまできたら勇の最後を残酷に描いて欲しい。今回だけでも相当残酷だったし、ここまで残酷に描くなら中途半端な終わり方はごめんだ。少なくとも処刑場に向かう所で終わって欲しくはない。そう筆者は思う。さて47話の感想文にいきましょう。

@五稜郭まで・・・
冒頭で歳三の洋装姿が披露された。『馴染まない』と勇は言うが、確かにいきなりの洋装には戸惑うだろう。しかし、現代人の我々からすればとても良く似合っているように思う。ファッションという点もあるだろうが、新選組を近代的歩兵軍に一新しようとした歳三の決意の表れか?でも、この姿が残りわずかとはもったいない。ますます五稜郭までを描いて欲しいと思った次第だ。

A多摩編を思わせた
タイトルバックに多摩の人々の名前がズラリと連ねていた。ここだけ見ていれば1話から10話位までの多摩編を見ているようだが、今回はれっきとした第47話である。でも、歴史モノのドラマにおいて、序盤の出演者が終盤になって再び名を連ねるのは珍しい事である。

B様々な人生
伝通院で勇とみつ。伝通院は浪士組が集められた場所である。まさかこの場所の風景が再び見られるとは思わなかったが、300もの人数が集まっていたのがなつかしく思えた。と同時に、大変な時なのに何故こんなに平和な風景なんだろう?と、そのアンバランスさを感じずにはいられなかった。みつは江戸を離れる事になったと打ち明けるが、勇はようやく総司の面倒を見てもらえると思ったのにとがっかり。戻る場所は前と同じでも、人には様々な人生がある事を感じさせた。

Cショックのみつ
総司が労咳に侵されているのを知り、みつから持ち前の明るさが消えた。その後、総司を見舞うが、総司から出てくるのは弱気な言葉と無念の気持ちだけだった。それに対してみつは『ひとりでカッコつけてなさい。偉そうに血なんか吐いてばかみたい。あなたは悪いけど死にません』と、病人に対して厳しい言葉。これは元気のない総司への励ましの言葉だったのだろう。『私より先に死んだら承知しないから』と泣くみつ。変わり果てた弟の姿にショックだったに違いない。

D軽い名前
江戸に戻った勇は勝と対面した。『たいした出世ではないか!』と勝は勇を称えて出迎えるが、その言葉には裏があった。勇の意気込みをよそに甲府行きを命じる勝。そこには、既に江戸城を官軍に明け渡す事から、新選組のような下級幕臣を江戸から追い払おうという魂胆があったのだ。そして新選組から甲陽鎮撫隊へ名を改めさせ、『あいつには甲府で死んでもらわないとな』と笑う勝。野田秀樹さんの胡散臭い演技に、全国の新選組ファンを敵に回してしまった勝海舟であった。勝よ、憎らしいぃ〜。一方で『(近藤に)見抜かれた!あんなに悲しい顔をしているのを初めて見た』と勝の口が震えていたのが印象的だった。でも改めて思ったが、甲陽鎮撫隊とはなんとも軽い名前であろうか・・・。それにしても、全てを見抜いた勇が甲府行きに従ったのはなぜか?200名足らずで5000を相手にとは明らかに無謀だ。

Eお孝の存在がもったいない
母、妻、娘に別れを告げ、勇は甲府へと向かった。途中、遊女屋を借り切ったらしいが、さすがにその辺りは描いていない。この辺りはテレビドラマの欠点だろう。お孝も江戸に来ていたが、勇とお孝の関係がこのままでは中途半端に終わりそうだ。勇とお孝の間に子供がいたらしいが、今のお孝では総司の看病をしているだけの女って感じ。もったいない気がする・・・。

F総司を帯同?
甲府へ行こうとする勇の元へ総司が現れた。『この光景、前にも見た事がある』と言う勇だが、髪を月代にして涙ながらに京行きを訴えた光景は今から5年前の事だ。そして5年前と同じく、総司を帯同する事を決めたが、総司の心意気以前に、勇が死を覚悟して甲府に行こうとした事がよく分かった。結局は江戸に戻される総司だが、最終回では刺客に襲われるらしい。総司は病死ではないのか?

G甲府に先に着いていたら・・・
今週は慶応4年(1868年)3月2日を描いた。まず、甲府への通り道である多摩の人から歓迎を受けたが、その熱烈ぶりはまるで”凱旋”といった感じ。ここにきて故郷に錦を飾るとはなんとも悲しいが、つかの間の幸せを味わった勇であった。そして名をもらったシーンはなかったが、勇は大久保剛、歳三は内藤隼人の名を賜っていた。勇はのちに大久保大和とさらに名を改めるが、剛(たけし)の名を少しでも間に挟むとはなんと芸の細かい事か。そして、日野宿で集められた春日隊、菜っ葉隊?を従えて甲府に向かう事になるが、『薩長に先に甲府に入られているのでは?』と、ひとり気をもんでいたのは永倉だった。みんなが騒いでいる中、永倉だけがソワソワしている姿はとてもよく目立っていた。永倉の心配は現実のものになるが、甲府行きが遅れたのが悔やまれてならない。でも、仮に甲府に先に着いていたら、勇も歳三も永倉もここで討ち死にしていたかもしれない。

Hただのふるさと・・・
歳三の許婚であるお琴が、多摩でも指折りの金持ちに嫁いだらしい。それを知った歳三はお琴に会いに行くが、『この世で一番憎い男がどんな顔か見に来たのです』と、新選組を罵倒するきつい言葉も浴びせれてしまう始末。さすがの歳三も落ち込み、『俺達にとって京の5年ってなんだったんだろう?俺達は結局世の中を引っ掻き回しただけじゃないか?』と勇に問いかけた。しかし、『そんなことは俺にはわからん。俺は正しいと思った事をやってきた。悔いはない』と勇。そして、『あの頃へは戻れない。思っている以上に遠くに来てしまった』と言葉をつけ加えた。今や勇や歳三にとって、多摩はただの故郷でしかなかった・・・もうこのまま進むしか道は残されてなかったのだ。

I気にいらない
勝の真意を見抜いていた勇だが、『俺は負けるための戦はしない。そうやすやすと天下は渡さない』と歳三の前で言い放った。でも勇の真意はどうだったのだろう?本当に勝てると思っていたのか?でも、あの様子は明らかに勝ちを狙っていたと思われる。織田信長の桶狭間の例もあるのでなんとも言えないが、この戦いは近藤勇一世一代の大ギャンブルといえる。でも考えてみれば、容保から直々にお達しがあれば納得するが、勝から言われて甲府に行くとはなんとも気にいらない出来事だ。

Jあの勢いは?
今度は慶応4年(1868年)3月6日を描いた。永倉の予感が当たり、既に甲府城は無血開城されていた。大砲を据えて勝沼に陣を張る甲陽鎮撫隊だが、官軍の攻撃力に包囲され退却せざるを得なかった。もう刀の時代が終わったと身を持って感じる勇だが、もう手立てはない様子。新選組の羽織を誰一人として着ていなかったのは寂しいが、名を変えた以上、それはいた仕方ない事なのか。そんな中、永倉が『会津へ行く』と言い出して勇と対立。『これは命令だ』と勇は感情的になるが、『我らはあなたの家来ではない』と永倉。そして『勝手に隊を離れたら切腹だ』と勇。その発言に冷静さを失っている事を感じさせた。案の定、『まだそんな事を言っているのか?いい加減に目を覚ませ』と永倉に言いくるめられる始末。ここは完全に永倉の言い分が勝っていた。敗北は甲府到着が遅れたのが大きな要因だが、明らかに負け戦。『負けるための戦はしない』と言い放ったあの勢いは勇にはなかった。どうした勇!?

K勇よ、しっかりしろ!
永倉に続いて左之助も隊を離れて行った。その理由が明確になっていなかったのが残念だが、無理矢理でも説得力ある理由が必要だったのでは?そして次々と去る隊士達。『これで浪士組結成当初からのメンバーは俺と土方と総司・・・』と勇はしみじみと語り出すが、完全に覇気を失った様子。しかし、そこで決起したのは斎藤だった。『この旗がある限り新選組は終わらない。この旗が俺を引き寄せてくれた。俺は一生かけてこの旗を守る。俺がいる限り新選組は終わらない』と雨の中、旗を持って高らかに雄たけびを挙げたのだった。『俺も同じです』と島田。そして尾形らも続く・・・。隊士らによって救われた格好になったが、勇は何を思う・・・。あの意気込みから一転しての表情に、勇よ、もっとしっかりしろ!と言いたい。厳しいようだが・・・。

【来週の展望】
とうとう残り2話である。48話のタイトルは『流山』と、こんなにストレートなタイトルになるとは思いもしなかった。再起を図ろうと流山にたどり着くが、官軍に包囲されてしまい、勇が投降する・・・という内容だ。予告で勇は『大久保大和です』と口にしていたが、来週早くもそのシーンが描かれるとなると、最終回は勇の斬首がじっくりと描かれるようだ。

第46回「東へ」 (11月21日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)は、戦場で銃弾を受けて大坂城に運び込まれた佐々木(伊原剛志)と対面する。佐々木は徳川の命運を勇に託し、息絶える。その頃新選組は、態勢を立て直すために大坂城へ向かっていた。そんな中、歳三(山本耕史)は機密書類を処分するため、斎藤(オダギリジョー)と山崎(桂吉弥)を伴って京の屯所に戻る。薩長の探索の手が迫り、歳三らは身動き取れなくなるが、その窮地を救ったのは壬生の八木源之丞(伊東四朗)だった。一方、左之助(山本太郎)も京に舞い戻り、身重の女房・おまさ(はしのえみ)にひと時の別れを告げる。また、永倉(山口智充)もおその(小西美帆)の家を訪ねるが、無残な姿を目のあたりにして怒りを爆発させる。大坂城へと急ぐ歳三らだが、伏見の辺りで薩摩の斥候に追跡され、山崎が手傷を負う。たまたまその場に居合わせた捨助(中村獅童)の機転で、一行は寺田屋に逃げ込み、女将のお登勢(戸田恵子)の手助けで何とか大坂城にたどり着く。勇が決断を下し、新選組は幕府の軍艦で江戸に引き上げることになる。隊旗を先頭に掲げて大坂城を後にする新選組を、男装した八木ひで(吹石一恵)が見送る。江戸へ向かう軍艦の中、幕府の衰退を察して皆が今後を憂える中、山崎がひっそりと息を引き取る。江戸に帰還した勇は、松平容保(筒井道隆)から徳川将軍家が恭順の意を決定したと聞かされる…。
【牛嶋のズバリ感想文】
ホントに残り少なくなってきた。『今がよんじゅう・・・』と確認しながら、『という事は・・・48、49・・・で残り○話だ』と常に計算する自分がいるが、これは惜しむ人みんなが同じ事をしているだろう。いよいよ京を離れる回となったが、ホントに終盤だ。この度、完全版DVDの発売も決まったが、この時点で決まるとは異例では?それだけ要望が大きかったという事であると思っている。放送開始からしきりに低視聴率と指摘されるが、これは時代背景も関わってくるので、過去とは一概に比較は出来ないと思う。むしろ愛している度合いはかつてないほど高いと言えるのでは?だから自信を持って『新選組!』と向き合っていきたいと思う。さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。

@一気に破滅へ
冒頭で佐々木があっさりと討ち死にした。もっとじっくり描くかなぁ〜と思ったが、銃弾を全身に受けた見事な最期であった。大坂城に運ばれ、勇の手を握りながら『お主に託した』と言って息をひきとったが、新選組以外の人が死んでいく姿に、旧幕府軍が破滅の道を進んでいる事がよく分かった。

Aもっと事実が?
今週も1話で数日を描いた。まずは慶応4年(1868年)1月7日。新選組屯所に戻った歳三は資料等を焼き尽くしていた。新選組が斬った人間の名前まで書いてあったとの事で、これは後々自分達に返ってくる証拠を消そうとしたもの。これはナイス!歳三は新選組の編成図だけは持ち帰ったが、焼き尽くしていなければ、新選組に関する新たな事実がもっと明らかになっていたかもしれない。残念!

B八木家の誇り新選組
屯所に薩摩が現れた。残党狩り?だが、八木源之丞の機転でなんとか逃げる事が出来た。『あれほど京のために尽くしたのに、こうして追われるとは・・・』と源之丞も首をかしげるが、まさにその通り。勝てば官軍、負ければ賊軍という時代背景を感じた。為三郎は『あの人何したの?』と聞き、源之丞は『なんもしてへん』と答えていたが、為三郎が今起こっている事を知るのは後になってからか?でも、八木家のみなさんは新選組を誇りに思った事だろう。

C残酷な描き方?
新選組は京を離れて江戸に向かう事になった。所帯を持つ左之助はまさとしばしの別れ。永倉もおそのに会いに行くが、おそのは薩摩のやつらに命を奪われていた。女に容赦しないとは恐ろしいやつらだが、一方の歳三と斎藤は、山崎の道案内で大坂に行こうとしていたが、そこに薩摩が現れて山崎は顔を斬られてしまった。鳥羽伏見で命を落とした事は分かっていても、その死に様ははっきりと記録には残っていない謎の隊士である山崎。でも、監察役が顔に傷を追うとは・・・山崎もショックだったに違いない。結局、江戸に向かう船の中で息をひきとる事になるが、三谷さんは山崎の死をよくもまぁ残酷に描いたものだ・・・。

D縁は異なもの
歳三は薩長を倒す為、300の軍勢を永井に申し出た。しかし永井から慶喜が江戸に帰った事を打ち明けられ、がっくりと肩を落とす勇。もう打つ手はないのか?その頃、歳三はピンチに陥っていたが、今度は捨助の機転で難を逃れた。捨助は寺田屋にお世話になっているらしく、お登勢に匿ってもらう事になったのだが、縁とは異なものだ。前は逆の立場だったのに・・・。そして江戸に戻る事になった新選組だが、捨助もその誘いに乗って一緒に帰る事に・・・。常々捨助は『お前らを見返す!』と言っていたが、勇、歳三が単に好きだったのだ。その2人が認めてくれない。だから、認めてもらうまで頑張ろうとしたのだが、勇に礼を言われて、ようやく認めてもらえたと感じたのでは?でも勇らは決して認めていない訳ではなかったのだが・・・。

E京に戻るのは・・・
江戸に帰ると言った勇に対して、『俺は帰らない。俺は京で一旗挙げると約束したんだ』と歳三。この発言は歳三らしくなかったが、『逃げ帰るのではない。勝つために帰るのだ』と言う勇のセリフを際立たせるためのものだったのか?そして、慶応4年(1868年)1月9日。新選組が江戸へ戻る事になった。隊服を着て京の街を後にするが、列には捨助の姿が。八木ひでが隊士らに別れのあいさつをしたが、総司は寝たまま。そして再び京を訪れる事はなかった・・・。でも勇があのようなカタチで後に京に戻るとは誰が想像したであろうか。

Fノーコメント
勝が慶喜を迎えた。最初は低姿勢。そして『奪い返して我らこそが官軍になる事が出来たのです』と怒鳴ったが、なんともうさん臭い勝海舟であった。野田秀樹さんには悪いが、筆者の思う勝海舟のイメージが狂ってしまったのは間違いない。以下、ノーコメント!

G是非続きを特番で
船に乗った勇と歳三。そして『刀の時代は終わった。そんな世の中が来るのか』と、しみじみ語り合った。総司も加わり、『みんな元気かなぁ〜。6年ぶりですよ』と、まるで凱旋したかのようだったが、歳三が周斎の物真似。周斎は田中邦衛さんだが、この真似は明らかに近藤周斎ではなく、『北の国から』の黒板五郎だ。そして洋装に身をまとった男が登場。榎本武揚だった。話しかける歳三。『何か・・・』と榎本。そして『その服、どこで手に入れました?』と歳三が聞く。無言で立ち去る榎本。後に蝦夷共和国の総裁に就任して歳三とともに新政府に対抗する榎本だが、一言でも大変存在感のある草g剛は適役だった。ホント、出来れば五稜郭まで描いて欲しいものだ。特番で是非!

Hつかの間
慶応4年(1868年)1月16日。勇は既に江戸に着いていた。そして懐かしの多摩へ。しかし、周斎は既に亡くなっており、歳三の物真似も単なる思い出でしかなかった。そして『これからは一緒に暮らせるのですね』と話しかけたつねをそっと抱きしめた勇。ふでも『お勤めご苦労様でした』と労いの言葉。しかし、それはつかの間の出来事であった。

【来週の展望】
残り3話。来週は甲府出撃である。新選組から甲陽鎮撫隊へ。そして永倉、左之助との別れが待っている。三谷さんは残り3話をどう描くか注目だ。

第45回「源さん、死す」 (11月14日放送)

【物語】
御陵衛士の残党に襲撃を受けた勇(香取慎吾)は、手傷を負って伏見奉行所へと戻り、歳三(山本耕史)の命で隊士の山崎(桂吉弥)が治療に当たる。 命に別状はないが右腕が上がらなくなるかもしれない、という山崎の言葉に歳三は取り乱す。歳三や永倉(山口智充)らに後を任せ、周平(浅利陽介)のことを源三郎(小林隆)に託し、医師・松本良順(田中哲司)の治療を受けるために勇は病身の総司(藤原竜也)を伴って大阪城へ向かう。大坂城に入った勇は、永井尚志(佐藤B作)から、薩長との戦が不可避になったことを知らされる。佐々木(伊原剛志)も新遊撃隊を率いて出陣し、ついに鳥羽伏見で戦端が開かれる。剣豪揃いの新選組だつたが薩長軍の砲弾の前では歯が立たず、後退を余儀なくされる。数日後、淀に布陣した新選組は、“錦の御旗”を立てた薩長が“官軍”として進軍してくるのを目の当りにする。“錦の御旗”に刃向うことは逆賊になることを意味する。ひるむ幕府軍に、薩長は容赦なく攻撃を浴びせる。歳三は隊士に退却を指示するが、周平が逃げ遅れてしまう。その時、降り注ぐ銃弾の雨で身動き取れなくなった周平を救うため、源三郎は、単身、薩長軍の前に立ちはだかる…。
【牛嶋のズバリ感想文】
相変わらず多忙で、今回も感想文のUPが遅くなってしまった。即日出来なければ1週間後更新・・・こんなサイクルが続きそうだが、ご了承下さい。

@今から恐い?
今週は先週の最後に描かれた勇が狙撃されたシーンから始まった。先週見たシーンだが、苦痛にゆがむ勇の顔はさらに痛々しく見えた。それだけショッキングなシーンだったようだ。これさえもこれだけ心に響くものがあるのだから、斬首のシーンなどは一生頭から消えないかもしれない。さすがにそこは描写されないだろうが、今から見るのが恐いのが本音である。そうそう、先週書き忘れていたが、撃たれても落馬しなかった近藤勇は凄い!これは実際にも語られた事らしい。でも、貫通銃創と聞いていたが・・・。

Aショックの歳三
勇は傷つきながらも単身屯所に戻った。歳三がその姿を見て驚き、御陵衛士の残党の仕業と断定。永倉が仇を討つと立ち上がり、それに歳三、左之助、斎藤も続いた。しかし『局長は喜ばない』と、源さんの言葉に踏みとどまるのであった。温厚な源さんの激しい言いっぷりに、みんなも圧倒されたようだ。山崎によると勇の具合は、腕が上がらなくなるかもしれないとの事。『そんな事になってみろ、お前、切腹だぞ』と、歳三は山崎に食ってかかるが、明らかに冷静さを失っていた。一方で、命令した仕事をしっかりこなしてきた山崎が、もしも・・・の話をした事に不安を覚えたのかもしれない。いずれにしても、歳三にとってもショックな出来事だったようだ。

B周平の今後は?
勇は大坂城の松本良順に身を寄せる事になった。そんな中、源さんが周平を連れてきた。しばらく会えないからと挨拶させたのだが、『お気をつけて』と簡単に会釈。えらく簡単だなぁ〜と思ったが、周平は負傷した勇にどう気持ちを伝えていいのか分からなかったのだろう。それに対して、『もし戦になったら、近藤家の跡取りに恥じぬ戦いをしろ。頼むぞ。近藤周平!』と勇。正直言ってこのセリフが出るなんて驚きだった。今後の周平の行方は?三谷さんは周平を今後どう描こうとしているのだろう?

C勇は何を思う?
勇は大坂で松本良順に手当てを受けた。『再び刀を握れる事になっても、刀の時代は思っているかもしれない』と言う良順の言葉が空しく響いたが、そんな中、庄内藩が薩摩の誘いに乗り、江戸の薩摩藩邸を焼き討ちにしたという知らせが届いた。そして、いよいよ戦が始まる事になる・・・。勇の顔は見る見る変わっていったが、良順の話も含めて勇は今後起こる戦をどう思った事だろう。

D血に染まる京
今回は1話で数日を描いた。まずは慶応4年(1868年)1月2日であるが、思わず『誕生日だ!』と言ってしまった筆者。計算すると筆者が生まれる101年前の出来事だが、陸軍奉行の竹中は『戦にはならん!薩摩は攻めて来ない!』と、これからも徳川の世は変わらない事を信じて疑わない様子。と言うより、精一杯の強がりだったのかもしれない。一方、佐々木率いる遊撃隊が『今こそ薩摩をつぶしておかなければ』と動き始めた。そこで映し出された京都の映像。ガイドブックに載るような綺麗な映像だったが、その京がまもなく血に染まるとは・・・。

E葵から菊へ
その頃、岩倉と西郷、大久保が会談を持った。岩倉は『本当に勝てるのか?』と西郷らに問い、『今から思えば、徳川をいじめなくても良かった』と不安いっぱいの表情だった。一方西郷は『古いものを壊し、新しいものを作る』と強気であったが、イマイチ確証が持てないといった感じ。そんな中、大久保は『我らが官軍である事を表すために旗が必要』とアイデアを出して一件落着。しかも岩倉が既に作っていたからびっくりだ。葵の御紋から菊の御紋へ。こうして徳川から薩長の時代へと着実に変化しつつあった。

F武力の差
慶応4年(1868年)1月3日。会津では軍議が行われていた。その頃鳥羽では軍砲の音が。城内も慌しくなっていった。『とうとう始まったか?』大砲、銃などで撃ってくる薩摩だが、永倉、左之助、島田らが突撃する。『源さん、この戦、俺達の負けだ。刀の時代は終わったのかもしれない』と歳三。『寂しい事を言わんで下さい』と源さん。気持ちだけは負けないといった所か。左之助、斎藤、島田らが戻るが、永倉は相手の旗をぶんどってきたとの事。さすが新選組と拍手を送りたくなったが、その武力の差は明らかだった。引き上げるしかなかった新選組。隊士らは何を思った事だろう。

G今と当時は違うぜ
周平がひとり佇んでいた。そこへ大石が。ここにきて、ようやく周平への歩み寄りを見せ始めた大石。これだけで『大石って、ホントはいいヤツなんだなぁ』と言ってしまいたくなるから不思議だ。そこへ源さんが現れ、2人におにぎりを渡すが、『いいです』と断る周平と大石。普通は逆だろ!と立場の役割の違いを感じるが、”上司ズラ”していない源さんはやっぱり立派だ。そして『みんなと突撃出来なくてすみませんでした。私には戦は向いてない』と、ここに来てまで弱気の周平。勇の温かい言葉を忘れたのか?と突っ込みを入れてしまったが、『それを言うなら、俺もここに試衛館の門人で一生を終えると思っていた。自分の人生、こうあるべきだなんて思わない方がいい』と優しい源さん。筆者にももちろん理想の人生があるが、この言葉は心に響いた。でも、今の世と源さんの世は時代背景が違うんだと自分を戒めた。

HCGの功罪
薩摩、長州の鼓笛隊が歩を進める。しかも官軍である事を証明する旗を持って・・・。新選組はまたもや退却。そんな中で周平が逃げ遅れた。『何、やってんだ!』筆者も思わず声をあげてしまったが、完全に腰がひけて動けなくなった様子。そしてなんと!そこへ源さんが飛び込んで周平を逃がそうとしたのであった。薩摩が銃を源さんに向ける。源さんは一歩を退くことなく前に歩を進める。その気迫に銃弾も負けたのか?源さんの横を通過していった。顔面に向けての銃弾も刀で弾き飛ばした。ここでCGが使われたが、三谷氏の脚本には”銃弾が刀に当たって・・・”という事が書かれて、それを表現するためにCGを使ったのか?筆者はこの制作者の意図が分からない。確かに賛否両論あるだろうが、CGを使わなくてもちゃんと伝わる映像は作れたと思う。CGは確かに素晴らしい技術だが、これもCGがもたらせた功罪といったところか。

I源さん、死す!
周平逃げろ!の声ともに身体に銃弾を浴び、さらに背中を数発討たれて、源さんはついに力尽きた。そして、意識が薄れそうな中でも周平の名を呼び続ける源さん。本当に立派だ。歳三、島田は泣きながら源さんを抱きしめ、周平の無事を告げる。すると安心したのか源さんの顔が優しくなった。そして『近藤先生に・・・』の言葉でついに息絶えた源さん。みんな泣いている。大石も泣いている。島田がそんなんじゃだめだと源さん力強く抱きしめる。抱く事によって銃弾を体外に出すためだが、その気持ちは痛いほど分かった。最後の最後まで人のために生きた男。芹沢、山南、河合、松原・・・と亡くなっていったが、この人ほど”死”のイメージがなかった人も珍しい。実際は井上泰助曰く、退却命令の中でも退かず、最後は銃弾を浴びて死んでいった・・・との事で、シチュエーション的には三谷氏の創作だが、『新選組!』の井上源三郎は、最初から最後まで”井上源三郎”だった。老けたイメージがあるが、まだ39歳での死であった。合掌。

J勇の斬首やむなし!
容保が『なぜこうなるのだ。薩長が官軍となり、我らが賊軍となった。ミカドのために命を捧げてきた。それがなぜ朝敵になる?』と怒りを露にしていた。確かにその通り!しかし、事実は事実だ。そんな中で勇が口を開いた。『私は心を決めました。会津藩を決して賊軍にしません。薩長の謀略。この近藤が打ち砕いてみせます。戦になったからには武力を持って薩長を打ち破るのみ。戦に勝つ他はありません。勝ちます』。薩摩の挑発に乗って始まった戦で、最悪のシナリオになってしまったが、反対の姿勢を示していた勇自身の”宣戦布告”であった。史実では最後に斬首となる勇。これは誰もが知っている事だが、『大河ドラマ”新選組!”の近藤勇がなぜ斬首になるのか?』という疑問は、回を追うごとに強くなっていた筆者。しかし、この宣戦布告で、『敗れれば勇の斬首はやむなし!』と思った。

Kおいおい、慶喜!
慶喜が『大坂城を脱出して江戸に帰る。戦は終わりじゃ。足利尊氏は錦の御旗に歯向かったために末代まで逆賊の汚名を着せられた。余は尊氏になりたくはない』と口走った。容保が異を唱え、残る姿勢を表したが、慶喜は『お主らも連れていく』との事。慶喜のこの行動は有名な話だが、これによってどれだけ多くの者が失望した事か。まるで今の政治家と同じだ!

L源さん、さようなら
慶喜の動きも知らず、勇は腕を組んで今後を思案中。そんな中、勇の元に源さんが帰ってきた。『いつ戻った?』と勇。そんな状況の中で源さんが『局長は昔から人が良すぎる。自分が傷つく事をお忘れになりませんように。先生、決してご無理をなさらないように。1人で背負わないように。私は江戸にいた頃の先生の明るいお顔、好きでございます』と、最後は涙ながらに訴えた。『すまなかった。ここまでつき合わせて』と謝る勇だが、その気持ちは人一倍強かった事だろう。しかし、『楽しゅうございました。悔いはございません。欲を言えば、みんなと一緒に江戸に戻りたかった』と涙ぐむ源さん。『死んだやつが泣いてどうする?』と勇。『そうか・・・』と笑顔の源さん。そして勇に深々と頭を下げて・・・消えていった。こんなシーンがあるとは思わなかった筆者だが、確かに最初は疑問を感じた筆者。しかし、二度目に見た時は悲しさがこみ上げてきた。きっと天国に行く前、『1人だけ会わせてやる』と神様に言われて、源さんは迷わず勇を選んだのだろう。その律儀さに敬服。銃弾と同じく賛否両論あるシーンだろうが、ここは良かった。最後まで”井上源三郎”を”井上源三郎”で描いてくれた三谷さんに感謝。そして、源さん、さようなら!

【来週の展望】
来週は佐々木も死ぬ。山崎も死ぬ・・・。本当に1人、また1人と命を落とすが、勇の”死へのカウントダウン”も始まった感がする。残り4話、しっかり見ていこう。そして榎本武揚も登場だ。

第44回「局長襲撃」 (11月7日放送)

【物語】
薩長の動きを封ずるべく先手を打って大政奉還を行った徳川幕府。しかし、薩長が朝廷を動かして王政復古の大号令を発したため、逆に徳川方は窮地に立たされてしまう。こうした状況の中、勇(香取慎吾)は、松平容保(筒井道隆)から「薩摩を討つ」との意気込みを聞かされる。新選組屯所では、勇が隊士たちに徳川幕府が無くなったことを説明し、歳三(山本耕史)は来るべき大戦に向けての準備を始める。二条城へ登城した勇は、徳川慶喜(今井朋彦)に意見を求められる。徹底抗戦を主張する佐々木只三郎(伊原剛志)と、戦は避けるべきという勇の意見は激しくぶつかる。結局、慶喜は京都を出て大坂城に入る決意をし、勇に二条城を守れと命じる。慶喜の命に従い入城しようとする新選組だったが、水戸藩によって入城を拒まれる。改めて永井尚志(佐藤B作)に指示を仰いだ勇は、隊を率いて伏見に布陣することになる。二条城を出た勇は、京の町で龍馬の妻だったおりょう(麻生久美子)に命を狙われる。勇は龍馬を暗殺したのは新選組ではないと話し、おりょうには龍馬の妻として誇り高く生きてほしいと諭す。一方、勇の別宅に静養している総司(藤原竜也)は御陵衛士の残党に踏み込まれるが、お孝(優香)の機転で事なきを得る。しかし、京の町で所用を済ませ伏見への帰路についた勇を、復しゅう心に駆られた御陵衛士の残党が待ち受けていた…。
【牛嶋のズバリ感想文】
この所感想文が遅くなっていたので、今回は即日UP出来るように頑張った。かと言って、来週もそうなるかと言えば自信がないが、やはり感想は早く書いてナンボ。最終回に向けて感想も頑張りたいと思う。では、今週の感想文にいきましょう。

@一致団結?
今週は1867年(慶応3年)12月12日を描いた。先週から約1ケ月後になるが、3日前の9日には王政復古の大号令が発せられ、幕府という旧朝幕体制は廃絶。新政府が発足する事になった。慶喜は『ゆっくり次の手を考える』と言うが、あの表情では次の策など浮かびそうもない感じ。容保は薩摩を討つ!といきり立っていたが、新選組内部でも当然の如く今後を不安視していた。そんな中、『薩摩が喧嘩をしかけているのでは?』を口を開いたのは尾形俊太郎だった。『昔は誰か必ず解説してくれたんだよなぁ〜』という左之助の言葉を思い出したが、諸士取調役兼監察で文学師範の尾形が、新しく解説役になった模様。『私もそう思う』と尾形の言葉を受けて勇が口を開いたが、そんな中に総司が現れた。その姿にみんな口を揃えて『寝てなきゃダメだぞ!早く行け!寝ろよ!』と・・・。『なんですか〜みんなで寄ってたかって・・・』と総司は言葉を返すが、切羽詰った話の中でのさりげない面白い演出であった。それにしても、この時になってようやく新選組内部がうまくまとまったような気がする。

A来週への布石か?
勇が二条城へ出掛ける一方、屯所ではいつでも出陣出来るように準備をし始めた。源さんは『こんな事になるとは・・・』と心配するが、『源さんもふけたなぁ〜。グチが多くなった。俺がそんな風にはさせん』と歳三はあくまでも強気だった。その言葉の裏に秘策があったとは思えないが、気持ちだけは負けないという事か?それはそうと、歳三と源さんのこのやりとりは、来週へ続きそうな感じがしたのは筆者だけだろうか。

B会津だけが頼り?
会津藩の広沢らは、勇に『会津藩を救ってくれ』と頼み込んだ。『お主だけが頼りだ』とまで言うくらい危機的な状態なのがよく分かったが、同時に、今まで冷たくあたってきたのに、それはないだろう?と思った。しかし、小森久太郎はしっかりその辺りを認めていたのは潔いではないか!のちに歳三は会津に渡って戦うが、逆に考えれば新選組も会津だけが頼りであった。

C新選組は新選組
新選組は”新遊撃隊御雇”という名に改称させられた。島田がそれを聞いて嫌な顔をしたが、それは筆者とて同じ気持ち。結局は返上する事になるが、新選組はいつになっても新選組である。それでも、のちに甲陽鎮撫隊と名を変えるが、これもやはりしっくりこない。役目が変わったのだから仕方ないのだが・・・。さて二条城での話し合いだが、徹底抗戦を主張する佐々木に対して、勇は戦は避けるべきと、2人の意見が激しくぶつかった。結局、慶喜は京都を出て大坂城に入る決意をし、勇に二条城を守れと命じる。そして『戦はせん。しかし、それでも闘わなければならなくなった時は力を貸し手くれるか?勝てるか?』の問いに、『近藤勇。戦で負けた事はありません』と力強く答えたのであった。危機的な状況とはいえ、この時誰しも勝利すると信じて疑わなかった事だろう。

D西郷が憎いっ!
旧幕府の動きに、『誘いに乗ってこんな〜』と西郷。勇の読みは当たっていた。しかし、いくら挑発に乗るな!と言われても西郷にはまだまだ秘策があった。それが鳥羽伏見の戦いに発展する事になるが、これほど西郷を憎らしいと思った事はない。そうは言っても、既に倒幕の密勅を受けていたので、西郷は西郷で正義と言える。しかし・・・やはり、憎らしいっ。

Eお見事!近藤勇!
慶喜の命に従い二条城に入ろうとした新選組だったが、水戸藩によって入城を拒まれた。しかも、水戸藩家老の大場一真斎に屈辱的な言葉を浴びた。『名前が変わろうと紛れもなく新選組。軍の士気にかかわるのじゃ。そなた達が行ってきた乱暴、狼藉、我らが知らんとでもお思いか?いったい何人斬った?どれだけ京の町を血で汚してきた?おぬしらの振る舞いがいたずらに薩長の恨みを買い、その挙句、斯様なざまとなったのだ。直参に取り立てられたからといって、我らが皆認めていると思うな!我らにとっては獅子身中の虫じゃぁ〜っ』と・・・。これには筆者もカチーンときたが、我らが近藤勇がしっかりと代弁、いや、局長としてしっかり言ってのけた。あまりに素晴らしいので前文列挙すると、『我らは常に先人に立ち、徳川様の為に命を張ってきた。確かに何人の浪士を斬ったか知れない。しかし、その分我らの仲間も死んだ。隊の規律を守るために自ら手をかけた事もあった。それもこれもご公儀のため。お分かりか?あなたはそうやって死んでいった全ての者達を愚弄した。ならば伺おう。我らが命がけで闘ったこの5年。お手前方は何をした?ご公儀のために一度でも命をかけた事がおありか?』。いやぁ〜ホント、素晴らしかった。近藤勇よ、あなたは素晴らしい。あなたのために命を捧げようとする者たちの気持ちが良く分かった。筆者も隊士ならば、命を預けたであろう。とにかく感動した。かつて『人が良すぎる!』と偉そうに苦言を呈した事もあったが、もう何も言う事はない。見事な近藤勇だった。

F筆者とて尊敬
斎藤が総司を見舞った。『精がつくらしい』と見舞いの品を渡すが、総司の『何ですかこれ?』に『知らん』と斎藤。そしてすぐに帰ろうとする・・・。ここは斎藤らしくてとっても良かったが、ここで総司が斎藤を尊敬し、斎藤のような剣士になりたかったという事実が明らかに。それを受けて『俺のようになるな!だからお前を気にかけている』と言って斎藤は立ち去るが、斎藤は斎藤で、ある意味総司に憧れを持っていたのかもしれない。実年齢は斎藤が年下だが、大河では明らかに逆に描かれている。これはこれでいいだろう。とにかく新選組の隊士内は同志を超え、家族的な関係になっている事をうかがわせた。また、総司と斎藤の遭遇はとても新鮮だった事も付け加えておこう。そして帰り際に『戸締りを忘れるな。いざという時の逃げ道を作っておくように』とお孝に忠告。そしてそれを素直に守ったお孝の機転で、襲われた総司は事なきを得た。これも全ては斎藤の助言のお陰。斎藤のファインプレーである。ワイルドでさりげない優しさを持ち、グチを言わずしっかり仕事をする男・・・やろうと思っても出来ない芸当だ。筆者にとっても斎藤は尊敬出来る存在だ。

G三谷氏なりのケジメ?
今週は1867年(慶応3年)12月18日も描いた。と言うより、今回は『局長、襲撃』。ここからがメインである。襲撃とは御陵衛士の残党が狙撃するのは誰もが知るところ。しかし、その前に頭巾を被った1人の女に狙われた。余計に目立つじゃないか?と突っ込みを入れつつ、すれ違いざまに勇をブスリ・・・。と思いきや、勇は女の腕をつかみ、寸での所でかわしたのであった。女は龍馬の妻おりょうであった。おりょうがまた出てくるとは思わなかったが、龍馬を襲ったのは新選組だ!と復讐しようとしたのであった。『日本なんか変えなんでも良かった』と人間らしい言葉があってとっても良かったが、勇は新選組の犯行を否定するととともに、おりょうに龍馬の妻として誇り高く生きてほしいと諭した。このシーンはなぜ作ったのだろう?と考えたが、これは映画『竜馬の妻とその夫と愛人』の脚本を書いた三谷氏の、龍馬とおりょうに対するケジメだったのかもしれない。先週、龍馬の死についての勇のコメントが欲しかったと書いたが、ここにつながっていたようで良かった!なるほど!

Hショッキング!
馬上の勇を、御陵衛士の残党である加納と篠原が狙撃した。右肩を撃たれ、痛々しい表情を浮かべながら馬上で倒れる所で終わった。タイトルが『局長、襲撃』でありながら、最後の数分で終わるとは思ってもみなかったが、大久保が西郷に『手を打った』と言ったシーンがあり、最後はここにしっかり結びついていたので、これはこれでいいと思う。と言うより、このタイトルしかない。でも、局長狙撃はショッキングなシーンだった。

【来週の展望】
来週は鳥羽伏見の戦いである。多くの隊士が命を落とす悲しい回だが、タイトルを『鳥羽伏見の戦い』ではなく、『源さん、死す』とするとは思わなかった。それだけ源さんの死を悼む気持ちが大きかったと思われる。筆者も同じで、戦い自体よりも源さんが死ぬ事に重きを置いた点を評価したい。なんか偉そうなコメントだが、お許しを。

第43回「決戦、油小路」 (10月31日放送)

【物語】
かつて勇(香取慎吾)の下で新選組参謀を勤めた伊東甲子太郎(谷原章介)。新選組と袂を分ち、自ら御陵衛士を率いる伊東は、尊攘派志士たちの会合に参加する。席上、持論を披露しようとする伊東だが、“元新選組”であることを嫌う公家の岩倉(中村有志)から屈辱的な扱いを受ける。そんな伊東に薩摩の大久保(保村大和)は、「岩倉の信用を勝ち取るために、近藤勇を斬れ」と迫る。伊東は策を弄して勇の暗殺を企てるが、間者として御陵衛士に加わっていた斎藤(オダギリ ジョー)の通報で企ては新選組の知るところとなる。伊東は、平助(中村勘太郎)を使者として新選組へ送り、勇と二人で会いたいと申し入れる。二人きりの場で油断した勇を殺害するつもりでいた伊東だったが、勇を殺しても自分の立場は何も変わらないと気づかされ、和解して帰っていく。しかし、話し合いによって決着したことを知らない大石鍬次郎(根本慎太郎)らの襲撃によって伊東は命を落す。言い訳の出来ない状況で伊東が落命したことを知った歳三(山本耕史)は御陵衛士と雌雄を決する覚悟を決めるが、試衛館以来の仲間である平助だけは助けるようにと指示を出す。新選組は伊東の遺体を引き取りに現れた御陵衛士を七条油小路の辻で待ち伏せる。両者の激しい斬り合いの中、永倉(山口智充)たちは何とかして平助を逃そうとするが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
遅ればせの夏休み(長期休暇)をとっていたために更新が遅れました。パソコンを全く触れずにいたので、とりあえず手書きで執筆。で、帰ってきてからすぐに更新しようと思いきや、仕事が多忙でこれまた更新が遅れました。2週まとめての更新になりましたが、どうぞ、お読み下さい。さて、『新選組!』も残りわずか。テレビ雑誌でも特集記事が組まれるなど、盛り上がりを見せているが、今後は涙涙・・・の回が続く事になる。でも、これだけ泣かせる大河も珍しいのではないだろうか?そして今回も悲しい話となった。それでは感想文にいきましょう。

@政治を左右するもの
坂本龍馬が暗殺され、時代は武力による倒幕に向かおうとしていた。そんな中、波に乗り切れない男達の悲劇があった・・・と冒頭で小寺アナのナレーションがあったが、その悲劇の男とは伊東甲子太郎の事であった。『新選組におった者が・・・』と岩倉に一蹴され、自分の意見を言おうとしても言えない状態。この時代における役職、出身などが、政治的に大きく左右する事をうかがわせた。

A普段はなまっていない?
龍馬暗殺に新選組が関わっているのでは?という疑いがかけられた。龍馬と一緒に襲撃され、2日後に息をひきとった中岡慎太郎が、刺客が吐いたと思われる『コナクソ!』という言葉を伝えていたのだ。四国伊予地方の方言という事で、左之助が疑われたのだが、思わず出てしまった言葉らしい。『普段はなまっていないのに、なぜそういう時になまるんだ?』と真面目な口調で言う永倉には笑ったが、これは人間の本能というもの。歳三が重大な出来事に接すると、思わず勇を『かっちゃん!』と言ってしまうのと同じだ。しかし、新選組に伊予出身の隊士がいるだけで新選組犯行説が浮上するとは考えにくい。現場に左之助の鞘が残され、それを伊東甲子太郎が証言したと言われているが、実際はこれらの要因があった上で疑われたのだと思う。その疑いが晴れるのは事件から今日明日の事ではなかったが、今では見廻組説は通説となっている。最後に・・・『普段はなまっていない』と永倉は言うが、なまる以前に今の左之助は完全に現代口調だ!(笑)

B捨助介入による新選組犯行説?
龍馬を死に追いやった原因を作ったからと捨助が襲われた。新選組の屯所に逃げ込んで?難を得たが、『お前のせいで新選組が疑われている。多摩に帰れ!』と歳三は一喝。しかし、ここでひとつ疑問。捨助のせいで?という話はこれまで出て来なかった。もしかしたら、捨助介入による新選組犯行説は時間の都合上カットされたのか?あるいは、単にそれを理由にして歳三は追い返しただけなのか?『偉くなってお前らを見返す』と言う捨助だが、彼もやがては新選組に合流するらしい。そして最期はやはり勇と一緒なのか?

C頼まれた斎藤?
今週は1867年(慶応3年)11月18日を描いた。先週から3日後の事になるが、龍馬が亡くなった事を勇はどのように思っただろうか?勇のコメントが聞きたかった。さて、大久保一蔵は伊東の大改革論を受け止めた。しかし、採用にあたって問題となるのは伊東が元新選組である事だった。伊東の読みが浅かったようにも思えるが、一方で薩摩に利用されようとしていたとも考えられる。現に大久保が出した提案は『近藤勇を斬れ』という事。勇を斬るなどとは思っても見なかった伊東はさすがに考え込むが、結局は近藤勇暗殺を決め、斎藤一に暗殺を命じる事になった。でも、今の伊東にはこの選択しかなかっただろう。でも斎藤を指名したのは、新選組の間者では?という疑いを晴らすため、また、間者でなかったなら成功につながると読んだからの事か?史実では伊東の決意を聞いて『俺が近藤を斬る!』と、斎藤自ら名乗り出たという話があるが、平助と新選組をうまくからめるために、ここは斎藤が名乗り出るという設定ではなく、伊東が斎藤に頼んだ・・・という設定にしたのだろう。

D三谷氏、あっぱれ!
伊東の動きに、斎藤は『してやったり!』という気持ちだったのではないだろうか。しかし、『誰か他に付ける』という話になり、展開は通説とは別の展開になってしまったと思う。困った表情を浮かべるかと思いきや、『侮るな!』と戸惑った表情を見せるとはさすが斎藤一!そして斎藤はすぐさま行動。平助にお前だけには言っておくと全てを打ち明け、一緒に来るよう呼びかけた。しかし、伊東先生を裏切る訳にはいかないときぱりと固辞し、なおかつ斎藤に太刀を向けた。『おいおい、計画前にばれてしまったではないか?』そんな突っ込みを入れたその頃、既に斎藤からの一報は勇に届いていた。見事な早業だが、平助も知らぬ間に早技?で斎藤に倒されていた。そして後を追った篠原らと刃を交えて斎藤危機一髪!しかし、永倉と左之助が救出に入り、傷を追うものの難を逃れるのであった。斎藤は見事な働きをしたかもしれないが、平助に話した事で間者発覚が早くなってしまったのは否めない。実際には最後までばれない完璧ぶりだったようで、出来ればそう描いて欲しかった。しかし、平助をからめるとなるとそうもいかない。そして流れに不自然さがなかったのは、三谷氏の脚本が上手かったに他ならない。通説とは違う三谷版油小路が描かれた。あっぱれ!である。

E三谷氏の狙いは?
歳三が作戦を練るが、ここは様子を見ようと勇。一方の伊東も話し合いで決着を着けると思いきや、『油断を誘った所で懐の短刀で刺し殺す』との事。『卑怯では?』と言う内部からの声を遮っても志を果たそうとする伊東の並々ならぬ決意が感じられた。そして伊東からの書状が届けられた。『罠では?』と言う歳三に対して『乗ってみようと思う』と勇。そして思わず出た『かっちゃん!』の呼び名。切羽詰った歳三が垣間見られた。史実では勇が伊東を誘った事になっているようだが、逆の設定をした三谷氏の狙いは?それは物語の後半に明らかになる。

F選ぶ上司を間違えた
伊東の書状を持ってきたのは、なんと!平助であった。みんな口を揃えて『ここに残れ』と言うが、平助には全くその気配は感じられなかった。そのやりとりに、山南を逃がそうとした時の事を思い出したが、『きっとうまく収まると思いますよ』と言う平助には、新選組と御陵衛士とが和解するのを信じて疑わなかったようだ。でも、伊東にはその気は全くなし。改めて、平助は選ぶ上司を間違えたと思った。

G信用出来ぬぞ
勇と伊東が対面。勇殺害は嘘で、斎藤間者説を暴く為のものと主張する伊東だが、そんな嘘を勇は既に見抜いていた。『それでは言いくるめる事は出来ません。あなたらしくありません』と勇。これまで数多く言いくるめられてきた?勇だが、筆者はこのどっしり感をずっと望んでいた。残り10話くらいから、ようやく筆者の望む近藤勇らしさが出てきた気がするが、むしろ遅いくらいだと思う。そして嘘が通じないと見るや、『本当の事をお話しましょう』と伊東。嘘が分かると本当の事を言おうと覆すなど、どれが本心か・・・この男、ますます信用出来ぬ・・・。

H悲劇の男?
平助は伊東が単身で勇に会いに行った事に驚きを見せた。伊東の身を心配しての事ではなく、なぜ(側近の私に)話してくれなかたのか?と悲しむ平助だが、『敵となる前に新選組に会わせてくれたのだ』と加納がフォロー。伊東の本心は分からないが、平助はやはりここで新選組に戻るべきだった。史実をさすがに覆す事は出来ないが、伊東ではなく大河の平助こそが悲劇の男だったと思う。

I信用出来なかった
大石は『今日のうちに殺ってしまいましょう』と息巻いていた。この男はホントに血の気が多いが、利用の仕方によっては大きな戦力になるのでは?でも忠誠心がどの程度あるのかは未知数だ。さて勇と伊東の話し合いだが、伊東は元新選組が重くのしかかっている事を打ち明けた。それに対して勇は『薩摩や長州の出身ではなかったからはじかれた』ときっぱり言い放ったが、鋭い指摘に伊東も納得せざるを得なかった。さらに、勇を刺すつもりだった事も明らかにしたが、この男の本音には疑問を感じる。指摘されては『実は・・・』と覆し、どれが本当なのか分からない。最後は短刀を差し出し、降参したが、筆者は最後の最後まで信用出来なかった。ここは退いて立て直そう!という風に見えて仕方がなかった。

J伊東も悲劇の男
伊東は清々清しい表情を見せながら帰途についていた。信用出来ない・・・と指摘した筆者だが、この表情を見る限り、伊東は勇に尊敬の念を抱くかのような表情にも見えた。1人で帰ったのもその安心感からか?と言うより、勇の命がけの言葉に、襲われるなど思ってもみなかっただろう。しかし、そこへ大石らが現れ、襲われる事に。『愚か者!近藤先生のお心を無駄にするな!』と一喝したが、大石らに勇の心など分かる由もなかった。伊東の言葉に耳を貸さず、そして背中からブスリ・・・。伊東の顔は『ばかな・・・』という表情だった。筆者が思う疑いは、本当になかったのかもしれない。『私達はこうして腹を割って話すべきでした』と言った勇を思い出したが、そういう意味では伊東も悲劇の男だった。

K難しい戦い方
伊東が死んだ事で、御陵衛士との戦いは避けられなくなってしまった。『ここから先は俺に・・・』と歳三が指揮を執るが、その気持ちは『こうして勝つ!』ではなく、『こうして平助を助けてやる』この気持ちが先にあったのではないだろうか?御陵衛士は『これは罠だ!』と少し躊躇するが、『先生は既に亡くなられている。路上に置いておくわけにはいかない』と出立。そして新選組対御陵衛士が始まった。『先生!』と涙ぐむ平助に、『逃げろ!』と永倉、左之助。御陵衛士はただ勝つのみ。一方で新選組は平助だけを助けながらという、新選組にとっては実に難しい戦いとなった。その頃、屯所では総司が現場に急行しようとしていたが、血を吐き断念。そして『近藤さんがいかないと平助は死にます』と、勇に告げるのであった。『平助は子供じゃないんだ』という総司の言葉が心に響いた。

L平助の死
平助は呆然と新選組と御陵衛士の戦いを見つめていた。目を閉じて考える平助は、自分を逃がそうとする新選組の心をしっかり受け止めていた。しかし、平助は御陵衛士として新選組と戦う事を選んだ。永倉に向かって斬りつける平助。しかし、それでも永倉は平助を助けようと今度は力ずくでねじ伏せた。『勝負はついた』と言われても、平助は向かって行こうとした。そして、起き上がろうとした平助の後ろから太刀が・・・。ブスリ・・・平助が・・・平助が殺られてしまった・・・あの平助が・・・。そして2つ目の太刀。それでも平助はさらに永倉に斬りつける・・・しかし、平助にはもう力なく、そのまま倒れてしまったのであった。現場に到着した勇は、倒れた平助を抱きかかえ、『平助!死んではならん』と涙ながらに声をかけるが、『先生・・・これでよかったんですね』と平助。そして『お前は真の武士だ』と勇。その言葉に安心したのか、『ありがとう・・・ございます』と、平助は息を引き取った。『またひとり逝ってしまった』と源さん。う〜ん、言葉がない。物語に胸打たれたのは間違いないが、最後に看取ったのが御陵衛士の誰でもなく、新選組局長の近藤勇とは!武士たる悲劇と言えよう。それにしても今回は中村勘太郎さんの縁起が際立っていた。表情などもお父さんの勘九郎さんそっくりで、やはり血筋か?数年後の大河再登場を期待したいものだ。見事な最期を遂げた平助。とにかくせつない回だった。

M俳優に拍手
今回の物語は、伝えられている話とは違う描写がなされていた。筆者は決して史実至上主義ではないが、『なぜそうしたのだろう?』と疑問を思って見ていたのは確かだ。しかし最後は『さすが三谷氏!』と完全に脱帽。見事な出来だったと思う。とにかく部分部分が、最後にしっかりつながっていたのにはびっくりである。設定を変えても、変えた理由が明確に分かる内容で、とにかくびっくり!あっぱれ!である。これだけのドラマをなぜ否定する人がいるのか?と思うが、こればかりは感性の違いだから仕方がない。でも、筆者に『出演者がみんな若いからイヤ』と言った人間がいたが、何を言うか!演じている俳優さんが素晴らしいのだ!

【来週の展望】
来週は局長襲撃である。そして、おりょうが勇の命を狙うという。ん?とにかく見てからだ。

第42回「龍馬暗殺」 (10月24日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)ら新選組は、西本願寺の計らいで不動堂村に新しい屯所を構える。その頃、龍馬(江口洋介)の献策が基となり、徳川将軍家は朝廷に対し大政奉還を行なう。それを朝廷への挑戦と受け取った岩倉(中村有志)は、目障りな龍馬を抹殺せよと西郷(宇梶剛士)らに命じる。歳三(山本耕史)は、今後の給金の支払いを心配し、佐々木只三郎(伊原剛志)は龍馬を斬ると息巻く。当の龍馬は、海援隊の隊士三百人と京都に入ったという偽情報を自ら流し、近江屋に潜伏する。新選組では、周平(浅利陽介)がそりの合わない大石鍬次郎(根本慎太郎)と剣術の試合を行うことになり、総司(藤原竜也)からの猛特訓を受けた周平は勝利をおさめる。ある日、大目付の永井尚志(佐藤B作)を訪ねた勇は、龍馬が徳川にとって不可欠な存在になっていると聞かされ、内々に龍馬の身を守れとの命を受ける。しかし薩摩からの密告によって、龍馬が近江屋に潜伏していることを知った佐々木ら見廻組の襲撃を受ける。勇の指示で、龍馬を護衛するために左之助(山本太郎)と永倉(山口智充)が近江屋に駆けつけるが……。
【牛嶋のズバリ解説】
@残りわずか・・・
まずは新選組屯所の引越し話から。寺の敷地で大砲を使っての訓練はないだろう?というのが理由だが、確かにその通り。でも、それではなんのための屯所かぁ〜?と突っ込みを入れたくなるが、『お金は持ちます』の言葉に『分かりました』とあっさり了解する歳三。そして西本願寺から不堂動村へ引越しする事になったが、小寺アナの『そこで暮らしたのは半年・・・』というナレーションは、大河ドラマ『新選組!』も残りわずかという寂しい声に聞こえた。

A大政奉還?
将軍慶喜が大政奉還した事によって徳川幕府がなくなってしまった。意外にあっさり描かれた気がしないでもないが、あっさり描いた事で勇のびっくりした様子が視聴者にも伝わってくる演出だったと思う。先手を打った慶喜の作戦だが、今考えたら物凄い出来事だったと思う。当時の民衆達はどのように受け止めていたのだろうか・・・。

B山本左之助の今後は?
左之助に子供が出来たようだ。店の手伝いをするなど、すっかり旦那姿も板についたようにも見えるが、カカア天下という感じ。でも、新選組隊士の意外な姿であるのは間違いない。実際の左之助がどんなキャラだったのかは分からないが、大河『新選組!』における左之助は、明らかに山本太郎さんのキャラの延長線上に作られたものだと思う。思わず、左之助の初登場場面を思い出してしまったが、鳥羽伏見などの戦いなど、今後どんなキャラぶりを見せるか注目だ。

C山南の存在
大政奉還により、左之助、永倉らは今後を不安視するが、『昔は解説してくれる人がいた』とポツリ一言。思わず、山南敬助を思い出した視聴者も多かったのではないか?山南さん、あなたの存在はホントに大きかった。まだ生きていたら、この大政奉還をどう見るかを聞きたいものだ。

D見廻組、決起!
今後を不安に思うのは勇や歳三とて同じ事。ましてや重要な任務に就いている立場として、その不安は大きいと思われる。『手当てはどうなる?』と聞いた歳三の言葉にもその気持ちが表れていたが、佐々木は一連の動きを坂本の仕業と龍馬暗殺を決意。西郷、岩倉も龍馬の存在を煙たがるが、他力本願という感じで、龍馬暗殺は通説通り見廻組の犯行になる事がこれで明白となった。しかし、このように人前で龍馬暗殺を口にしたら、見廻組の犯行だという事がすぐに分かると思うのだが・・・。

E勝負とは勝つもの
今週は1867年(慶応3年)11月15日を描いた。先週から約5ケ月後という事になるが、周平と大石が試合で決着をつける事になった。売られた喧嘩を買ったカタチの周平だが、このままでは勝てない、いや、絶対勝たねばならぬという気持ちからか?源さんに『剣術を教えて下さい』と頼むのであった。一番身近な相手に頼むとはまだまだ甘いな周平!と突っ込みを入れた筆者だが、逆に考えれば、よくぞ言った周平!となる。ここは決起した周平に拍手を送ろう。そして頼まれた源さんのセリフが良かった。『強くなりたいコツは強い人に習う事』と、自分ではなく総司に教わる事を告げたのである。本当ならば自分で教えても良かった、いや、むしろ、自分で教えたかったのであろう。しかし、可愛い周平をあえて厳しい道へと誘った源さんの判断は見事だったと言える。源さん自ら頼んだのには、それほど周平をなんとかしてやりたいという気持ちが強かったのだろう。総司も引き受けるが、一切容赦はしないといった感じ。そして、稽古稽古稽古・・・。短い間ながらも周平は着実に力をつけていった・・・というより、腕より勝負とは勝つもの・・・それを身につけたのではないだろうか。

F総司よ・・・
日を追うごとに総司の顔がやつれ、そして厳しくなっているような気がする。全ては残り少ない自分の命の短さを知り、命ある限り生きようとする姿勢が表れているのだろう。その姿には筆者も大いに学ぶべき点があったが、今はもう試衛館にいた頃の天真爛漫さはない。歳三は総司を心配するが、周平と大石の審判を務め、その後、吐血。総司の身体はもはや隠しとおせるほどのものではなかった。『半年は布団の上で・・・』という医者の警告。奇しくも総司は半年後にこの世を去る事になるのであった。

G近藤さんによろしく?
迷いの勇は大目付の永井を訪ねるが、そこで龍馬が徳川にとって不可欠な存在になっていると聞かされ、内々に龍馬の身を守れとの命を受ける事になった。こんな流れを作ってしまうと、新選組をあまりにも美化しすぎではいか?といった感があるが、これは考えられない事ではないと思う。そんな中で一番印象的だったのは『近藤勇が坂本龍馬を助けに行っちゃまずいだろう』と言う歳三の発言である。確かにその通りだが、この演出は、歴史を変えてしまうぞ!という遊び心的な発言だったと思われる。結局、左之助、永倉を救出に差し出す勇だが、殺される前に龍馬と対面して『大丈夫。近藤さんによろしく』などという演出がなくて良かった。これでは明らかにやりすぎだ!(笑)

Hまた想像
誰もが、龍馬暗殺に捨助がからんでいるのでは?と思った事だろう。しかし、そこは一杯食わされた我々視聴者。捨助は、龍馬に佐々木から頼まれた事をあっさり打ち明け、『既に京を離れた』と佐々木に報告したのであった。しかし、捨助だけを頼るような佐々木ではない。薩摩からの密告によって、龍馬が近江屋に潜伏していることを知り、襲撃が決行される事になった。そして・・・龍馬は近江屋で斬られた。その斬られっぷりはあっさりで、悔しさや無念といった表情は感じ取れなかった。龍馬は襲撃を受けたのを知った瞬間何を思った事だろう。『しまった!』『悔しい!』『ついに来たか!』など、その想像もいろいろだが、こんな世の中だ!きっといつ死んでもいいという覚悟で生きてきただろう。それにしても、龍馬はなんという無防備であった事か?『裏切られたら、見る目がなかった』と楽天的に言う龍馬だが、それは敵の襲撃に対してもそう思っていたのか?でも、余りにも無防備すぎる!確かに死を恐れていたら何も出来ないわけで、これがある意味龍馬の魅力のひとつでもあるが、やはり生きる事に固執すべきではなかったのか?でも、『生きていたらどうなっていただろう?』と筆者が想像したのはこれで何回目かな?

I冤罪の多い時代
左之助、永倉が現場に駆けつけた時、既に龍馬が襲撃を受けた後だった。中岡慎太郎とともに横たわる姿を見て『コナクソ!』左之助はそう叫んだが、これが左之助犯行説に通じる事になる。左之助の鞘が残されていたという話もあるが、この件で勇が捕らえられた際に自白を迫って拷問にかけられたそうだ。今と違って証拠が残りにくい時代で、冤罪も数多くあっただろうなぁ〜と、ふと考えてしまった。

【来週の展望】
来週は油小路である。伊東甲子太郎、そして平助までもが命を落とす事になるが、今後は悲しい回ばかり。しかし、しっかり見つめていこう。

第41回「観柳斎、転落」 (10月17日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)を筆頭に、新選組の面々が幕府直参として新しく召し抱えられることになる。名実ともに“武士”と認められた新選組であったが、日頃から隊内での評判の悪い観柳斎(八嶋智人)が厚遇されたことで永倉(山口智充)らの不満が募り、観柳斎は一切の処遇を返上する。そんな中、数名の若手隊士たちから「自分たちは近藤局長の出世に利用されたのではないか」と不満を打ち明けられた観柳斎は、「新選組を抜けて伊東甲子太郎(谷原章介)が結成した御陵衛士に移るように」と勧める。しかし、伊東は新選組を離脱する際に勇たちと交わした取り決めを盾にして受け入れを拒み、両者の仲介役を買って出た観柳斎は面目を失う。行き場を失った離脱隊士たちは会津藩(京都守護職屋敷)に駆け込み、新選組から御陵衛士への移籍を直訴するが、先行きに絶望してその場で切腹する。事の顛末を聞き知った観柳斎は隊を抜け出す。新選組のいざこざをよそに、伊東は龍馬(江口洋介)に接近を図り、平助(中村勘太郎)を龍馬の護衛に付ける。当の龍馬は無血での政権禅譲を目指して薩長に働きかけるが、武力で政権を取ろうと考える西郷(宇梶剛士)らにとっては目障りな存在となりつつあった。落ちぶれ果てた姿で見つかった観柳斎は、末に勇に許されて隊に戻るものの何者かの手によって斬殺されてしまう。繰り返される仲間内の争いに、勇は胸を痛める。そんな勇のもとに、一つの明るい知らせが届く。監察の山崎(桂吉弥)が、亡くなったお幸(優香)の実妹・お孝(優香・二役)を見つけ出したというのだが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今週は本業が多忙のため、リアルタイムで見る事が出来なかった。『新選組!』も残り少なくなってきたが、最終回までは出来るだけリアルタイムで見たいものである。やはり、リアルと録画では感じ方が微妙に違う。生放送のドラマではないが、なんかそんな気がする。たぶん、全国の新選組ファンも一緒に見ているからだろう。なんか、それだけでも仲間意識が生まれるから不思議だ。もう既に10話を切り、撮影もクランクアップしたとの事だが、1話1話噛み締めながら、全国のみなさんと見たいものである。さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。

@局中法度改正?
新選組が徳川家の直参に取り立てられる事になった。曖昧な立場から幕府の一員として認められるようになったのは大出世と言える。中でも勇は勝海舟と同じ旗本で、『とうとうここまでたどり着いた。これで俺達も名実ともに武士になった』と、勇と歳三は抱き合いながら喜んでいたが、人の気配を感じて離れ、人が去ってから再び抱きしめあうなど、その気持ちがとても良く分かる演出だった。『トシ!』『かっちゃん』・・・と、感情を露にする際には必ずこう呼び合う2人だが、多摩で築き上げた2人の絆は我々の想像以上に強い事を窺わせた。そして局中法度が一部改正されようとしていたが、これは今回の観柳斎の死に際しての演出か?

A観柳斎から学んだ?
直参という事で、各隊士も新たに幕臣に取り立てられた。欲のない島田に対して『武田がなんで俺達より上なんだ?』と永倉と左之助が異を唱えたが、これは当然の言い分だ。隊の環境整備?のため、勇らは格下げを提案するが、これに観柳斎は、『こんな屈辱は初めてだ。一切返上させて頂く』と激怒。自分がどういう立場に置かれているのも分からずに、観柳斎は益々自分の首を絞める事になってしまった。でも、観柳斎の気持ちも分からないでもない。この男にとって、今は”格”が大事なのだから・・・。格よりも人望が大事だという事を、この男を見て改めて思った。そういう意味では、観柳斎に勉強させてもらったと言えるかも。

B観柳斎、大ピンチ!
直参になったのを誰もが喜んでいる事ではなかった。『局長の出世に利用されたのだ』と茨木司らは激怒し、観柳斎を頼るが、この頼った相手が悪かった。調子に乗った観柳斎も観柳斎で、『伊東先生の所に行こう』と御陵衛士入りを願い出る。しかし、あっさり伊東に一蹴され、戻るのを禁ずる取り決めがあった事もここで初めて知る始末。彼は何から何まで運に見放されていたようだ。もちろん、この動きは新選組屯所にも知られ、『斬っちゃえばいいじゃないですか』という総司。一方で勇は『戻ってくれば水に流す』と広い心を見せる。しかし、そんな気落ちを無駄にするかのように、観柳斎は自分だけそそくさと屯所に帰ってくるのであった。御陵衛士に茨木らを置いて・・・。一方、茨木達は『戻れば切腹だ』と会津に新選組離脱のお願い。しかし、その願いも叶わず自刃して果てるのであった。原因は観柳斎にあり!でも、死んだ4人はあまりにも純粋すぎた!4人は伊東が意識的に残した間者で、自刃ではなく殺されたという説もあるが、この事で観柳斎が絶対絶命の大ピンチを迎えたのは間違いない。

C価値があれば・・・
今週は1867年(慶応3年)6月22日を描いた。先週から3ケ月後という事になるが、龍馬が新選組から命を狙われていた。逃げる龍馬に追う総司。結局、取り逃がしてしまう事になるが、龍馬と総司の遭遇も見たかったかも。そして龍馬ではなく、脱走した観柳斎を発見。知らぬ間に抜けていたが、脱走してもう8日になるとの事。当然、切腹となる事を覚悟していただろうが、京を離れる事を考えず、なんとか御陵衛士に合流しようと企む観柳斎は大した度胸だ。勇は『すぐに連れ戻せ』と命令するが、根気強く観柳斎は再び伊東の元へ。今度は『プリーズゴーホーム』と言われる事はなかったが、相変わらず門前払い状態。観柳斎にまだ利用価値もあればいいのだが、それを語る前の問題であった。

D捨助の行方は?
新選組のいざこざをよそに、伊東は龍馬への接近を試みていた。そんな龍馬の居場所を突き止めた新選組だが、まさか龍馬の相手が伊東だとは思ってもみなかっただろう。一方、見廻組も龍馬を虎視眈々と狙っていた。佐々木は捨助に、龍馬の動きを逐一知らせる命を出したが、来週の放送で龍馬が暗殺される事から、龍馬を暗殺したのは見廻組で、捨助が一枚噛む事になりそうだ。こんなに重要な役をやっていいのか?と、何から何までからむ事に多少の疑問も感じるが、徹底して捨助を利用する三谷さんに脱帽。今後、どうからんでくるのかに注目しよう。

E昔と今の見解はやはり違う?
観柳斎は薩摩の西郷と会っていた。御陵衛士がダメなら今度は薩摩である。この男の意志のなさを改めて感じたが、『薩摩の敵は異国でごわす』と一蹴され、薩摩就職もあえなく失敗に終わるのであった。しかし、内部資料を盗んでくる事で転職決定?観柳斎にも希望の光が見えたのであった。その頃、龍馬は無血での政権禅譲を目指して薩長に働きかけるが、武力で政権を取ろうと考える西郷らにとっては目障りな存在となりつつあった。こう描くと、薩摩が龍馬を暗殺したのでは?とも受け取れるが、果たして来週は誰が殺す展開になるのか?でも、決して幕府を足蹴にせず、新しい政府に徳川を入れるという龍馬の考えには、筆者も賛成である。しかし、それは今だからこそ言える事かもしれない。

F甘えた?観柳斎
観柳斎は歳三と総司に捕らえられ、屯所に連れ戻された。山南同様、ここは切腹!と思いきや、勇の決断は『そうやすやすとは死なせん。生きて誠の武士となれ!』という事だった。『今まで死んでいったやつはどうなるんですか?』と反対意見が出たのも無理ないが、死なせてはいけない人間が死んで、死んで当然の人間が死なないのは、確かに理不尽である。でも、自分の犯した罪は重いと、ここで自ら切腹すべきではなかったのか?観柳斎は勇の『もう一度這い上がって来い!』に甘えてしまったと思う。ここが観柳斎の弱さであったのでは?

G自ら撒いた種にも限度がある
勇によって生かされた観柳斎は、夜中に屯所を抜け出した。内部資料をこのまま薩摩に持ち込むのか?と誰もが彼の行動を注視しただろうが、そこに後を追う男がいた。この男が観柳斎を惨殺したのか?と思いきや、なんと!その男とは沖田総司であった。死を悟って以来、何事も全力投球の総司だが、観柳斎に対しても黙っていられなかったのだろう。そして観柳斎の手荷物が露になる・・・。おむすび、果物など食べ物を持っていたのにはびっくりしたが、観柳斎の行き先は、なんと!河合の墓であった。えっ?と思わず声を挙げてしまった筆者だが、誰もがこんな展開になるとは思ってもみなかっただろう。『薩摩藩邸から出てきたのを見た人がいる』という総司の問いに、『軍師として雇ってもらうつもりだった』とその心情を暴露。どうやら観柳斎は更生しようと本気だったようだ。しかし、総司が離れた後に刺客が・・・武田観柳斎、死す!『近藤局長から頂いた命。ここでは死ねん』と必死に生きようとしたが、『自ら撒いた種だ』という歳三の言葉が全てだったのかもしれない。

H勇とお孝はどう仲良くなる?
『ようやく見つけました。苦労しました』と、山崎らによってお幸の妹・お孝が見つけ出された。その顔を見てびっくりする勇だが、二役だから無理もない。まっ、それはドラマの都合だから仕方ないが、性格だけは『どういう事?早く返して!誰やあんた?』と、お幸とは違う気の強い部分を見せたのであった。とにかくここは仕方ない・・・と済ませておこう。今後、どのように勇とお孝が関わっていくのか注目だ。姉の話にどう反応するだろうか。

【来週の展望】
今回は武田観柳斎の死について描かれた。謎の死を遂げたので、書き手の数だけ描き方があると思うが、三谷さんのメリハリある脚本に脱帽。観柳斎も最後は男を上げたカタチになり、みんな良い人になりすぎ?とも感じるが、全てが予想外の展開だったので、その力に関心してしまうばかりである。来週はついに龍馬暗殺である。幕末の出来事を描く上で、避けて通れぬ事件だが、三谷さんの描き方に注目したい。そして伊東の動きも気になる。茨木らを斬った事に怒ったという話もあるが、これがどう油小路に結びつくかも注目だ。

●大河ドラマ『新選組!』キャスティング

●近藤勇(香取慎吾)●土方歳三(山本耕史)●沖田総司(藤原竜也)●山南敬助(堺雅人)●斉藤一(オダギリジョー)●永倉新八(山口智充)●原田左之助(山本太郎)●藤堂平助(中村勘太郎)●井上源三郎(小林隆)●山崎烝(桂吉弥 )●島田魁(照英)●武田観柳斎(八嶋智人)●河合耆三郎(大倉孝二)●谷周平(浅利陽介)●尾関雅次郎(熊面鯉)●粕谷新五郎(伊吹吾郎)●殿内義雄(生瀬勝久)●家里次郎(かなやす慶行)●芹沢鴨(佐藤浩市)●新見錦(相島一之)●平間重助(剛州)●野口健司(岡本幸作)●平山五郎(坂田 聡)●伊東甲子太郎(谷原章介)●加納鷲雄(小原雅人)●清河八郎(白井晃)●近藤周斎(田中邦衛)●近藤ふで(野際陽子)●宮川音五郎(阿南健治)●佐藤彦五郎(小日向文世)●小島鹿之助(小野武彦)●沖田林太郎(日野陽仁)●滝本捨助(中村獅童)●沖田みつ(沢口靖子)●佐藤のぶ(浅田美代子)●つね(田畑智子)●お琴(田丸麻紀)●土方為次郎(栗塚 旭)●佐久間象山(石坂浩二)●勝海舟(野田秀樹)●山岡鉄太郎(羽場裕一)●松平主税助(藤木 孝)●伊藤軍兵衛(光石 研)●橋本左内(山内圭哉)●市川宇八郎(八十田勇一)●坂本竜馬(江口洋介)●望月亀弥太(三宅弘城)●桂小五郎(石黒賢)●久坂玄瑞(池内博之)●松平容保(筒井道隆)●広沢富次郎(矢島健一)●佐々木只三郎(伊原剛志)●八木源之丞(伊東四朗)●八木雅(松金よね子)●八木ひで(吹石一恵)●深雪太夫・お孝(優香)●原田の妻おまさ(はしのえみ)●明里(鈴木砂羽)●おしず(乙葉)●お梅(鈴木京香)●お登勢(戸田恵子)●おりょう(麻生久美子)●幾松(菊川怜)●祐天仙之助(渡部雄作)●ヒュースケン(川平慈英)

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