このページは、2004年の大河ドラマ『新選組!』を語るページです。
第31回 |
江戸へ帰る |
8月 8日放送 |
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第36回 |
対決見廻組! |
9月12日放送 |
第32回 |
山南脱走 |
8月15日放送 |
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第37回 |
薩長同盟締結! |
9月19日放送 |
第33回 |
友の死 |
8月22日放送 |
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第38回 |
ある隊士の切腹 |
9月26日放送 |
第34回 |
寺田屋大騒動 |
8月29日放送 |
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第39回 |
将軍、死す |
10月 3日放送 |
第35回 |
さらば壬生村 |
9月 5日放送 |
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第40回 |
平助の旅立ち |
10月10日放送 |
第40回「平助の旅立ち」 (10月10日放送)
【物語】
慶応二(1866)年の暮も押し詰まった頃に、“孝明帝(中村福助)崩御す”の突然もたらされた知らせに、勇(香取慎吾)や松平容保(筒井道隆)は愕(がく)然となる。容保らの、そして幕府の良き理解者であり後ろ盾であった孝明帝の死は、幕府方の行く末に暗い影を落とす。また、お幸(優香)も勇に看取られながら短かった生涯を閉じる。新選組の内部では、伊東甲子太郎(谷原章介)が離脱を決意し、平助(中村勘太郎)の立場は複雑なものになっていく。伊東は一派の旗揚げを画策し、永倉(山口智充)や斎藤(オダギリ
ジョー)を取り込もうとするが、“策士策に溺れる”の例えどおり、永倉や斎藤の心を掴むことができず、目論見は外れてしまう。副長の歳三(山本耕史)は、そうした伊東の不審な動きを察知し、勇にも警告する。隊内での評判を落としている武田観柳斎(八嶋智人)が、この騒ぎを収めようと伊東の説得に当たるが失敗する。伊東も背水の陣で勇と歳三の前に出向き、自分が一派を率いて動こうとするのはあくまで長州の動静を探るためだ、と苦しい言い訳をする。勇は伊東の弁明を鵜呑みにしてやることで、仲間内で無駄な血を流さずに済む道を選ぶ。伊東の新選組離脱が正式に認められたことで平助はますます悩み、総司(藤原竜也)に苦しい胸のうちを明かすが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今月から日曜日休みになった関係で、今週は久々にNHKデジタル衛星ハイビジョンでいち早く観賞する事が出来た。午後6時からだとなんだかトクした気がするが、デジタル総合(午後1時放送)で見ている人にはさすがに敵わない。でも、午後1時から見るという心境はどうなんだろう。夜8時からの放送だと『あれっ?今頃見てるの?』って感じなのだろうか。でも、地上波を見て改めて気がつくが、デジタルは画像がとても綺麗だ。なお、来週のデジタル衛星ハイビジョンの放送は午後5時からとなるらしい。という事は来週はもう1時間トクする?
さて、時代劇に関するニュースだが、『時代劇専門チャンネル』でNHK大河ドラマ『炎立つ』がスタート。そして12月からは『黄金の日日』が放送されるらしい。その他、『衛星劇場』で『独眼流政宗』が放送を開始。映画好きの筆者だが、映画を見ている余裕がないほどの状況だ。それと10月から始まったドラマに『新選組!』出演者の姿が・・・。『結婚のカタチ』には白井晃さん、田中哲司さん、鈴木砂羽『ナースマンがいく』には小野武彦さん。『忠臣蔵』には伊東四朗さん、宇梶剛士さん、『ラストクリスマス』には田丸麻紀さん、伊原剛志さん。『めだか』には小日向文世さん、山本太郎さん。『相棒』には鈴木砂羽さん。その他にもいるだろうが、『新選組!』は永遠に終わらない・・・そう考えて見て行こう!さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。
@自然の流れ
将軍家茂が急死し、一橋慶喜が将軍になった。そして幕府寄りの孝明天皇も死んだ。『これが幕府崩壊へと加速度を強めていく・・・』とナレーションがあったが、まさしくその通り。ここに来て世は急展開を見せるが、相次ぐ重要人物の死から考えると、幕府の崩壊は自然の流れだったのかもしれない。
Aお幸の静かな死
お幸がこの世を去った。医者に『なんであんなになるまで放っておいた?』と言われた勇だが、お幸は重病には見えないほど、勇の前では元気に振舞っていたのだろう。でも、深雪太夫時代から体調不良だったお幸だが、勇に大事にされた事でより長く生きられのでは?そして、短い生涯とはいえ幸せな人生だったと思われる。今回はお幸の死をあっさり描いていたが、優香再登場という展開を見据えてあえてドラマチックにしなかったものと思われる。さぁ、果たしてどんな顔でお孝は登場するだろうか・・・。
B義理堅い日本人
今週は慶応3年(1867年)1月4日を描いた。先週から半年後だが、伊東が『新選組を離れる』と側近に宣言した。平助だけはびっくりした表情を浮かべていたが、伊東が入隊した事で、伊東と行動を共にせざるを得なかったのは残念でならない。試衛館のメンバーでありながら、『私は伊東道場の人間ですから・・・』と言う平助。全ては伊東を引き込んだきっかけを作ったからで、本当は勇とともに新選組にいたいのである。平助にあるのは伊東への義理だけ。考えてみると、”義理堅い日本人”というは、武士が作ったのではないだろうか?
C策・・・
伊東が斎藤、永倉を密かに呼び寄せていた。しかし、その動きは既に勇や歳三の耳にも入っており、歳三は気が気でない様子。『なんで俺を誘わねーんだよ〜』と言う左之助が様子を探る事になったが、結局、永倉と斎藤は伊東の誘いに乗る事はなかった。『もうお2人は新選組には戻れないのだ。今、戻れば切腹』と言う伊東だが、『ならば、それも運命』と永倉にあっさり言われるなど、伊東は詰めが甘かったようだ。そして『私の真意を近藤くんに知られるわけにはいかない』と自刃の覚悟を見せていたが、その覚悟は覚悟に値しなかった気がする。『人を信じて己を信じていない』と欠点を指摘されて、単なるヤケになっているだけに見えた。この男、死ぬ気などは全くなかっただろう。ここに人間としての器の違いを見た気がする。勇を『策を持たない』と評した永倉だが、『策がない』と『策を持たない』とでは違うのである。それを伊東に当てはめると、『策を持って、その策をはずした(弄した)』という所か。でも、左之助が『永倉、原田と言ったら新選組の二本柱じゃねーか』と言っていたが、これは初めて知った(笑)。いや、でも試衛館生え抜きを支える二本柱と理解すれば納得。
D武田信玄公が泣くぞ!
永倉は伊東に会っていた事を詰め寄られるが、『これ以上は言えない』と口を閉ざした。『(伊東を)斬りますか?』と言う総司に対して、『伊東さんは新選組にとってなくてはならない』と勇は制した。『芹沢の時と同じ事を言っていた』と、筆者同様に歳三が突っ込みを入れるが、そこに『私に任せて下さい』と口を挟んだのは観柳斎だった。歳三は『河合の一件で評判を落としたので必死なんだ』と、その動きを読むが、どう見ても役不足である。案の定、『根も歯もない。話の筋が見えない。お引取り下さい』と言われ、『プリーズゴーホーム』の意味も理解出来ずに恥をかき、さらには『己のことしか考えていない愚か者だ』と評される始末。観柳斎よ、武田信玄公が泣いているぞ!と言うよりも、信玄公は『武田の名を勝手に使い、悪評を残すな!』と怒っているかも。
E捨助を利用せよ!
見廻組の佐々木が捨助を従えて挨拶に来た。紳士的な佐々木に対して、『元気でやってたかー?近藤!』と捨助。その姿に思わず笑ってしまったが、佐々木が帰ると『お前は何をやってる?』『バカか?』『長州とつるんでいたのになんで?』『多摩に帰れ!』と、久々に多摩の風景を思い出してしまった。でも、勇と歳三は、捨助を利用して桂の元へ出撃する姿勢を見せるべきでは?とも思った。
F勇よ、伊東を斬れ!
『私が何をなそうとしているかは土方なら推察しているはず。ここは先手を打つ』と、勇に分離を申し出た伊東。これの何が先手なんじゃぁ〜!と突っ込みを入れた筆者だが、表向きは『長州に間者として入る』との事。しかし、その行動は誰の目にも明らかであった。こんな伊東に付いていかなければならない平助が可哀想・・・と思ったが、こうなる事を予期出来なかった平助の失態かもしれない。『よく分かりました』と分離を認める勇だが、『あれほど言いくるめられるなと言ったのに・・・勝手にやってくれ』と歳三はふてくされた。『無駄な血を流さないため・・・伊東さんはものの見事に言いくるめてくれた』と勇は言うが、筆者的にこのシーンは納得出来なかった。『斬りあいになっても負けない』と総司が言っていたが、あそこは『俺があっさり認めたのは、後で斬るため。その方が斬り甲斐があるからだ』と言って欲しかった。厳しいが、もう話の分かる人の良すぎる近藤勇は御免だ!
G歳三の独断?
歳三が『(御陵衛士に)間者に入ってくれ』と斎藤に頼んだ。これは有名な話だが、ドラマ上にはオマケが付いていた。『平助を助けて欲しい』という事だった。『あいつだけは死なせたくないんだ』と、その思いを打ち明ける歳三だが、その気持ちは斎藤とて同じであろう。『承知』と引き受ける斎藤だが、この行動は歳三の独断か?『無駄な血を流さない・・・』と言う勇には内緒に思えるが、果たして・・・。
H総司と平助の別れ
物語の後半に総司と平助の別れのシーンが描かれた。伊東と勇の話をはじめ、様々な会話がなされたが、総司の一言一言に、残り少ない自分の命が関わっていたのは事実。『私はそう長くは生きられない』と、自らの病を告白するとは思いもしなかったが、平助にだからこそ言えた事なのではないだろうか?でも、『今年のサクラは見られても来年は分からない・・・』というセリフは効いた。それと、一番強く感じたのは若い2人の演技力だ。延々とやりとりする姿は今回一番と言っていいほど印象的なシーンだった。この2人がいつしか違うドラマで対面するのを祈るばかりである。とにかく今日のこの2人のやりとりは絶対に忘れない。
I設定が違っても?
慶応3年(1867年)3月20日。ついに平助が新選組を離れる事になった。島田は号泣していたが、『お前、試衛館じゃなかっただろう?』と左之助が突っ込み。でもここは試衛館も何もないだろう。筆者でも悲しいのだ。そして、『餞別だ』と隊服を与え、『平助はこれからも八番組長だ』と源さん。伊東が伊東なだけに『こんな別れがあっていいのか?』と思ったが、逆に考えると、近藤勇不信から伊東先生に同調した・・・という設定でも良かったのでは?と思う筆者であった。
Jもう遅い
『これ以降、御陵衛士に加わりたいという人間は認めない』という念書が取り交わされようとしていた。しかし、向こうも向こうだ。『御陵衛士から新選組に戻ることも禁じて欲しい』としっかり要求してきた。『いいでしょう』と仕方なく了承する歳三だが、新選組に戻らずとも平助の命が助かれば・・・と言う気持ちがあったのかもしれない。ちなみに斎藤は復員後は名を山口次郎と改める事になる。そして最後は勇との別れだ。『池田屋に最初に踏み込んだのはお前』と、最大の賛辞を贈られ、『辛かったらまた戻って来い』と愛情ある言葉。『こんな環境にいてもお前は伊東に付いて行くのか?付いて行ってはいけない』と強く願った筆者だが、もう既にそれは遅かった。
【来週の展望】
来週は武田観柳斎、最期の回である。居場所がなくなり、御陵衛士に近づくが、こんなに分かりやすいキャラはなかった。たぶん自分でも気づいていないだろう。今では河合を死に追いやった事で大悪人となっている観柳斎だが、その最期をしっかりと見ようではないか!
第39回「将軍、死す」 (10月 3日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)の養子・周平(浅利陽介)は、実兄・谷三十郎(まいど豊)から新選組からの脱走を誘われるが断わる。そして三十郎は、追手の斎藤(オダギリ
ジョー)によって斬殺される。一方、薩摩・霧島では、寺田屋遭難の折に傷を負った龍馬(江口洋介)が、恋人のおりょう(麻生久美子)とひと時の安らぎを得ていた。また、京都では、捨助(中村獅童)が見廻組・佐々木只三郎(伊原剛志)に自分を売り込み、奉公人として働くことになる。新選組では、左之助(山本太郎)がまさ(はしのえみ)と夫婦になり、試衛館以来の仲間たちに祝福される。ぎくしゃくしていた歳三(山本耕史)と永倉(山口智充)の関係も、左之助とまさの祝宴の席では昔の様に打ち解け、和やかに過ごしていた。そんな中、今度は浅野薫(中村俊太)が周平を強引に脱走の仲間に引きずり込む。偶然、その一部始終を目撃していたお幸(優香)の機転で、この一件は大事にならず、浅野も斎藤の配慮で命をつなぎ密かに出奔する。源三郎(小林隆)の必死の嘆願によって切腹を免れた周平は、近藤家との養子縁組を解消されたものの、引き続き‘周平’を名乗るように勇から言い渡され、一から出直すことになる。そんな騒ぎの中、松平容保(筒井道隆)に呼び出された勇は、幕府の屋台骨を揺るがす知らせに驚愕する…。
【牛嶋のズバリ感想文】
『新選組!』も39話まできた。全49話なので、10月 3日放送終了時点で残り10話となったが、ホントに早いものである。ここから10話で済むのか?という気持ちもあるが、それを指摘したらキリがない。出来れば新選組ファンはもう1年延長で大河ドラマをやって欲しいと思っているのだ。でも、そんな事を言っても無理な話。既に次作の『義経』も撮影が始まっている。とにかく1話1話しっかりと見ていきたいものだ。さて、今週の感想文に行きましょう。なお、当サイトの客人で『浅葱レポート』で御馴染みのこたつむりさんが、新選組!出演者舞台予定表を作ってくれました。ここから飛べますので、是非、ご覧下さい。
@タイムスリップしてみたい
今週は1866年6月、2度目の長州征伐で、幕府が敗走し、幕府と新選組を揺るがす事件が勃発した・・・という解説から始まった。あとは堕ちていくだけの幕府だが、当時の人はどんな気持ちで世の中を見つめていたのだろう。今だからこそ結果が分かるが、このように歴史モノを見ると、タイムスリップして、その様子を生で目撃したいという気持ちになる。出来れば『このままでいくと○○になるよ』と助言をしたい所だが、先日放送された『時空警察』はそんな純粋なアイデアから作られたものと思われる。もし、一度だけタイムスリップ出来て新選組に助言が出来るとしたら、どのシーンに登場するだろうか・・・とふと考えてしまった。新選組ならば、試衛館にいる時点で『京へは行かない方がいい』と言うかも。龍馬にだったら、やはり近江屋に出向いて危機を知らせるかな?
A褒める所は褒めよう!
谷三十郎が歳三、総司の前でペコペコし、覇気も感じられなかった。あの『かっ、かっ、かっ・・・』と笑っていた人とは別人に思えるくらい余裕のない表情だった。河合の介錯をしくじってからずっとらしいが、河合の介錯失敗がここにつながっていたとはびっくり。そして隊を離れる事を身内に打ち明けた。『志をひとつに出来ない』と言う三十郎だが、これはひがみに他ならない。そして近藤家との縁組も終わらせ、周平を江戸に連れて行くと言う。前から分かっていたとはいえ、歳三が言う『家柄をたてに取り入れようとしていた』というのはここで真実となった。でも、周平は素晴らしかった。『私は残りたい。立派な跡取りになりたいのです』は当然として、『昌武!』と呼ぶ兄に対して『私は近藤周平です』ときっぱり答えたのは良かった。その後、山崎から三十郎の脱走が報告されるが、『よく残ってくれた』と言う勇の言葉に『私は近藤家の人間です。(三十郎の処罰は)悲しいですが、辛くはありません』ときっぱり。よく言った周平!褒めてつかわす!と言いたい所だが、褒めるのはここまでだった。
B江口龍馬はハマり役?
今週は1866年(慶応2年)7月25日を描いた。薩摩へ日本初の新婚旅行中の龍馬。この旅行を機にめでたく夫婦となったが、『おまんはわしのそばにおったらええ』龍馬のセリフがカッコ良かった。江口洋介さんが龍馬を演じるのを知った際に、『なにぃ?』と疑問を持った筆者だが、一番・・・とは言わないにしても、見事にハマり役になったような気がする。
C違う意味で利用されている捨助
見廻組で捨助が就職活動をしていた。『新選組へ行け』と佐々木に言われるが、『あらゆる人の顔を知っている』と捨助。坂本龍馬、桂小五郎、大久保一蔵、西郷吉之助、岩倉友山・・・『そんじゃそこらにはいないと思いますけどね』と訴える捨助だが、確かにこれは使える。素晴らしい!でも、正直言ってこんなヤツはいない(笑)。筆者は捨助のキャラが好きで、その存在を否定するつもりは全くないが、三谷さんは物凄いキャラを作り上げてしまったものだ。でも、捨助がいる事で物語を作りやすくしているのは確かだ。ドラマ上でも上手く利用されている捨助であった。
D身近な歳三
左之助がまさと結婚した。みんなが驚いていたが、勇の驚きは群を抜いていた。まさに『それでいいんですか?』と聞き、祝言を済ませた事、親への報告も終わった事にも『えーっ?』と大声。それにしても、左之助の見事な逆転劇だった。『みんな、あきらめちゃだめだぞ』と言う左之助だが、左之助の言葉に励まされた人も多かったのでは?斎藤が木彫りの人形?をプレゼントしていたが、斎藤はなぜか元気がなかった。幸せになる人を横目に、より孤独を感じたのか?そして永倉主催のお祝いの宴が開かれる事になったが、出席する意志を表した勇に対して歳三、総司にはその気はなし。総司は自分の病を気にしての事だろう。そして歳三はと言うと、総司も指摘していたが、永倉の事を気にしての事らしい。意外に”気にしぃ”の副長。何事にも動じないと思っていた人間に繊細な面が見られて、歳三がとても身近に感じられた。
E全ては自信のなさから
左之助の幸せな出来事とは対照的に、隊士らは総司の指導の元、厳しい稽古に励んでいた。周平は苦戦していたが、それを見た大石鍬次郎からは、『兄貴も兄貴なら弟も弟だ。縁故だけで隊士でいる事に腹が立って仕方がない』とまたもや非難を受ける事に。浅野からは『気にするな。鍬次郎も局長と同郷だから縁故だ』と励まされるが、『俺も隊を離れる』と思わぬ事を告げられた。それに加えて『近藤先生は、養子が頼りないんで、いつ養子縁組を解消するか決めかねている』と言われたが、お前は見方か敵か?と突っ込みを入れた筆者。しかし、その言葉こそが周平への誘いだったのだ。今の周平には勇が自分をどう思っているかが何よりの心配事であった。その後お幸に、勇が大切に思っている事を聞かされて笑みを浮かべてホッと一安心する周平だが、自信のなさが自らの首を絞める事になってしまった。
F一杯食わされたっ!
岩倉の所に伊東。新選組入隊は、『京に上るための方便』と言い切った伊東。『うさんくさい』と言う岩倉だが、このシーンを見た誰もが『お前こそうさんくさい』と思った事だろう。しかし、『わしはうさんくさいのが大好き』と、その後に岩倉に言われてしまった。岩倉に・・・いや、三谷さんに一杯食わされたっ!
G自ら孤独を選んだ?
左之助のお祝いには歳三も一緒に出席した。『俺は行かねーよ』と言っていた歳三だが、どうやら勇の誘いを断りきれなかったようだ。と言うよりも、断る理由が見つからなかったのかもしれない。そんな歳三に『土方さん、入ってくれ』と声をかけた永倉。『いいのか?』と言う歳三にも『遠慮せずに』と答えていたが、『こうして集まると試衛館の頃を思い出すなぁ〜』と笑顔の永倉。左之助の祝言がよっぽど嬉しかったのだろう。そんな中、斎藤がまたしても木彫り。新作作りに取り組んでいた。左之助の祝いの席に、行く!行かない!という事さえも話題にならなかった斎藤だが、自ら孤独を選択したのか?
Hお幸とお孝
お幸の妹・お孝の行方を山崎がキャッチした。早速会いに行こうとするお幸だが、妹のお孝は同じく優香が演じるのは誰もが知る所。『えっ?対面するの?』と思ったが、浅野と周平の脱走話を聞いて屯所に駆け寄り、二役の対面は夢と消えたのであった。瓜二つという設定がいいのか悪いのか?この時点では判断出来ないが、どんな風貌でお孝は登場するのだろうか?
I歳三と永倉
お幸の知らせで斎藤が浅野と周平を追った。そして、左之助のお祝いの席にいた源さんも急行。これは勇には知らせずに行った行動であった。一方、見廻中の総司も浅野と周平に鉢合わせをする事に。勇は『何かあった』と様子を察知したが、おそのからの耳打ちでお幸の元に帰る事にしたのであった。居所が悪かった歳三も『俺も・・・』と出ようとするが、『鬼の副長とゆっくり飲みたいんだ』と永倉。こう言われたら歳三も抜ける訳にはいかない。歳三と永倉がじっくり話合ったのは定かではないが、その結果は後日結果として表れるのだろうか?
J失恋の斎藤?
斎藤は浅野を捕えるが、なんと!浅野を逃がしてしまった。真相はいかに?ちゃんとした理由があるのだろうが、イマイチ明確にしていない点が不満だった。『今夜のあなたには殺気がない』と言った総司だが、ホントに殺気がなかった。どうしたのだ斎藤!谷三十郎をばっさり斬ったのに対して、浅野を逃がすという、斎藤の裏には何があるのだ?当掲示板に失恋を指摘した書き込みがあったが、それならばもっと分かりやすくても良かったと思うのだが・・・。
Kコンプレックス?
一方、周平は総司に捕まった。総司は今まで見せた事のない形相で殴りつけるが、全てはこの先の命の短さを悟ったがための怒りであろう。そんな気持ちを知らぬ周平は『私には無理なんです』と答えるが、周平は今回の行動に反省しつつ、自分のふがいなさを改めて感じたのではないだろうか。そんな中、平助が『いくら頑張っても上達しない人だっているんだ』と総司を制したが、周平に自分と同じ気持ち(コンプレックス)を重ねたのではないだろうか。
L総司と源さん
そんな中で本領を発揮したのはやはり源さんだった、『しっかりしろ』と叱咤するが、『私はダメな男です』とまたもや弱音を吐く周平。一見、総司への言葉と同じような弱音を見せたが、源さんに対しては救いを求めて口にした言葉のようにも感じた。急ぐ総司と、周平の将来を本気で心配する源さん。人間としての厚みの違いを感じたが、全てはお互いの心理状態の違いによるものだと思う。
M水を挿すようですが・・・
現場に駆けつけた勇は『いかなる理由でも言い訳は無用だ』と周平をばっさり斬り捨てた。周平に切腹させる・・・つまりはそういう事だ。さすがの源さんも『周平、あきらめろ』と介錯する姿勢を取った。『おいおい、この場でか?』と突っ込んだ筆者だが、源さんは周平の背中を剣で叩いた。『なんの真似だ』とあの源さんに対して厳しい口調の勇。すると『近藤周平は死にました』と源さん。『ふざけるな!』とさらに厳しい口調で勇が糾弾するが、そこでまた源さんだ。『近藤家との養子縁組、今日を持って解消。私が責任を持って鍛え上げ、その時は改めて迎えてやって欲しい』と、本来なら谷三十郎が言うべき言葉で勇に訴えたのだった。その熱い想いに、結局は『早く一人前になれ!俺はお前を信じている』と勇も了解したが、鋭い眼光ながら、その瞳の奥には優しさに満ち溢れていた。源さんが涙し、感動のシーンだったが、『しかし、例外は許さないのでは?』とひとり突っ込み。これで許すようなら、河合こそ例外のような気がするが・・・。感動のシーンに水を挿すようだが、厳しい指摘を許して頂きたい。
N慶喜は策士?
勇がお幸の元に戻った。『全ては丸く収まった』とお幸に報告するが、そこに容保からのお呼びがかかった。なんと!将軍が逝去したというのだ。まだ21歳と、その年齢にびっくりしたが、世継ぎの話で一橋慶喜の名前が・・・。そして『将軍にはならぬ。ここはじらすのじゃ。薩摩や長州に思い通りにはさせん』と慶喜。策士なのか?それとも?
【来週の展望】
伊東が新選組を離れると表明する。予告では『私の真意を近藤くんに伝えるわけにはいかない』と感情を露にする伊東の顔が映し出されたが、来週は伊東一派との確執が描かれる。そして、平助が・・・。
第38回「ある隊士の切腹」 (9月26日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)の幼なじみの捨助(中村獅童)は、自分を捨て駒に使った桂(石黒賢)への復讐に燃えていた。その捨助の手引きで、寺田屋に潜伏する龍馬(江口洋介)は伏見奉行所の捕り方に襲撃されるが、おりょう(麻生久美子)のとっさの機転で難を逃れる。幕府の長州藩に対する処分が決定し、処分通達のために広島へ向かう幕府の重臣に同道することになった勇は、伊東甲子太郎(谷原章介)を伴って京を発つ。勇の誘いを断って京に残った観柳斎(八嶋智人)は、密かに西洋軍学の知識を修得しようと考え、高価な翻訳書を手に入れるために勘定方の河合耆三郎(大倉孝二)から強引に隊の公金を融通させる。同じ翻訳書を手に入れようとしていた歳三(山本耕史)は観柳斎に先を越されたことを知る。金の出所を不審に思った歳三の命で現金と帳簿の照合が行われ、五十両の不足が発覚してしまう。厳しく事情を問い詰められる河合だが、観柳斎に頼まれたことを明かそうとはせず、実家からの送金で埋め合わせると約束する。河合に与えられた猶予は十日。期日までに金が届かなければ、法度に背いた咎(とが)で河合は腹を切らねばならない。左之助(山本太郎)や平助(中村勘太郎)らは、何とか河合を救おうと金策に走るが思うに任せない。責任を感じる観柳斎は返本に行くが、自分の立場を脅かしつつある伊東一派の者がその本を狙っていると聞き、返本を止めてしまう。また、永倉(山口智充)らは、勇のいない間に土方が独断で切腹を行うことに不満を強める。そんな中、河合はただひたすら実家から金が届くのを待ち続ける…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今週は上戸彩主演の『エースをねらえ!』が放送されたが、その中に松原役の甲本雅裕さんの姿が・・・。『松原よ、このようなカタチで現代に生まれ変わっていたのか』と思ってしまったが、『新選組!』に出演した俳優さんが活躍する姿は嬉しい限り。これからも注目して見ておきたいものだ。それと、SMAPの草ナギ剛くんが『新選組!』に出演するらしい。第46回の『東へ』(11月21日放送予定)に榎本武揚役で出演するとの事。もうそんなに収録が進んだのかと驚くと同時に榎本も出るのか・・と喜んだ。榎本武揚は、戊辰戦争で土方歳三らとともに幕府軍として戦っ
た人物で、降伏後も外相として活躍した人物だが、出演はワンシーンで、セリフは『何か?』だけらしい。友情出演という感じでとても楽しみだが、新聞にはこんな事が書かれていた。『視聴率が15〜16%台と伸び悩んでいる中で、草ナギが起爆剤となるか注目だ・・・』。視聴率を指摘するなど大きなお世話である。確かにテレビ局として大事な事だが、その前に自社の売り上げ部数を気にして欲しい。さて、いきなり厳しい事を書いてしまったが、今週の感想文に
いきましょう。
@史実至上主義ではないが・・・
冒頭は薩長同盟が成立した話から。そして、成立後の1月23日に坂本龍馬が寺田屋で襲撃を受けるという展開になった。お風呂に入っていたお
りょうが気がついたというのは有名な話だが、お風呂シーンが出た瞬間、『おおっ、NHKもよくやるなぁ〜』と思った。でも、服を着ることさえ忘れて、裸で龍馬のいる部屋まで走って行ったと言われているが、ここはドラマだから仕方がないだろう。だいいちそんなの描ける訳がない。龍馬は短銃を
手に簡単に脱出したように見えたが、右手を負傷し、その傷は動脈に達していたという。事実、龍馬が『三日計り小便に行くも目まひがした』と後に手紙に記したが、筆者は史実至上主義ではないとはいえ、ここはもう少し詳しく描いても良かったのでは?というのが正直な感想。でも、5発も威嚇で打つと
は・・・もう玉がなくなるではないか・・・とひとり突っ込み。それはそうと、寺田屋を襲った中に捨助の姿があったが、桂への復讐に燃えて手引きしたのだという凄い役回りだった。やがて新選組に合流するのか?いずれにしても、今後も数々の重要な事件に関わってくると思われる。
A昔は凄い人が・・・
長州藩に対する処分が決定。勇は通達のために幕府とともに広島に行く事になった。『なぜ、近藤さんが行く必要があるのか?』と、勇の身を心配した歳三は『火に油を注ぐだけ。殺されるぞ』と警告するが、『容保公のために力を尽くしたいのだ』と勇の意志は固かった。お幸に『今度は生きて帰れないかもしれない』と告げていたが、『名誉ある仕事なんですか?おめでとうございます』という言葉に笑みを浮かべた勇。幕府の為なら命を落としてもいいという覚悟は相当なものだったようだ。この時代は、幕府のため、国のために命を落とす人が多かった世の中だが、今では考えられない出来事である。昔は凄い人がいっぱいいた・・・この言葉では片付
けられないほど複雑な心境だ。
B悲劇のはじまり
勇の広島行きに伊東甲子太郎を伴う事になった。こういう事があると必ず『私が・・・』と名乗り出る武田観柳斎だが、珍しく勇の誘いを断
り、『京に残る』と口にした。『土方さんの力になりたい』と、嘘臭い言葉も口にしたが、それには理由があり、西洋軍学の知識を修得しようと、高価な翻訳書を手に入れようとするためだった。伊東に『甲州流軍学がある・・・』と訴えていたのが矛盾しているのだが・・・。そして、50両の金を勘定方の河合に強引に融通させようとする。きっと河合の性格を知った上での行動だろう。どこまでしたたかなんだろうか・・・この男は!しかし、これが河合の悲劇の始まりだった。先週の”左之助の掛け軸”による50両が原因になるのでは?と思ったが、三谷脚本はそんな
ヤボなモノではない。予想を裏切ってくれてありがとうと言いたい。でも、左之助の50両は?
C総司が健康だったら・・・
総司がまたしても血を吐いた。『今度、血を吐いたら・・・』と松本良順が言っていたが、総司の病状はかなり進行していたようだ。『新選組の一番組長が養生出来る訳がない。あと5年元気でいられたらそれでいい』と、最終的には死ぬ覚悟も出来ている総司。その願いは今の自分の仕事をやり遂げる事だった。『あと5年』と言った総司だが、それは我々視聴者の気持ちも同じ。でも、仮に総司が健康だったら、最後はどうなんていたのだろう?なんてふと考えてしまった。
Dメガネの男・・・
今週は、1866年(慶応2年)2月12日を描いた。薩長同盟から約1ケ月という事になるが、斎藤がうなされて起きた所からスタート。これが後日どうからんでくるのだろうか?そして画面は予想もしない河合の死装束姿が。『あれれ・・・』と
思った筆者だが、なんと!切腹直前から過去を振り返るという展開になっていたのだ。『へーっ』と思うと同時に、これがどう功を奏するか注目して見る事にした。西本願寺侍従の西村兼文への河合の証言を元に、まずは1月30日の出来事に遡った。勇や歳三に内緒で、観柳斎に50両を用立てし、その埋め合わせにと親元に50両送ってもらうように頼んだとの事。その2日後、今度は歳三から『今、いくらある?勘定帳と照らし合わせてここへ持ってこい』と頼まれる。そこで、観柳斎が欲しがっていた本を歳三も欲しがっていた事を知る。歳三が買いに行った際には既に本はな
かったが、『メガネをかけた人が買った・・・』という店主の言葉を聞いて、『そんなやつは日本に1人しかいない』と観柳斎と断定したのだ。河合を挟んで、歳三と観柳斎。こうして悲劇は進んでいった。
E貸した自分が悪い?
『50両足りないようだが・・・なぜ金が足りない?』歳三は河合に問いただした。ぴったり50両なくなっているとは、河合の丁寧振りがよく分
かったが、源さんの『白状しろ』と言う言葉には、何か理由があるのだろう。その理由をちゃんと話してごらんなさい・・・そんな優しい言葉に聞
こえた。しかし、河合は『私が紛失したという事で結構。親から届けさせます。勘弁して下さい』と頼むのであった。なんて人思いのいいヤツなん
だろうか・・・でも、これが不幸を招いてしまったのだ。それに対して歳三も『いいだろう』と了承。『金が届かなかったらどういう事になるか分かっているか?切腹だ』と厳しい言葉を言いながらも、『5日を10日にしてやろう』という優しい歳三であった。『覚悟は出来ています』と言う河合だが、そこには絶対に10日あれば大丈夫
だという安心感があったのだろう。しかし、50両は、観柳斎が借りたのが既に歳三にはバレていたのだ。『正直に言えばいいじゃないか・・
・』とフラストレーションがたまる筆者。しかし、河合は観柳斎をかばうというよりは、金を貸した自分が悪いと思っていたのではないだろう
か。
F現代へのメッセージ
誰もが『河合はばかなことをした』と口にしていた。河合は謹慎となったが、左之助、斎藤、平助は50両のためにと博打に走った。とてもギャン
ブルに強そうなメンバーに見えなかったが、案の定大負け。最後は衣服も取られ、裸になっていた。でも、その思いはしっかりと受け止めたぞ。そこにまさの姿が見られたが、甘味屋で博打をやっていたのか?そして2月9日。さすがの観柳斎も『名案がある。本を返す事にした』と河合を助ける事にしたが、自分の立場を脅かしつつある伊東一派がその本を狙っていると聞き、返本を止めてしまうのであった。人の命より自分が大事な観柳斎。『これを買いませんか?』と勇や歳三に提案しても良かったではないか?新選組という組織にいながら、自分だけ抜け駆けしようとする男に
は、これ以上生きる必要はない。現代は競争社会だが、組織内での情報の共有化が叫ばれている時代でもある。腹が立って仕方ないが、現代への
メッセージと受け止めよう。
G伊東に負けたっ・・・
その頃、勇は広島に着いていた。『伊東さんが加わってくれて助かっています』と感謝を述べる勇だが、その際にまさか観柳斎の話が出るとは!大目付の永井に『いよいよ正念場。談判次第で長州に大戦になる。ここはその手腕を存分に発揮して欲しい』と期待されるが、小役人が来るばかりで肝心の話が出来ず・・・。長州は本気で戦を考えていたのだから仕方がない。それを受けて『近藤くんは哀れだ。意気込んで来たのに・・・。近藤
くんには悪いが、時代に取り残される。武士道を重んじ、隊士を法度で縛りつけ、彼らの居場所はどこにもなくなる。我々も次の道を考える頃合だな』と伊東。正直言って図星だった。伊東に返す言葉がない。しかし、同じ隊にいながらそのような発言・・・。それが天罰となる事をこの時、伊東はまだ知らない。
H本当は気が弱いのだ
河合の期限が近づいていた。歳三は河合の命を救う為に観柳斎を問い詰めるが、『罪を私になすりつけようとしている。この本の代金は入隊して以来、貯めた金で買いました。新選組のこれからのため』と、あくまでも嘘を通し、なおかつ正当性を主張するが、その犯行は明らかだった。『手間
を取らせてすまなかった』と丁寧に言う歳三だが、『金を守るのが勘定方だ。それを怠ったら死に値する。己の身を仲間を売る。そいつを許さな
い』と、警告とも思える発言をして立ち去っていった。観柳斎は、ここまで来たら嘘を突き通すしかなかったと思われる。観柳斎の気の弱さ、程度の低いプライドが露呈した気がする。
Iかっちゃん・・・
河合の介錯に指名された斎藤だが、『喜んで河合の首を斬るやつはいない』と拒否。永倉は、勇のいない間に歳三が独断で切腹を行うことに不満を
強めた。『俺が・・・(介錯する)』と言ったのはせめてもの抵抗かもしれない。『まぁ、いいじゃないか・・・歳三』と筆者は思ったが、鬼の副長は許さなかった。『ここで河合を死なせないと山南の死が無駄になる。例外を一切認めないって事だ』。確かにその通り。勇が不在の中、歳三がひとり『かっちゃん』と口にするシーンはとても印象的だった。誰よりも悔しい気持ちだったのは歳三だったのは言うまでもない。とにかく一番のワルは観柳斎。ここは無理し
てでも吐かせる事は出来なかったのか?と、さらにフラストレーションが高まった。それはそうと、『介錯は斎藤』と言われるが、なぜ介錯はいつも斎藤なのだろう?と思う。このサイトの客人の方、誰か知っていたら教えて下さい。
Jきつすぎる脚本
50両が届いた!と思ったらそれは河合の見た夢だった。そしてそこに『これに着替えろ』と島田が死装束を持ってきた。『みんな知っているぞ。
武田のために命を捨てる事はない』と言われる河合だが、最後の最後まで観柳斎を責める事はなかった。『新選組を思っての事ですから』と言う河
合だが、『それの何が新選組を思っての事か!』と筆者の突っ込み。『父にだけは本当の事を伝えて欲しいのです。何一つ恥じる事はなかった
と』。この言葉はせつなかった。そんな中でも、『飛脚は?』と最後の最後まで訊ねる河合。『あと5つ数えるまで待ってもらえないでしょうか
?』という言葉はきつすぎるぞ三谷さん。河合の視線に目をそらす観柳斎。平助が泣いている。そして・・・。介錯をはずした・・・というトラブ
ルがり総司が買って出た。河合耆三郎死す。27歳であった。河合の死に合掌する源さん。そして頭を柱に打ち付ける歳三。島田が涙。左之助も
涙。左之助を抱くまさ。そんな中、屯所の中で目に飛び込んできたのは・・・飛脚の姿だった。『土方さん!』源さん言葉、飛脚が屯所に向かって来るシーンが、今回の悲劇の物語の終わりを告げた・・・。
Kひとつ指摘すると・・・
河合が死ぬ事実は覆らないとしても、河合が死に至るまでの物語は三谷さんの創作だった。創作・・・というと、いかにも作り話に聞こえて印象が悪いが、河合の紛失した50両については様々な説があるのである。使いこんだ隊士の誰かが河合に濡れ衣を着せたという説もあるが、三谷さんは
この説を採ったようだ。河合は切腹ではなく、斬首だったという話もあるが、斬首ではあまりにもむごすぎる。ここは切腹させた設定で筆者としては良かった。また切腹直前の河合が、ここまでのいきさつを振り返るという設定にしていたが、これもベスト。『ある隊士の切腹』というタイトル通りに物語が展開
する見事な脚本だったと思う。とにかく山南の死も心が痛んだが、今回はそれ以上だったかもしれない。とにかくせつなかった・・・。ただひとつ
言うとしたら、歳三の立場がはっきりしない事を感じた。『近藤さんがいたら、命を救ってくれただろう』という歳三の言葉はイマイチ明確ではなかった。局長に頼まれて全てを仕切っていたのだから、副長の裁量でなんとか出来なかったのか?と思うが、これが局長ではない副長という仕事の難しさか?
【来週の展望】
来週は将軍が死ぬ一大事が発生する。谷万太郎も殺され、浅野も脱走。そして周平も・・・?時代は新選組とはさらに懸け離れた世界に向かうのは事実。左之助とまさが夫婦になるという嬉しいニュースもあるが、幸せな出来事はもう起こらないのか?
第37回「薩長同盟締結!」 (9月19日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)が西本願寺の屯所で、日常の些細なやりとりに頭を悩ませている頃、下関では龍馬(江口洋介)らの仲介で、薩摩藩と長州藩が手を結ぶかどうかの会談がもたれるが、薩摩の西郷(宇梶剛士)が桂(石黒賢)の前に姿を現さず、物別れに終わってしまう。また、新選組では、歳三(山本耕史)が隊士の松原(甲本雅裕)を、「殺した浪士の妻・お初(清水美那)に近づいているのは、法度破りではないのか」と糾弾し、切腹する、しないの騒ぎとなる。お初は、呼び出しを受けてやって来た松原を油断させて夫の復讐を図ろうとする。胸騒ぎを覚えて急行した斎藤(オダギ
リジョー)は瀕死の松原にとどめを刺し、お初を斬り捨てる。二人の死は、「歳三が松原を追い詰めて心中に至らせた」ということで処理される。最後までお初を救おうとした松原や、松原の仇を討った斎藤、そして自らが悪者となることで全てを収めようとした歳三…勇はそれぞれの思いをしっかりと受け止める。会津藩から坂本龍馬捕縛の命を受け、勇は伏見の寺田屋を御用改めするが、女将・お登勢(戸田恵子)の機転で阻まれてしまう。自分が囮とは知らぬ捨助(中村獅童)が新選組の注意を惹き付けている間に龍馬は薩摩藩邸に入る。勇たちの知らぬところで、時代は大きく動き出そうとしていた…。
【牛嶋のズバリ感想文】
このところ、『新選組!』の感想文を書くのが難しいと感じている。最初の頃は、どんなドラマだろう?と注目し、ひとつひとつを取り上げて書いてきたが、期待を裏切らない演出と内容に、ただただ『面白い!』と思うだけで、長々と書く言葉が見当たらないのだ。今後は指摘しない部分など、感想文も簡略化されると思うが、ご容赦頂きたい。さて、今回の感想文にいきましょう。
@良順の影響力
いきなり平助が舌を出しているシーン。松本良順が新選組の健康診断をしたとの事だが、隊士の3分の1がなんらかの病気を持ってたらしい。風邪、食あたりの順で、心臓病と肺結核が1人づついたという。筆者は、その他にも梅毒も多かったと聞いているが、これは島原での遊びが原因か?当時の医学でどの程度把握出来たのかは分からないが、これによって新選組内に病室が作られ、厨房の不潔さを解消するために豚と鶏が飼われたという。最近は総司の咳き込む姿が描かれないが、今後、総司のは病はさらに進行してく事だろう。そして、いよいよ長州攻め・・・。良順は『おやめなさい』と言うが、新選組はもう後には戻れない所にきていた。それはそうと、松本良順を見るたびに『あれっ?田原俊彦?』と思う筆者だが、演じる田中哲司さん・・・似ていませんか?
A10000円札の顔を望む!
下関で西郷を待っていた桂だが、西郷は現れなかった。下関で船から降りず、そのまま京へ向かったというのだ。幕末を描くドラマでは、簡単に薩長同盟が締結したように描かれるが、実際はそうではない。三谷さんがこの辺りをちゃんと描いていた点は好感が持てた。実際はもっと龍馬が右往左往するのだが、詳しく描いていたらキリがない。ましてや新選組が主役のドラマである。その中で、多くもなく少なくもなく最低限の描き方をしたのではないかと思う。三谷さん、あっぱれ!である。でも、ここまで見る限りでは薩長同盟など夢物語である。それを成立させた龍馬という男はやはり凄い!次の10000万円札は龍馬にして欲しいと筆者は思うが、いかがだろうか。
B来週に続く展開?
新選組の屯所では、左之助が掛け軸を破った事がばれていた。結局、50両の金で解決する事になったが、その50両を勘定方の河合に頼んで、用立てしてもらうのであった。この金が・・・もしかして?と思ったのは筆者だけではないだろう。この話は来週へと続く事になる。勝手に金策・・・で左之助が切腹してもおかしくないが、歳三の知らない所で話は進んでいた。
C対永倉、再び!
松原はお初のところへ出向いて掃除をしていた。『いろいろおおきに・・・』とお礼を言うお初だが、その顔に表情はなかった。いった何を考えているのだろうか?そんな中歳三は、松原が長州藩士の家に通っているのを突き止めていた。焼香もさせてくれなかったのが、今や『おおきに』とお礼を言われるようになった松原。そりゃ、調子にも乗るだろう。自慢気にペラペラ河合に話している中、士道に背いていると指摘される事になるが、『自分のものにしたいから旦那を斬った』という噂もあるらしい。それに対して松原は、『腹を斬ればいいんですね?ここで腹を斬る』と、死を持って無実を証明しようとするが、永倉と左之助が止めるのであった。その動きを見て『こんなやり方は間違っている』と異を唱える永倉。一方、『隊の規律を守るのが俺の役目だ』と歳三。歳三と松原だけと思いきや、永倉をも巻き込んだ構図になってしまった。
D日付がミソ!
今週は1865年(元治2年)9月1日を描いた。先週が3月26日だったので、約5ケ月後という事になるが、今回はこの月日がミソである。桂が西郷にスカされたのが9月。そして成立が翌年の1月という事で、この5ケ月の間に、薩長同盟に向けていろんな出来事があったと解釈すべきである。さてお初が出した使いによって松原が向かうが、それを聞いた斎藤がお初の家に急行!それは、新選組内の松原ではなく、お初内の松原を心配しての事であった。
E龍馬を襲撃していたら?
敵対していた西郷と桂が下関で会った会わないという噂が流れていた。その一件に関わっている男として坂本龍馬の名が挙げられ、『見つけ次第捕らえよ』と会津から新選組に指令が出された。結局、龍馬を捕らえられない新選組だが、寺田屋襲撃と坂本暗殺が新選組の犯行だったら、どうなっていたのだろうか?今でも”殺し屋集団”と解釈する人がいるが、それに拍車をかけて今の世に伝わっていた事だろう。
Fシンプル・イズ・ベスト!
お初は松原に『仇を討とうと思ったが、今は違います。夫を斬ったのが松原さんでよかったと思っています』と告白。『会わない方がいい』と言う松原に対して『見捨てないで』と松原の胸に身を寄せていたが、ここまでなら普通の物語である。このまま恋仲になって心中を図る・・・誰もが想像しただろうが、三谷さんは決まりきった物語にはしなかった。でも、こういうパターンのドラマはよくあるものである。筆者の好きなある刑事ドラマでは、自分の夫を殺した犯人と面会して恋仲になるという強引なストーリーもあったりした。そんな中で三谷さんが描いた物語とは、単純明快!妻が夫の仇をとるというものだった。シンプルなストーリーだが、これが功を奏したと思う。そりゃぁもちろん、”ドラマ”という事を考えれば、松原を一旦有頂天にさせて、どん底に突き落とすのがいいのだろうが、お初には自分の手で仇を取ることしか頭になかったようだ。考えてみればそうかもしれない。でもそれがかえって良かった。それと、後から飛び込んできた斎藤を制して最後までお初を守ろうとしたのは、自分が殺したという負い目があったからに他ならない。いや、お初を愛していたのか?松原忠司死す。筆者の住む岡山県出身の甲本雅裕さんが演じたが、同じく岡山県出身のオダギリジョーさんが瀕死状態を楽にさせてやる事になるとは!ここはあえて、斎藤が松原を看取ったという表現にしておこう。
Gまさしく近藤勇!
勇は松原が死に至った一部始終を知る事になるが、松原とお初の死は、歳三が松原を追い詰めて心中に至らせたということで処理された。最後までお初を救おうとした松原、松原の仇を討った斎藤、そして自らが悪者となることで全てを収めようとした歳三・・・この3人の思いをしっかり受け止めた勇。そして、『時代は訳のわからない所へ進んでいる。誰が敵で誰が見方か分からない。だからこそ今まで以上にひとつにならなければならない。そのために大事なのは鉄の結束と人を思う心だ。これから何が起ころうとどんな事が起きようと・・・』と、新たな誓いを胸にするのであった。このシーンは、新選組に起こった出来事を美化しているようにも思えるが、筆者としてはとても良いシーンだったと思う。また、先週にも増して近藤勇に貫禄がかなり出ており、『おおっ、まさしく近藤勇!』これを思わせた。近藤勇は明らかに進化した。
H今の議員は原点に帰れ!
1回の物語で2日分描くのは今回が初めてではないだろうか?そりゃ、2日分描いた事がなかった訳ではないが、今回は明確に1866年(慶応2年)1月21日と打ち出していた。いくらなんでも飛びすぎでは?と思う気がするが、正直言ってこの間に、さほど大きな出来事がなかったというのをフォローしておこう。さて、さきほど指摘したのが9月だったから、この5ケ月の間に龍馬は東奔西走した事になる。交通や通信が不便な中で、よくやったものである。それはただひとつ!ニッポンという国のために全てを尽くしたからに他ならないが、今のこの世の時代、自らを捨てて国を思う気持ちを持つ人がいるのだろうか?『ふ〜ん。面白いんじゃない?』なんて言いながら『新選組!』を見ている国会議員は去って欲しいし、時代は違えども、国のためにもう1度原点に帰って欲しいものである。
I芸が細かい?
大久保一蔵が登場。ご存知!のちの利通の事だが、名を馳せる前にこうしてチョイ役のような感じで登場すると、実に刺激的である。さて、今回も捨助は大活躍であった。龍馬が薩摩藩邸に入るところを見られたらおしまいと、捨助が囮となったのだ。『騙しやがったなぁ〜坂本』と悔しがる捨助だが、100両の仕事は十分に果たしたと言える。問題はちゃんともらえるかだが、たぶんもらえない事だろう。それと、桂が木戸貫冶と名を改めていたが、マゲを結ったままで木戸と言われても不自然だ。やはり今の状態では、あくまでも桂小五郎である。でも、この時点で木戸・・・と名乗っていたのは史実なのだろうか?筆者には分からないが、もし本当だったら三谷氏は偉いと思う。思えば武田信玄が川中島で上杉謙信と戦った時、謙信はまだ上杉謙信ではなかった。特に有名な4回目の時は”上杉政虎”だったのだ。その後、輝虎と名前を変え謙信となるが、時代劇ファンとして、こういう芸の細かさは嬉しいものだ。こんぺいとうを口にする桂も良かった。
J幕府は勝てるか?
薩長同盟が成立した。『一件落着』と手を握らせ、『頬擦りじゃ』と龍馬に促されて桂と西郷も指示に従ったが、恥ずかしながら頬擦りするシーンは面白かった。ついに歴史的瞬間である。このまま一気に倒幕が進む事になるが、西郷はのちに新政府を離れ、西南戦争で自刃する事になる。もちろん『新選組!』が終わっての出来事になるが、勇の『時代は訳のわからない所へ進んでいる。誰が敵で誰が見方か分からない。だからこそ今まで以上にひとつにならなければならない』という言葉が沁みた。薩長同盟成立に『まことか?』と信じられない容保。『戦になるか?これからが正念場じゃ。頼むぞ近藤』と声をかけ、『はっ』と返事をしていた勇だが、勇は何を思った事だろう。『幕府は勝てると思うか?』心で勇に問いかけた筆者がいた。
【来週の展望】
薩長同盟が成立し、来週は河合が公金横領で死に至る事になる。また、伊東にも動きが・・・。『内部でもめている場合じゃないぞ!』と言いたいが、これは仕方のない事。とにかくしっかり見ていこう。
第36回「対決見廻組!」 (9月12日放送)
勇(香取慎吾)たち新選組が、京の町で不逞浪士の取り締まりに力を入れていたある日、総司(藤原竜也)率いる一隊が長州の協力者で「天狗」と呼ばれている男を追い詰める。しかし、佐々木只三郎(伊原剛志)の率いる見廻組と鉢合わせになり、手柄の奪い合いでもめているすきに肝心の「天狗」を取り逃がしてしまう。その際、総司は「天狗」の正体が顔見知りの捨助(中村獅童)であることを知る。後日、佐々木が新選組の屯所を訪ね、勇たちとそれぞれの巡回地域について話し合いが持たれる。公儀直参の見廻組と浪士上がりの新選組とは違う。京の町の大半や要所を見廻組が受け持つという佐々木の草案に、勇たちは反発を覚える。そんな中、新選組隊内では参謀の伊東甲子太郎(谷原章介)が、元々自分の門人だった平助(中村勘太郎)を引き戻し、一派閥を形成しつつあった。また勇の養子となった周平(浅利陽介)は、期待に応えようと日々の鍛錬に勤しむが仲間から妬まれ苦労していた。勇は、松平容保(筒井道隆)から、様子が怪しい薩摩藩の動静を探るように命じられ、西郷吉之助(宇梶剛士)に面会する。真意を質す勇に、西郷は決して本心を見せず、煙に巻く。ある夜、祗園界隈で火災が起こり、消火のために出動した新選組と見廻組との間で主導権争いが勃発するが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
まずNHKの『スタジオパークからこんにちは』の話から。先日、三谷幸喜さん、山本耕史さんと相次いで出演したが、三谷さんからはドラマの裏話が聞けてとても面白かった。朝日新聞に連載している『ありふれた生活』でもその事に触れていたが、饒舌にさせたのはNHKアナウンサーの黒田あゆみさんがいたからだと、『スタジオパーク』の時よりもさらに詳しくその様子を書いていた。このようにNHKにどんどん出ていろんな話をしてくれるのは嬉しい事である。山本さんもドラマとは別の一面を垣間見る事が出来てとても興味深かった。来週は西郷役の宇梶さんが出るようだが、これも要チェックである。それと、9月11日から公開された映画『スウィングガールズ』に、河合耆三郎役の大倉孝二さんが出演していた。スーパーのチーフ役だったが、思わず『河合だ!』と叫びそうになった。そういえば山本耕史さんが『この間、山南さんと飲みました』と言っていたが、これから堺雅人さんを見たら『山南さん』と言ってしまいそうである。いや、新選組の隊士みんなの事をそう思うだろう。さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。
@捨助がまたも逃れる
冒頭では1865年の長州、薩摩、幕府の動きを紹介していた。攘夷運動にもそれぞれ変化が訪れたとの事で、これから物語は薩長同盟に向けて動き、同盟成立後は一気に幕府の崩壊へと進んでいくだろう。そんな中、捨助はまだ長州藩士と行動を共にしていた。しかし指示を仰ぐものの、もう用なしといた感じ。そこへ新選組の御用改めが…。慌てて逃げる捨助だが、新選組と見廻組と挟み撃ちに合う。『噂の天狗』と言われるくらいとんでもない存在?になっていた捨助だが、その正体を総司に見破られてしまうのであった。『近藤、土方に言うなよ』と言う捨助だが、総司が言わないわけがない。今後、新選組と合流するのか?それともさまよい続けるのか?それはそうと、高く飛び上がって捨助の手ぬぐいを斬った総司だが、凄いジャンプ力だった。あれは撮影が進む義経を意識したのか?(笑)。
A源さんのお茶
今週は1865年(元治2年)3月26日を描いた。先週から16日後という事になるが、思ったより進んでいないと思った。来週は薩長同盟が成立するが、成立は来年の1月のはず。という事は今週から来週にかけて1年近く飛ぶ事になる。飛びすぎではないか?と思ったが、ここは三谷さんを信じる事にしよう。さて勇は総司から、捨助が京にまだいる事を報告されるが、見慣れない背景だった。ずいぶん空間が広くなり、八木邸とは比べ物にならないくらの広さである事がよく分かった。そして源さんはお茶係のお役御免。源さんはお茶を入れるのが好きだったんだろうなぁ〜と思いつつ、源さんの入れてくれたお茶は美味しいんだろうなぁ〜と思った。今、"源さんのお茶"というブランドでペットボトルを出したら売れるのでは?と思うのは新選組ファンだけだろう。
Bまたも砕けた左之助
永倉はまさの店で、おそのとお汁粉を食べていた。永倉は勇と同様に敬語を使っていたが、勇とお幸同様2人にはまだ距離が感じられた。その光景を見ながら左之助とまさはヒソヒソ話。おそのの『前の恋人への思いを捨てきれていません』という言葉に『それでもいいです』と永倉が口説いたと左之助が解説していたが、左之助としては、そのまま一気にまさとの距離を縮めたかった事だろう。しかし、今回も当たって砕けてしまったのであった。2人が一緒になるのはいつ?
C勇の腕組み
見廻組を率いる佐々木只三郎が新選組の屯所を訪ねてきた。勇は新選組局長らしく、落ち着き払った態度で応対した。この所、腕組みするシーンの多い勇だが、香取君の腕組みはとても様になってきた。やはり近藤勇といえば腕組みである。残っている写真のイメージが強いからなのだろうが、勇の腕組みは単なる見かけだけではなく、心も"新選組局長"となっているのを感じた。
D剛毅の局長
『隊士は何名ですか?』と言う佐々木の質問に、『400です』ときっぱり答えた歳三。もちろんハッタリだが、本当の事を知っているくせに『我らと変わらないではないですか?』と言う佐々木もなかなかのものである。そして新しく加わった伊東甲子太郎が紹介されるが、ここでも伊東は『佐々木さまと言えば、あの清河八郎を討ち取られた方では?』と口にするなど、伊東はどうやらウンチクが好きらしい。また、知っている事をひけらかす事で自分を優位に持っていくのが、この男の手なのかもしれない。それだけにこの後どういう言葉を付け加えるか注目したが、『私は噂話は好きではありません』とかわされてしまった。ここは佐々木の勝ちと言った所か。さて佐々木の用向きは、『新選組と見廻組が路上でかち合い、不貞浪士を取り逃がすという事が起きているため、巡らの受け持ちをはっきりさせたい』という事だった。草案は『五条より南が新選組。見廻組は五条より北』という提案であったが、見廻組は『幕府から直々に命じられた直参です。本来なら北も南も我らが受け持ってもいい』と権威を主張。しかし、『草案ですから』という言葉に、特に強く反論する事なく、立ち去る佐々木に礼をした勇であった。歳三は『やっぱり気にくわない』伊東も『飲むわけにはいきません』と勇に進言するが、『そんなの言わずとも分かっている』と言う態度を取った剛毅の近藤勇は立派であった。
E源さんに学ぶ
隊士の稽古する姿を見て『大所帯になったもんだな。壬生浪士隊を結成したのが懐かしい』と源さん。『六番組長にして頂いたのにこそばゆい』とも言っていたが、役割を与えられるよりも、あくまでも陰からサポートする立場が自分にふさわしいと思っているといった感じだった。劇中でもあったように源さんは勇の兄弟子である。そんな中、偉ぶる事もなくサポートに徹するとは、源さんはまさに尊敬すべき人物。源さんを見る度、自分の内面をしっかり見つめなおそうとする筆者であった。
F大石鍬二郎が登場
勇の養子・周平は一生懸命頑張っているようだ。源さんと総司に励まされ、『これから柔術、兵学の講義です』と、養子とはいえ、今はまだ修行中といった感じだ。そんな中、大石鍬二郎から、『いい気になるな!局長はとんでもないやつを養子にしたって言ってたぞ』と、切腹になってもおかしくない過激な言葉を口にしていたが、『あの人がそんな事を言うはずがない』と反論する周平に、『調子に乗るんじゃないぞ』と、今度は殴る蹴るの暴行を受けてしまうのだった。そこに源さんが現れるが、『相撲の稽古』と返答する周平。源さんは勇に報告するが、『周平の事は放っておこう。自分で大人になるための試練だ』と一蹴。勇もようやく鬼になったようだ。勇の判断は正しい。さて、周平に文句をつけた大石鍬二郎は、伊東とともに新選組に入隊し"人斬り鍬二郎"と異名をとった男である。この気の荒さが勇を前にどうなるのか?と思うが、流山まで関わる人物だけに、これからも注目すべき人物だ。
G谷三十郎のカウントダウン?
周平の兄・谷三十郎が『最近ないがしろではないか?』と歳三に意義申し立て。『近藤家とは縁戚なのを忘れてもらっては困る』と力説していたが、周平を使ってのし上がろうとする根性は気にいらない。歳三も『あいつのいいのは家柄だけ。態度はでかい。腕もたいしたことない。引き入れたのは間違いだった』とバッサリ。周平の頑張りに対して兄がこうだとは、周平もさぞかしショックだろう。三十郎はまもなく命を落とすが、三谷さんはこの部分をどう描くのだろうか。
H現代とは違う溝の深さ
伊東は、『ほころびだらけだ』と新選組を糾弾。『度々の仲間割れ…』と解説し出すが、平助は苦い顔で伊東の言葉を聞いていた。いつの間にか伊東一派に戻ってしまった平助だが、『平助が(勇に)心酔するのも分かる』と言ったのには笑顔で反応。『近藤先生は常に私の言葉に耳を傾けてくれる』と、あくまでも心は勇にあったようだ。しかし、平助のそんな言葉にも『裏を返せば人の話を聞きすぎる。それが近藤くんの弱さでもある』と、さらにウンチク。このまま平助は、伊東に洗脳されてしまうのか?でも、どうしても悪人と見てしまう伊東だが、知識は相当なものだったと思う。脱走ではなく、分離というカタチに持っていったのも伊東の知恵だろうし、それゆえに、使い方次第では"最も頼れる男"になったかもしれない。しかし、伊東にはそんな意志はあらず…。思想の違いは、今の時代では考えられないくらい深い溝を作ったのだ。
Iおおごとになるなら…
『宝物がある部屋を見つけたから一緒に見に行きましょう』この総司の誘いに乗ったのは左之助だった。源さん、歳三、平助に断られたが、きっと左之助はふたつ返事で『行く』と答えた事だろう。そんな中、断ったはずの平助が急遽やってきた。天真爛漫な総司に対して『相談したいことがある』と不安そうに話しかけた平助だが、宝物を見るというより、総司と話がしたかったようだ。しかし、『もう少ししたら…』と後日相談に乗る事に。でも、これが平助の不幸の始まりだったのか?そんな平助をよそに次々と宝物をあさる左之助。『新選組やんちゃ三人衆!』などと言っている場合ではなかった。掛け軸?を破る真似をして、ついには破いてしまった左之助。『これはおおごとになるぞ』と総司が心配そうに言っていたが、そう深刻になるなら入らなければ良かったのに…と思ってしまった。果たしてどんなおおごとになるのであろうか?それはそうと、あの掛け物?掛け軸?は何?分かる方、教えて下さい。
J松原よ…深入りするな!
『長州のやつらはどうやって稼いでいる?』と松原は河合に相談していた。横で斎藤が稽古に励んでいたが、こういう大事な場面に必ずいる斎藤。彼の周りにいると事件が起こるのかもしれない。そして斎藤が横にいるにもかかわらず延々と話を続ける2人。同期?という事で相当仲がいいようである。現に河合は松原の事を『まっちゃん』と呼んでいた。松原は自分が斬った仙波甲太郎の奥方の事を気にしていたが、『これ以上、深入りするな』と斎藤。しかし、深入りせずにはいられない松原であった。来週、松原の身に起こる出来事はどう描かれるのであろう。そして観柳斎の兵学を否定した浅野も…。これからはどんどん主要な隊士が姿を消していく事になる。
Kつかみどころのない演技
勇は伊東を伴って容保の所へ。無益な戦は避けようと言う容保に同意する勇だが、同時に薩摩藩邸に行って西郷に会うよう頼まれるのであった。伊東は『薩摩の本心は長州が生き延びる事では?むしろ薩摩が恐れているのは殿では?』と鋭い分析するが、西郷は『はははは』と笑い、思い違いであると否定したのであった。さらに『長州の息の根は薩摩が止めます』とも口にするが、この男の考えている本心はいったいなんなのだろう?宇梶さんのつかみどころのない演技は見事だ。しかし、『信じていいですね?』これが裏切られる事になる。
L捨助がとんでもない事を…
捨助はのんきにおりょうを口説いていた。『俺と多摩に来てくれよ。夫婦になって〜』と頼んでいたように、多摩に帰る決心をしたようだ。しかし、おりょうはひじで捨助をKO。鼻血が出るかと思いきや、今回は鼻血は出なかった。沖田みつの力がいかに強かったかを知る事が出来たが、『偉い男が好き』と言うおりょうに、捨助は適うはずがない。おりょうに立ち去られ、捨助は、ムシャクシャして蝋燭を倒してしまうが、その火は京を混乱に陥れるほどのものにしてしまうのであった。新選組の屯所では『あれは御所ではあるまいな?』と、すぐさま山崎に調査にあたらせるが、火が弁天町にも広がっていると聞いて松原が飛び出した。そして仙波の妻を救うのであった。松原には『深入りするな』と言った斎藤の言葉はもう既に頭にはなかった。
M既に、勇に甘いは死語?
京の街が広く燃え上がっている事態に急遽陣を張った新選組。そこに見廻組の佐々木が現れた。『これより我らも…』と新選組を制して任務に就こうとするが、先に陣を張った新選組に強く咎められる事に。『おっしゃる通りだ。では、お指図を頂こう』と佐々木は観念するが、新選組局長・近藤勇の見事な采配に降参。さすがの佐々木も『ひょっとすると、ご公儀のお役に立つのはあなたたちかもしれないな』と言って立ち去って行ったのであった。以前、勇を甘い!と指摘した筆者だが、今の近藤勇には甘さは全く見られない。
N龍馬はやはり凄いぜよ
龍馬は寺田屋で思案中。今やるべき事は薩摩が手を結ぶ事。これは分かっているのだが、犬猿の仲を結ばせるかは至難の業であった。そんな中、お登勢との会話の中でヒントを見つける龍馬。そして龍馬は西郷と会談し、"ビジネス"という言葉を使って長州と手を組むよう促した。そして仲の悪い者同士が仲良くなる方法として、『長州がくれそうにないものをもらう?薩摩からやりそうもない事を長州にやる。それがビジネス』と力説。これを聞いて、つくづく龍馬という男は凄いと思った。さらに、『突拍子もないからいいがぜよ。新しい道が開ける。やってみんと分からんぜよ。やる前から分かったら人生面白くないきに〜』と西郷も思わず『面白か男じゃ』と口にするほどだった。それは筆者も同感だったが、江口さんの龍馬も円熟味を増したという気がした。江口龍馬はもっと評価されてもいいと思うのだが…
【来週の展望】
ついに薩長同盟が成立する。『えっ?もう?早いなぁ〜』と思ったが、あくまでも物語は新選組が中心である。以前から『新選組以外の部分を多く描いてはいけない』と訴えていた筆者だが、予想以上に簡略化されるようだ。そして、松原の身に降りかかる悲劇にも注目したい。
第35回「さらば壬生村」 (9月5日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)たち新選組の探索を逃れて潜伏していた桂(石黒賢)だったが、長州への帰郷を伝えようと仲間と接触したところを新選組に急襲されてしまう。桂は何とかその場から逃れるが、ある長州の浪士が松原忠司(甲本雅裕)の手にかかって命を落とす。浪士は死に際に、妻に届けて欲しいと言って松原に金を託す。新選組は住み慣れた八木邸から西本願寺へ屯所を移す。これをきっかけに隊士たちの日常にも小さな変化が起きる。勇はお幸(優香)のために別宅を構え引越しをする。その最中に永倉(山口智充)がやって来て、自分もおその(小西美帆)という女性を大坂から招き寄せると告げる。そんな勇と永倉に触発されたのか、左之助(山本太郎)も想いを寄せる
まさ(はしのえみ)に何度目かの告白をするものの、なかなか想いは届かない。一方、歳三(山本耕史)は八木源之丞(伊東四朗)に頼まれ、源之丞の娘・ひで(吹石一恵)に総司(藤原竜也)のことを諦めてほしいと話し、想いを断ち切らせようとする。松原は、斎藤(オダギリ
ジョー)の忠告を聞かずに自分が殺めた男の妻女に金を届けに行く。そうした中、京の片隅では坂本龍馬(江口洋介)らが、会津藩を除いて長州藩と薩摩藩を結びつけるべく動き始めていた…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今週も朝日新聞に連載されている三谷幸喜さんの『ありふれた生活』を紹介しよう。先日のNHK『スタジオパーク』で三谷さんからも報告があったが、最終回を脱稿したとの事。第1話の初稿が2002年の6月だったので、2年2ケ月の間ずっと1つの物語を書き続けていた事になる。何度か壁にぶつかったが、大きなスランプもなく、淡々と1本1本仕上げたそうだ。書き方として全体を4つのパートに分け、それぞれにテーマを設けた上でどのエピソードをどの回に入れるかを全て表にしたとの事。第一部は近藤勇の青春時代を描く『多摩編』第二部は芹沢鴨と近藤勇との出会いを中心に、新選組が結成されるまでの『鴨編』第三部は池田屋事件を挟んで、新選組の最盛期を描く『風雲編』そして第四部は幕府が崩壊して近藤勇が処刑されるまでの『落日編』以上の四部構成だったらしい。どのパートも大変で、難しい事を易しく書くのが難しかったそうで、反省点は山ほどあり、出来れば1話から書き直したいという気持ちもあるとか。しかし、人を斬る事の辛さや悲しみ、そして死を及ぼす影響のようなものまで表現したかった点はうまくいったと振り返っていた。そして脱稿した今の気持ちは、早く次の仕事がしたいとの事で、これから年末の新作舞台の準備に入るらしい。ちなみに『新選組!』の撮影はまだまだ佳境で、先日、藤堂平助が見事な最期を遂げたと報告があったらしい。以上、三谷幸喜さんの『ありふれた生活』を紹介したが、筆者としては、『ついに書き上げたか!』という楽しみな気持ちと、『やはり終わってしまうのか…』という寂しい気持ちでいっぱいだ。12月の最終回まで、あと3ケ月ちょっと。これほど3ケ月が惜しいと思った事はない。さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。
@うさんくさっ…
冒頭の解説の所で岩倉具視が早々と登場した。思わず『500円札だ!』と言ってしまったが、同時に『こんなにうさんくさそうな人がお札になったの?』という不審感も生まれてしまった(笑)。事実、子供の頃に『なぜこんなに不機嫌そうな顔をしているんだろう』と思ったものだ。しかし、今の日本を作った功績は大きく、"岩倉具視"という字もワープロで一発で出るのは凄い事。どんな人柄だったのかは実際には分からないが、中村有二さん=岩倉具視はとにかく楽しみだ。
Aおいおい
タイトルバックで福島知事選挙の当確速報。そして、本編では津波情報が入り、途中から画面が小さくなってしまった。おいおい…と思ったが、これは仕方のない事。永久保存版にしようとビデオ録画していた人にとっては、ありゃりゃ…となってしまったが、ちなみに筆者は毎回10時からのBS放送を録画して保存している。BSではフル画面で放送されたが、地上波しか録画出来なかった人は怒るに怒れない回となった事だろう。でも再放送というチャンスがあるのはいうまでもない。なお10月24日(日)は筆者が住む岡山県の知事選挙が行われる。その日もこんな感じで"当確!"出るかと思いますが、『新選組!』ファンの皆様、どうかご容赦下さい。
B逃げの小五郎
先週はコメディタッチで描かれた『新選組!』。一週置いた事で視聴者も山南ショックから立ち直ったと思われるが、今週は『風雲編』の後半開始といった所だろう。本編最初は出動する新選組を描いていた。武田観柳斎、斎藤一らの姿が確認されたが、五番組と三番組が一緒とは・・・。そんな中、京の町にいたのは捨助だった。長州藩の仙波甲太郎と一緒で、桂が会いたいと呼び寄せたのであった。仙波に大口を叩くなどすっかり態度が大きくなった捨助だが、桂がうどん屋の主人という仮の姿で現れたのはユニークだった。巧みに変装して京の町に潜伏した事で"逃げの小五郎"と言われた桂だが、その名の通りの動きだった。しかし、それによって仙波が犠牲になってしまったのは言うまでもない。江戸川乱歩の怪人20面相は桂小五郎がモデルか?そういえば、怪人20面相を追っていたのは明智小五郎だった。
C捨助に宮本武蔵を見た?
桂が逃げた後、捨助が新選組と対峙する事になってしまった。どうなるのか?と思ったが、捨助は観柳斎の斬り込みを実力?まぐれ?でかわしたのだった。その動きは見事で、その動きに思わず斎藤も"デキる"ときっぱり一言。もしかしたら、捨助は剣の天才なのかもしれない。でも筆者は思わず、柳生四高弟の技をかわして『デキる!』と言わせた『宮本武蔵(吉川英治作)』の名シーンを思い出してしまった。捨助に宮本武蔵を見たぞ!でも、これでお役御免となった捨助はどこへ行く?
D壬生心中?
仙波甲太郎は松原忠司に斬られた。そして息絶える時に『これを女房に』とお金を託されたのであった。その後松原は単身仙波の妻・お初の所へ。『通りがかった際に頼まれた…』と言うのかと思いきや、『私は新選組のものです。ご主人を斬ったのは私です』と正直に告白。すると『お顔は二度と見たくありません』と焼香も拒否。おまけに『早く出ていけ』と言われるが、もしかしてこれが子母澤寛の壬生心中につながるのか?
E鼻につく伊東の発言と手ぬぐい
今週は1865年(元治2年)3月10日を描いた。先週から5日後という事になるが、タイトルにあるように西本願寺に屯所を移す話が中心であった。西本願寺に挨拶した際、『あれは豊臣…。信長の…』と伊東が学のある所を披露していたが、これは"対西本願寺…"というよりは、新選組の隊士を意識した発言のように聞こえた。自分だけは違うぞ!という事をアピールしたかったのか?伊東の口ぶりは鼻について仕方がなかったが、そんな中、近所の方に配る手ぬぐいを…と河合が勇に相談していた。浅葱色を駆使した"誠"の字が入った手ぬぐいであったが、それを見て筆者も欲しいと思った(笑)。あれは売っていないのだろうか?
F広い西本願寺
谷三十郎が勇に『副長助勤以上は一人部屋では?周平は一人部屋ではない』と異議申し立て。弟を思う気持ちの表れだが、勇は『周平はそれを望んでいないはず』と一蹴。歳三の『あんたが代わってやればいいじゃないか』と言う言葉も効いた。副長助勤以上は一人部屋というエピソ−ドに、これだけで八木邸よりもかなり広い屯所というのが分かった。ナイスな小ネタだ!でも、それぞれの個室がどのくらい広い部屋だったのだろう。
G当時と今の男女関係?
勇とお幸…それはまるで夫婦のようだった。身請けした立場にもかかわらず『過ごしやすいですか?』と敬語を使う勇。やはり、誠実=身請け=(非)妾は不自然に思えて仕方がない。ここは割り切って"非妾⇒妾"でいいと思うのだが…。そんな中、永倉と左之助が訪ねて来た。『よくここが分かったな』と言う勇だが、『隊士はみんな知っている』とお幸に自己紹介する永倉と左之助。『私も局長に習って女を…いや、冗談です』と言う永倉の件りは面白かったが、『山南さんの一件で…。局長もそうですか?』と、こういう時はお互いに理解を示す男同盟。永倉の場合は勇とはケースが違うが、いつ命を落とすか分からないこの時代、安らぎがいかに大事だったかが分かった。永倉は小常を部屋に呼び寄せるが、『困った事があったら相談にのりますよ』とお幸は完全に奥方気取り。でも、これは女同盟か?そして左之助は純情一色。(左之助)『打ち明けるぞ』(勇)『何度も打ち明けてるじゃないか?』(左之助)『当たってくだけろだ』(勇)『何回くだけたんだ?』と、勇もお幸の存在がバレて開き直っている様子。でも、この時代における男女関係と、現代の男女関係が重なって描写されていて、なんだかおかしかった。
H源さんの助命嘆願
源さんから六番組を率いて見廻りして欲しいと命令された周平。『無理ですよ』と答える周平だが、『どうしてあきらめる?どうして養子にしたか分かるか?こいつなら跡取りにふさわしいと思ったから。局長は周平の前に3度養子の話を断っている』と、今までにない父親のような口調で話す源さんであった。源さんのワザは披露されても、このような口調は初めて聞いたような気がする。そして、『井上源三郎、嘘をつきました。内緒だよ』とお茶目な源さん。本当に愛すべきキャラクターである。ちょっと早いが、今度は源さんの助命嘆願だ!
I時代が動く…
新選組から逃れた捨助は寺田屋にいた。持っていたはたきをお登勢に折られるが、『岩倉卿からはまだ返事がない』と桂に言いながら、実はまだ届けてなかったようだ。そんな中、中岡慎太郎が登場。『わしらの力で長州と薩摩を結びつける方法はないか?』と龍馬と会談していたが、桂も長州へ戻り、岩倉と西郷も一緒にいた。そこへ捨助が来てはたきを渡すが、そのはたきを不審に思う岩倉。実は桂から託されたはたきではなく、捨助は新しいはたきを渡していたのだ。これでは全く渡す意味がない訳で、捨助は大チョンボを犯してしまった。芋を焼いていた岩倉は、そのはたきで芋を差したが…う〜ん、この人がお札に…しかし、本領発揮はこれからである。一方、孝明天皇が『容保、お前はいくつじゃ?』(容保)『31です』(孝明天皇)『近藤勇は?』(容保)『ひとつ上ですから32です』(孝明天皇)『重責を果たしている。あっぱれじゃ』と…このやりとりはなんだったのだろう。幕府の動きとは別にまさに時代が動こうとしていた。それをうまく対比させていた気がした。
Jコメントが辛い
新選組幹部がいる中で観柳斎は勇に『奥方さまの名前は?』と尋ねた。すると勇は迷わず『つねだ』と答えていた。常々『(お幸との事を)そういう関係ではない』と言っていた勇だが、素直に答えた所を見ると、ドラマ上は本当のようだ。しかし、観柳斎の聞きたかったのは、身請けしたお幸の事だった。このやりとりを見て筆者は、聞いてはいけない話なのでは?と思った。だって現代に置き換えると、上司に『部長の愛人の名前は?』と聞くようなものである。しかし、やはりこの時代ならではなのだろう。逆にみんなから『ここに連れてきませんか?』と言われる始末。そして勇も素直に連れて来ようとする所がいい。しかし、お幸の答えは『ご遠慮させてもらう』という事だった。『お幸は近藤先生一人のものです。先生の気持ちを楽にしてやるのがお幸』と、この言葉を聞いて、思わずお幸を身請けしたくなった筆者だが(笑)、一方で、ますますこの2人の関係が分からなくなった気がする。いろんな見方があるだろうが、筆者的にはこれ以上コメントするのは力不足で難しい。やがてお幸は亡くなり、妹のお孝の面倒を見る事になる勇だが、やはり"勇とつね"なら語れるが、"勇とお幸"、"勇とお孝"はコメントが難しい。
Kほうきの向きは…?
とうとう八木邸を離れる事になった新選組。『このご恩は生涯忘れません』とみんなで頭を下げるが、あれほど毛嫌いした雅は涙を流して見送っていた。そんな中、八木為三郎が『さいなら。先生らの事。忘れへんから』と、ここまで為三郎自らが記した帳面を見せたのであった。これが子母澤寛の著書へと結びつくのであろうか?創作も指摘される子母澤寛だが、八木為三郎が『八木為三郎・新選組日記』などという本を自ら出版していたら凄い記録になっていただろう。そして新選組が京都に来てからの映像がフラッシュバックされていたが、そこには在りし日の山南の映像もあった。芹沢鴨は確認出来なかったが、誠にもって懐かしい。そして最後に映し出された映像は現在の八木家の玄関であった。そこに立てかけてあったほうきは逆さではなかった。これは良かった。よくぞ描いてくれた!見事だった。
L吉村の登場は?
最後の紀行で吉村貫一郎が紹介されていた。ご存知!『壬生義士伝』で御馴染みの吉村だが、さすがに吉村貫一郎は『新選組!』には出てこないだろう。でも諸士取調役兼監察、撃剣師範、目付を歴任した訳だし、出ない可能性もなくはない?
【来週の展望】
次回は見廻組と新選組が衝突するが、捨助もそこにからむようだ。そして時代も動く。坂本龍馬、西郷吉之助、桂小五郎…考えただけでも凄い時代だった。
第34回「寺田屋大騒動」 (8月29日放送)
勇(香取慎吾)は、ついに深雪太夫=お幸(優香)の身請けを決心する。また永倉(山口智充)も、親友の恋人だった芸者の小常(小西美帆)を呼び寄せる。勇がお幸を迎えるために伏見の寺田屋を訪れていたその頃、江戸から勇の妻・つね(田畑智子)と総司(藤原竜也)の姉・みつ(沢口靖子)が、突然、京へやって来る。ふたりは新選組の屯所を訪ね、永倉や左之助(山本太郎)ら懐かしい面々との再会を喜び合う。また、つねは養子となる周平(浅利陽介)とも初めて対面する。勇の居場所を知ったふたりは、駕籠を飛ばして寺田屋へと向かう。勇の前でつねとお幸が鉢合わせになってはまずい、と考えた歳三(山本耕史)と総司も急いで後を追う。お幸の到着と時を同じくして、つねたちの駕籠も寺田屋に到着する。思いもよらぬ訪問者に仰天する勇だったが、お登勢(戸田恵子)とおりょう(麻生久美子)の機転でその場をしのぐ。
しかし、ひょんなことからお幸の存在がつねたちに知られてしまう。源三郎(小林隆)や歳三は、何とかして勇とお幸のことをごまかそうとするが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
朝日新聞に『三谷幸喜のありふれた生活』が連載されているが、今回の内容は面白かった。『新選組!』収録後の飲み会で"ある事件"が起こったとの事。ちなみにその現場に三谷さんは立ち会っておらず、目撃者の証言としてまとめていた。ちょっと紹介するが、かなり笑えます。まず、武田観柳斎役の八嶋智人さんと土方歳三役の山本耕史さんが一触即発になったらしい。ことの発端は酔った勢いで八嶋さんが『山南さんが切腹した後で、局長と副長が泣いていたけど、俺はどうかと思ったね。泣くんだったら、初めから切腹なんかさせんなよっ』と言った事だったそうだ。この時、八嶋さんは完全に新選組の隊士として、局長批判をしていたらしい。すると、その場にいた山本さんが八嶋に突っかかった。『俺は何を言われてもいいが、局長の事を悪く言う奴は許せねぇっ』このセリフも凄いが、立ち上がって睨み合う2人を見た総司役の藤原竜也くんと平助役の中村勘太郎くんが、すかさず別室で飲んでいた近藤勇役の香取慎吾くんと、井上源三郎役の小林隆さんを呼びに行ったらしい。これも面白い。そして現場に駆けつけた勇が、歳三と観柳斎の間に入って『ここは俺に免じて収めてくれっ!』と叫んだという。ちょっと出来すぎだが、そんな事になっても全く不思議ではないくらい、撮影現場の彼らは役になりきっているらしい。ちょっと怖いけど、おかしい…と締めくくられていた。こういう裏話は大歓迎。もっと書いて欲しいと思った。さて山南切腹を受けて、第34話の感想文にいきましょう。
@ さらば山南!
今週は山南の死を受けて、どのように始まるのか注目していた。存在感のある役だっただけに、やはり先週の話を受けて始まるだろう…。いや、山南の死は山南の死で先週しっかり描いたので、今週は全然触れないのかもしれない…。そんな2つの想像が筆者の頭をよぎったが、『新選組!』は前者を選んだ。当然と言えば当然だが、ここで評価すべき点があった。切腹シーンを出すのではなく、ありし日の山南(平和な頃の山南)の映像に加えて、山南が試衛館に入った際の未公開映像も交えていた点だ。しかも、山南が切腹した際に江戸にいた平助が、江戸で聞いた話を披露するという設定だった。これはうまい!先週の悲しみを引きずって見ていた筆者は、ここで山南と本当のお別れが出来た…そんな感じがした。とにかく、これはいい演出だったと思う。
A似合わない…でも男なら分かる
勇が深雪太夫を身請けする事になった。なぜ急に?と思ったが、ドラマでは描かれないだけで、大坂に行っては会い、行っては会いで、身請けはずっと勇の考えの中にあったと思われる。でも、視聴者に対しては唐突すぎるぞ!と言う感は否めない。それに『新選組!』での誠実な近藤勇に妾の存在は似合わないと思う。『そういう間柄ではない』と言う勇だが、『そんな事ないだろう?』と突っ込みを入れてしまうくらい、この部分は史実を追うのに無理があるのは確かだ。しかし、ここはあえて『勇よ、おぬしも好きじゃのぉ〜よいよい…』という言葉で締めくくっておこう(笑)。
B男同盟?
今週は1865年(元治2年)3月5日を描いた。先週から約10日後という事になるが、かねてから計画していた屯所の引越し話が進められていた。そんな中、勇はお幸(深雪太夫)を迎えるために伏見の寺田屋へ。身請けするという噂が流れる中、永倉も、親友の恋人だった芸者の小常を呼び寄せると左之助に打ち明けた。それに乗じて左之助も『夫婦にならないか?』とまさに詰め寄るが、あっさり拒否されてしまう。もう秒読みだと思ったのだが、2人のゴールインはいつになるのだろう。それにしても男と女の関係においては、『それはひどい!』とならないのが面白い所。実際はもっと派手だったんだろうなぁ〜。
C久々に笑ったぜ
江戸から戻った平助は、『会わせたい人がいる』と総司を別室へ。そこにはなんと!総司の姉・みつと、勇の妻・つねがいた。こんな事実があったとは信じがたいが、今回はほぼ100%近く三谷氏の創作であった。山南切腹を受けて『おいおい』と思ったが、お幸を身請けする出来事を描くために、あえてつねとの対面を設定したと思われる。つねが来るなら当然みつも一緒に着いて来た訳だが、隊士を前にキャラ大爆発!隊士のノリも良く、久々に笑ってしまった。
Dおいおい、捨助…
龍馬が捨助に『桂に手紙を渡してくれ』と頼んだ。いよいよ薩長同盟に動き出した事になるが、捨助の『おりょうさんをくれ』という発言にはびっくり。この男、いったい今後はどういう人生を歩んで行くのだろうか?龍馬も龍馬で、それはおりょう次第…という発言をしたのはびっくり。滝本捨助には今後も驚かされる事だろう。
E見たかった…
斎藤が屯所に戻り、つねの顔を見てびっくり。そして以前借りたお金をすぐさま返したのであった。さすが義理堅い男。また、『あれは妻の金』と言う勇の器も大きい。そして養子となった周平とも対面するが、『あなたが…』という発言があったように、先日江戸に帰った際に勇はちゃんと養子の件を話していたようだ。でも、養子を迎える件を周斎に話すシーンが見たかったなぁ〜。カットしないで欲しかった。
Fいよいよ騒動だ
勇を追って伏見に行こうと言い出したみつ。お幸と鉢合わせする事になるので、総司は必死に行かせないようにするが、斎藤の返したお金が駕籠を呼ぶ事になってしまうとは。『俺のせいだ…』と落ち込む斎藤だが、これまでにない斎藤で、なんだか可愛かった。西本願寺にいた歳三にも一報が入り、慌てて寺田屋へ。一方の勇は寺田屋でお幸の到着を待っていたが、お幸の好物なんだと大福を買いに出たのであった。いよいよ、大騒動の始まりである。でも坂本龍馬が襲われた”寺田屋騒動”と思った方も多かったはず。
G大声で笑ったぜ
寺田屋に着いたつねとみつを、寺田屋のお登勢が迎えた。『私に任せて』と言うからにはうまくかわすのかと思いきや、勇とつねをいきなり対面させたのであった。思わず、『はめたな!お登勢!』と声をあげてしまった筆者だが、お登勢は源さんがお幸を身請けするという設定に挿げ替えたのであった。大福を食べる源さん、そして、『この年になって初めて恋をしました』とアドリブ。しかし、ここで終わらないのが三谷脚本。そこに飛び込んできた歳三が『この女は俺を追いかけてきたんだ』とお幸を抱き寄せたのだ。『あぁ、ついにバレたぁ〜』と思った筆者だが、ここでも終わらないのが三谷脚本。なんと!源さんと歳三は取っ組み合いを始めたのである。このシーンには大爆笑。久しぶりに大声を出して笑ってしまったのは言うまでもない。それにしても歳三と源さんが、必死に勇を守ろうとする姿勢は素晴らしかった。
Hつねが可哀想
さすがに『もういい。そこまで!』と、勇はとうとう観念した。理由を正直に?話すが、つねから『女同士で話がしたい』と願いがあり、『そばにいられません』というお幸に対して『うちの人が好きになる人です。悪い人はいません。そばにいてやって下さい。よろしくお願いします』と頼むのであった。つねも器がデカいというかなんというか…。でも、『あの人が京にいる間だけ』と約束させたところがせめてもの抵抗か。そして大粒の涙を流すつねであった。なんか可哀想だった。
J完全に別れた2人
坂本龍馬は薩長同盟に向けて動き出した。桂に会って、薩摩と手を結ぶ事を願うが、桂は聞く耳を持たず。今後は長州と薩摩の駆け引きが展開されるが、どこまで細かく描くか注目である。そして、龍馬と勇は寺田屋のお風呂で遭遇。龍馬は『これでおさらばじゃの。今度会うときは敵同士じゃ』と、勇に別れを告げたのであった。2人の道は完全に別れてしまったっ!薩長同盟成立まであと10ケ月。
【来週の展望】
屯所を西本願寺に移す新選組だが、一方で慣れ親しんだ八木邸との別れとなる。最初に迎え入れた時との対比に注目したい。
第33回「友の死」 (8月22日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)の命を受け、総司(藤原竜也)が脱走した山南(堺雅人)の後を追うことになる。出発前、総司は勇から、「草津まで行って見つからない場合は深追いするな」と命じられる。その言葉に総司は、勇と、自分を追手に推した歳三(山本耕史)の“ある思い”を察する。一方、山南は、恋人の明里(鈴木砂羽)と二人連れで、道中を楽しむかのようにのんびりと進んでいたため、すぐに総司に追いつかれてしまう。総司の姿を目にした山南は、潔く自分の運命を受け入れる。京へ戻った山南に、勇は断腸の思いで切腹を申し付ける。永倉(山口智充)と原田(山本太郎)が猛反対し、他の隊士や八木家の当主・源之丞(伊東四朗)らも山南の助命を求める。しかし、歳三はそうした声を抑え、あくまで法度に則って山南に切腹をさせようとする。山南は自分の介錯を総司にしてほしいと願い出る。刻々と切腹の時が迫るが、そんななかでも山南は最後まで隊のことを案じ、若い隊士たちに「隊の活動を書き残し、正しい記録を後世に伝えてほしい」と言い付ける。勇や土方のやり方にどうしても納得のいかない永倉と原田は、見張り役の島田(照英)を欺いて山南を逃がそうとする。それを拒否した山南は、逆に、自分亡き後の新選組を頼む、と二人に後を託す。やがて、切腹の刻限が訪れる…。
【牛嶋のズバリ感想文】
まず訃報から。数々の時代劇の脚本を手掛けてきた杉山義法氏(すぎやま・ぎほう)さんが、急性くも膜下出血のため死去されました。享年72歳。NHKの大河ドラマ『天と地と』『春の坂道』や、新大型時代劇『宮本武蔵』、日本テレビ年末時代劇『白虎隊』などを手掛けられた杉山さん。筆者の大好きな脚本家でした。ご逝去を悼み、ご冥福をお祈り申しあげます。
さて、今週の新選組がらみの話題だが、まずは伊東甲子太郎の手紙が見つかったという記事が読売新聞に掲載されていた。これは某大学教授が確認したもので、手紙は勤皇派の公家・大原三位とみられる北山御殿様あて。1867年(慶応3年)2月、伊東が新選組から分派する前後に書かれたらしい。北方領土が外国に侵されると懸念し、フランス寄りの慶喜を批判するなど、勤皇攘夷の志士・伊東甲子太郎の思想を裏付ける内容になっているとの事。確認した大学教授は、新選組を乗っ取ろうとした悪役のイメージの強い伊東だが、外交には具体的な展望を持っていた優れた人物像が浮かぶと分析。なお、この手紙は来月刊行される『坂本龍馬と新選組(講談社)』で紹介されるらしい。
そして日本経済新聞に堺雅人さんのインタビュー記事が紹介されていた。特に新選組に関する内容はなかったが、20歳の時に大学を中退し、劇団の活動に打ち込む事になったが、お金には大変苦労したそうだ。今は借金もなく芝居だけで生活出来る事を幸せに思い、ギャラは次の仕事の準備につぎこんでいるとの事。例えば、次に演じる役が車に乗る人なら車を、家を持つ人なら家を建ててみたいといった感じで、出来る事ならお金に糸目をつけずに完全な準備をしてみたいとの事。そして、"僕に出来るのは、自分の手の届く範囲の事に責任を取る事だけです。ある役をやれと言われたら、自分のキャパシティーを広げて何とかその役柄に近づく努力をしたい。ベストを尽くす姿勢が大事なんです。自分にとってリアリティーのない役は出来ませんから"という言葉で締めくくられていた。満面の笑みを浮かべた堺さんの写真も掲載されていたが,経済紙にも登場するとは、堺雅人さんが、今、いかに注目を浴びているのか改めて分かった。11月からは舞台の仕事が待っているが、今後ますますのご活躍を祈りたいものだ。さて、そんな堺雅人さん演じる山南敬助最後の『新選組!』がやってきた。それでは今回の感想です。
@泣かせるぜ!
冒頭から山南の笑顔が映し出された。今日死ぬのが分かっているだけに、これは視聴者にとっては辛い演出だった。あの顔、あの目、あの雰囲気…全てが山南敬助だった。その山南が死ぬ…この笑顔はもう見られない…そう思うだけで涙がこぼれ落ちてきた。そんな山南の視線は明里に向けられていた。無邪気な明里を見つめる山南。その目はとても優しい目だった。しかし、やはり悲しげだった。先を急ごうとする山南だが、『お腹減った』と明里は歩を止めた。『急がなくてはいけないのに…!』山南が今置かれている状況を説明したくても出来ない"苛立つ筆者"がいた。そんな中、山南はしょうがないなぁ〜とばかりに笑顔で応対。先に歩を進めるより、明里の無邪気な顔を少しでも見ていたい…そんな気持ちの山南がいた。
A誰もが同じ気持ち
総司が馬で山南を追っていた。『なぜ、そんなに早く来るんだ!』またもや苛立つ筆者。総司を追っ手として指名したのは勇だった。『草津から先は道が2つに分かれている。そこを越えると連れ戻すのは難しい。俺がなぜお前を行かせるか?その意味を考えてみろ。草津まで行って山南さんに会えなかったら戻って来い』そう総司に言った勇。視聴者の誰もがその意味を知っていた。勇は険しい顔で総司を追わせたが、『山南さん、頼むからここに戻って来ないでくれ』その思いでいっぱいだっただろう。一方、のんびりしている山南。『早く行け』とまたも苛立つ筆者。その場にいたら、着物を引っぱってでも連れて行った事だろう。しかし、故意にのんびりしていた訳ではなかった。後方を気にする山南。そこへ予期していたかのように総司が現れた。総司の姿を見ると目をつぶり覚悟を決める山南。そしてすぐにそれは笑顔に変わった。『山南ぃ!』筆者の悲痛な叫び声が響いた。
Bいとしき友はいずこに…
ぼーっとした表情で馬に乗っていた総司。その顔からは、ただ馬を走らせているだけといった感じで、山南を探そうという考えは全くなかった。むしろ、人を見ないようにわざと視線を下げていたと思われる。しかし、そんな総司に山南は『沖田くん、ここだ!』と声をかけた。まるで友に話しかけるように…。その表情は脱走者の顔ではなかった。山南の声に、落胆した顔に変わった総司。山南も友を待っていたかのような顔で、追っ手の姿を見たら自分から出る…そう決めていたのだろう。こうして大河ドラマ新選組!の第33話が始まった。テーマの♪いとしき友はいずこに…♪この歌詞が一段と心に響いた。
C潔い?冗談じゃない
山南は大津で総司に追いつかれた。草津までは目と鼻の距離だから、あと少しの所で総司に追いつかれた事になる。『私と会わなかった事にして江戸に行って』そう言った総司の言葉を遮って、『そういう訳にはいきません』と答えた山南。なんと潔いのか?でも、これほど、"潔い"という言葉を恨んだ事はなかった…。山南は、明里に京に戻る事を告げた。同時に『あなたは付いてくる事はない。丹波に帰りなさい』と、明里を身請けした事も打ち明け、『あなたに感謝しているんです』とそっと抱きしめた…。ここ数ヶ月間、山南の心を癒し、孤独な中で大きな支えとなった明里。山南とは正反対の性格だが、山南にはない楽天的な部分が心をとらえたのだろう。
D申し付ける方にも覚悟が必要?
今週は先週から2日後の1865年(元治2年)2月23日を描いた。新選組の屯所に戻った山南を、勇は鋭い目つきで見つめていた。『我らの気持ちをなぜ察してくれない?』と勇。言うまでもなく、初めから逃げて欲しいと思っていたのだ。出来れば追いかけたくなかっただろう。『悔やんでも悔やみきれない』というのがまさしく勇の心情だが、法度に背いた以上、新選組局長として切腹を申し付けるしかなかった。『覚悟しています』と言う山南だが、勇に申し付ける覚悟など出来るはずがない。まさに苦渋の決断となってしまった。奇しくも2年前のこの日は、勇らが京に到着した日だった。『2年もの長い間京にいるとは思わなかった』と山南。数々の出来事が走馬灯のように蘇った事だろう。しかし不幸にも『ここには私のいるべき所はない』と言わせるようになってしまった。法度は法度だが、管理不行き届きで、自分の方こそ切腹すべきだと思った事だろう。戸を開けた勇。心の中で『逃げてくれ』そう思っていた事だろう。一方、戸を閉める山南。『私は試衛館の門を叩いた事を少しも後悔はしていませんよ』その顔はとてもさわやかだった。
E歳三の言葉は最大の敬意
なぜ切腹か?と永倉と左之助が異を唱えた。隊を勝手に離れたのだから切腹という事は分かっているが、ここまで新選組に貢献してきた山南だけに、納得がいかないのは誰しも同じ事。歳三は、『情に流された事になる。一度許せば、隊はバラバラになる』相変わらず厳しい口ぶり。しかし、これは覚悟を決めた山南に対して最大の敬意を表した言葉でもあった。伊東甲子太郎が口を挟むが、『新参者は口を挟まないでくれないか?』これはまさにその通り!勇や歳三がどんな気持ちでいると思うのか?この男は全く理解していなかった。山南脱走の理由として、伊東入隊説もあるが、今回のドラマを見る限りでは、こんな男が入ってきた事で脱走する山南ではない!と大きな声で言いたい。
F歳三が一番…
隊士が集められ、"今、我らに出来る事は武士にふさわしい最期の場を用意してやる事だけだ"と山南の処分を正式に決めた勇。松原らが助命を嘆願するが、『うるせんだよ、お前ら。一緒に腹切りたいのか!』と怒鳴りつけた歳三。八木源之丞も『死なしたらあかん』と訴えていたが、『それはあなたが言うことではない』と一喝。実は誰よりも歳三が、山南の助命を願っていたのだ。
G総司以外は考えられない
介錯を『出来れば沖田くんに…』と願い出た山南。『試衛館で最初に試合をしたのは彼でしたから』というのが理由だが、あの総司がこてんぱにやられて落ち込んでいたのが思い出された。『私の好きになった人はみんな私の刀で死んでいく。私はそのために剣を学んできたのではない』と嘆く総司。死に水を取るという意味とは違うのかもしれないが、誰よりも総司の剣を認める山南の介錯は、総司以外には考えられなかったのである。
H悲しい時代
山南は最後まで隊のことを案じ、若い隊士たちに隊の活動を書き残して、正しい記録を後世に伝えてほしいと言い付けた。特に河合には、金の出入りは事細かく記録するよう伝えたが、まさかその後、50両不足が露見して処刑される事になるとは…。もちろん、河合が使い込みをしていた訳ではないが、純粋さ、真面目さを持った男がバカを見るのがこの時代なのか?あまりにも悲しすぎる。
I早く逃げて!
永倉と左之助が、監視役の島田に『土方さんがお呼びだ』と声をかけ、山南を逃がそうとした。しかし『私は逃げない』と拒否。武士としての最期をまっとうしようとする山南の姿勢は素晴らしい。でも、『そんな事はどうでもいい。早く逃げて』とテレビを見ていた誰もが思った事だろう。歳三は島田を呼んだ覚えはなかったが、『あぁ、思い出した。呼んだのは俺だ』と島田を呼び止め、『この隙に逃げろ』と心の中で強く訴えていた事だろう。しかし、山南には全くその気持ちはなかった。そして『これからの新選組と近藤さんを見届けて欲しい。局長のそばにいて欲しい』と永倉、左之助に伝える。もう永倉、左之助は山南に何も出来なかった。
J観柳斎の欠点?
観柳斎は1人書物に目を通していた。『石田散薬は身長が伸びる』という言葉に無頓着に反応し、山南の事など考えるよしもなかった。彼にとっては『法度に背いたんだから仕方がない』という感情しかなかったのだろう。今のこの男には"友"という言葉は存在しなかったが、これが彼の最大の欠点だったのかもしれない。
K隙がないぞ
山南の脱走は、土方が山南を恨んでいたのが原因?そう察した永倉は、『土方さんが嫌いになっていく』と口にした。しかし、『それは違う』と反論したのは斎藤だった。不逞浪士の取締りの際、山南の危機を歳三が助けたのを目撃。2人はお互いを敬い、認め合っていた…との事で、身を持って2人の関係を理解し、珍しく感情を表した。『法度に背いた者は切腹。それだけだよ』と言うように、もうどうする事も出来ないこの状況を、ただじっと耐えるしかなかったと思われる。そして、次に山南の元を訪れたのは源さんだった。『またですか?』と言う島田だが、島田はこの状況が飲み込めていなかったらしい。源さんの用事は山南に食事を運んできた事だった。『山南さんの好きなものを揃えてみました』と源さん。『腹を切った時に見苦しい事にならないですか?目で楽しませて頂きます』と山南。『これは持って行って』と握り飯を持って行くよう告げると同時に『島田くんを呼び戻すのも忘れないで』と言う山南。何をしても無駄だったようだ。隙がないぞ!山南!
Lううう…
丹波に帰ったはずの明里が山南を訪ねてきた。『どうして戻ってきた?』『一緒に行こう』と、しばらく2人のやりとりが展開されたが、食い下がる明里に『わがままを言うな!』と山南が怒鳴った。でも次の言葉からはいつもの山南に戻り、『必ず迎えに行くから』と約束。『一緒に富士山を見に行こうな。きっとやで。忘れたらあかんで』という明里が山南に抱きついた。勇は堪えきれずに退席したが、本当に辛いシーンだった。思えば昔、太陽にほえろで、以下のようなシーンがあった。妻が死んで片親となった父親が、ふとした事件に巻き込まれ刑務所に送られる事になった。そんな事を全く知らない幼子は、『お父さん、どこ行くの?早く帰ってくるよね?あとで遊んでね。きっとだよ』と指きりげんまんするシーンだったが、状況こそ違うものの、筆者には同じようなシーンに思えた。ううう…泣かせる!
M何から何まで…
"その時"が近づいていた。隊士はみんな浅葱色の隊服でその時を待っていた。時間よ止まれ!いや、巻き戻ししてくれ!そんな心境だっただろう。一方の山南は白装束(死装束)。そんな中、山南の待つ部屋の格子を叩く音が…。明里だった。冒頭で『菜の花はこの時季には咲かない』と言った山南だが、『そこに咲いていた』と持って来たのだ。『今頃でも咲く事があるんだ。私の負けだ』と、山南の明里を見る目は相変わらず優しかった。最後まで『待ってるからな』と言い続けた明里。しかし、切腹する事はその身なりからは把握していた。『人の道に背いたわけではない』という山崎の言葉の後が素晴らしかった。『安心した。うちが泣いたら、あの人悲しむだけたろ。うちはそれほどアホやないもん。騙してやった。案外、あの人も信じやすいんやな。アホや』と涙。何から何まで泣かせるシーンだった。
N見事な最期
山南が待つ部屋の戸が開けらた。とうとう"その時"が来た。歳三と対面した山南は、『君は正しかった。私を許せば隊の規律は乱れる。腹を切れば隊の結束はより固まる。それが総長である私の最後の仕事です』と、最後のメッセージ。それを歳三はどう受け止めただろうか?でも、葛山を死に追いやった歳三の行動を全て肯定していたのではないはず。そして1865年(元治2年)2月23日七ツ刻、勇らの目の前で、新選組総長・山南敬助切腹。真一文字に切る見事な最期だった。そして筆者の目からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた。
O日本中が号泣!
山南が最期を遂げ、勇と歳三は悲しみの中にいた。言葉を交わさず、ただ一点を見つめる勇と歳三。そこに伊東がやってきて、『山南くんをしのんで一句詠ませてもらった。"春風に〜"』と一句詠んだ伊東。筆者は『冗談じゃない』とメモを取る気になれなかった。さらに『心中察して余りあります』の言葉。そこで勇の『あなたに何が分かるというのだ!』と一言。その通り!『お前には何も分からない!消えろ!』日本中の誰もが思った事だろう。そして勇と歳三は号泣…。今はただ泣くしかなかった。
P最後に…
今週の内容はパーフェクトだったと思う。脚本といい、演出といい、とにかく完璧な出来だったと思う。これは自信を持って言える。そしてもうひとつ言える事がある!堺雅人さんを超える山南敬助はもう出てこないだろう。心からそう思った。山南敬助よ、あなたの事は永遠に忘れない。ありがとう。そして、さようなら!
【来週の展望】
来週は寺田屋騒動が描かれるようだ。『おおーっ!具体的には?』と思ってNHKの公式サイトを見たら、寺田屋騒動は寺田屋騒動でも、別の?寺田屋騒動のようだ。”大騒動”と付いているのがミソなのかっ?なんでも深雪太夫を身請けするとの事。あらすじに”ついに”とあるが、正直言って『前段階もないのに、何がついになの?』と思ってしまった筆者。来週はもしかしたら厳しい事を書くかもしれない。
【番外編】
最後に一言。確かに今回はパーフェクトな内容だったと思う。しかし、ここ数週の歳三の行動と山南への仕打ちは、今回とはあまりにもギャップがありすぎると思う。そんな中、『歳三は山南を信頼していた…』『山南だからこそ歳三も言えた』と言う方もいらっしゃるでしょう。でも、ドラマを見る限り、山南を隅っこに追いやったのは土方歳三であるのは事実で、筆者には良いように深読みする事は出来ませんでした。もちろん、山南の脱走の理由はそれだけではないでしょうが、ここ数週と今回の歳三には、無理があったように思えて仕方がないのです。一方で、そうしか感じられない筆者の感性が乏しいのかなぁ〜とも思ってますが…。
第32回「山南脱走」 (8月15日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)は、自分の留守中に隊士を切腹させてしまった歳三(山本耕史)を強く責める。歳三の強引なやり方に、山南(堺雅人)や永倉(山口智充)らも一層不満を募らせていた。また、江戸から門人たちを引き連れて伊東甲子太郎(谷原章介)が新選組に加わる。勇の絶大な信頼のもと、伊東は新選組の参謀に就任するが、当の伊東は、新選組を自らの野望実現のために利用しようと密かに企んでいた。歳三から、手狭になった屯所を西本願寺に移すという計画が発表されるが、隊内で意見が割れてしまう。山南は由緒ある寺院を力で制することに反対し、永倉も山南の意見に同調する。結局、山南も弁が立つ伊東に言い負かされ、屯所の移転話が具体的に動き始める。一方、会津本陣では、藩主・松平容保(筒井道隆)の呼びかけで勇や見廻組の佐々木(伊原剛志)、薩摩藩の西郷(宇梶剛士)らが集められ、時勢について意見が交わされる。そこで勇は、亡き佐久間象山ゆずりの攘夷論を述べる。新選組の中に居場所を失い虚無感を募らせていた山南は、江戸に戻ってもう一度己の進むべき道を考えたいと話すが、歳三は、その願い出を拒否する。歳三には、隊内での台頭著しい伊東に対抗するためには山南が必要との思いがあった。やがて、覚悟を決めた山南は、恋人の明里(鈴木砂羽)を連れて京の街から姿を消す…。
【牛嶋のズバリ感想文】
スカパーの『時代劇専門チャンネル』を楽しんでいる筆者だが、これが月額500円と非常に安い!また定期的にアンケート調査をして、視聴者が見たい時代劇をリサーチしている点も素晴らしい。先日もアンケートのお礼にと500円のクオカードが送られてきたが、視聴者を大事にしている姿勢にとても好感が持てた。そんな『時代劇専門チャンネル』で現在、『赤胴鈴之助まつり』と題して、梅若正二出演の映画やテレビアニメを放送している。中でもアニメは月〜金まで1日2話づつ放送しており、その1話1話がとても面白い!子供の頃に見たアニメだが、当時は何の問題意識も持たず、ただ楽しい漫画という認識でしかなかった。しかし、今見るととても刺激的で、鈴之助の入門した所が北辰一刀流の千葉周作の所である事。千葉と鈴之助の父が昵懇であった事。真空斬りは父親がかつて使っていた技であった事。そして何より『おおっ!』と思わせるのは、千葉周作の技が何度となく披露される事だ。もちろん、脚色が思いっきり入っているだろうが、さすが千葉周作!と唸らせる事が多いのはたまらないもの。もちろん、鈴之助も人一倍努力した少年である事も見逃せない。『武田信玄』終了後は『赤胴鈴之助』に思いっきりハマっているが、鈴之助のライバルである龍巻雷之進の声を、巨人の星で左門豊作を演じた兼本新吾さんが担当しているのも見逃せない。しかも、左門と同じく熊本弁というのが面白い。とにかく今後も『時代劇専門チャンネル』が見逃せない!これをご覧の方も是非どうぞ。さて、今週の感想にいきましょう。
@甘い勇と周平は?
冒頭でここ数週のあらすじを紹介した後、画面は勇の激しい形相が映し出された。葛山の切腹は勇のいない間に起こった事。怒るのは当然と言えば当然だ。しかし、勇の言葉に反して『甘すぎるんだ』と歳三。勇の目がどんどん涙目になっていったが、例え総司や勇であっても脱走は許さないという歳三の気迫に押されてしまったという感じ。徹底して法度に則ろうとする歳三は、厳しすぎる感がしないでもないが、『俺でもか?』と聞く勇はやはり甘いぞ!でも、局長の許可なく1人の隊士を切腹に追い込んだ歳三だって、何らかの責任を問われるはず。『お前こそ切腹だ!』と言ってもいいくらいだ。それを言えないのが良い意味で勇の弱い所か。それはそうと、今思い出したが、江戸に養子の周平を連れて行かなかったのはなぜだろう。話題にも上らなかったのはおかしい。もしかしてカットされた?
A伊東の行く末
伊東甲子太郎が新選組に入隊した。勇の前ではホントにさわやかで、頼りになる男という感じ。歳三はいち早く嫌悪感を示したが、この2人はどう見ても相性が合うとは思えない。早々と参謀に就任した伊東は、門弟達の前で恐るべき野望を口にするが、その顔は勇の前で見せる善人の顔ではなかった。入隊はカタチだけで、あくまでも新選組を利用するのが目的の伊東。今後のワルぶりに注目だ。そして新選組を乱したのは間違いない事実であるから、入隊を後悔させるような殺し方を望む!もう伊東に対する勇の擁護する発言はいらない。それはそうと、印象だけで『苦手なやつ』と評した歳三にも疑問。歳三は手下になる人材は求めていたが、同格になる人間は求めてなかったという事なのだろう。
B飛び過ぎ?
今週は1865年(元治2年)2月21日を描いた。先週が9月9日だったから、一気に5ケ月も進んだ事になる。『ちょっと飛び過ぎじゃねーか』と思うが、作る方にも事情があるだろうから、ここは指摘するのはやめておこう。筆者も番組作りを仕事にしているが、限られた回数の中で、なんでもかんでも取り上げるのと、ピックアップしてじっくり描くのと、作り方にもいろいろパターンがあるものだ。今年の大河は近藤勇の49日を描いているのだから、この位飛ぶのは仕方がない。でも山南にとってはこの5ケ月は辛い日々だっただろう。
C捨助の今後は?
捨助が大活躍だ。桂に会えるのは自分だけだと偉ぶり、袖の下も…いや、(捲くっていたので)腕が伸びる伸びる…。そこへ新選組が登場。顔を隠して逃げる捨助は、ボロボロの格好をして潜んでいた桂に次の仕事を依頼される。それにしても今後捨助はどうからんでくるのだろう。架空のキャラだけに先が全く読めないっ!新選組を裏切るような事はしないと思うが、意味のある人物設定にして欲しい。
Dあきらめた山南?
隊士が膨れ上がった新選組は、屯所を引っ越さざるを得ない状況になっていた。歳三の提案は西本願寺だった。長州とつながっていると思われる場所を押さえる意味もあったが、それに対して伊東は賛成。一方、山南は異を唱えた。永倉も山南を支持するが、由緒ある寺院を生臭い事で汚すのは?という理由に伊東が反論。カタチ上は山南の負けとなったが、山南の知識からして決して言い返せなかった訳ではないだろう。むしろ、これ以上言っても無理と思ったのではないか?のちに詰めが甘いと山南を評した伊東だが、『山南はお前なんぞに負けないぞ』とテレビを見ながら反論してしまった筆者であった。それはそうと先日京都旅行を楽しんだ筆者。八木邸、西本願寺の位置関係が、自らの足で把握出来たのは貴重だった。
E山南の死をどう受け止める?
伊東が歳三に、新選組の人間関係や山南について語りだした。これを見て『昨日今日のやつが偉そうに…』と思った筆者だが、それに歳三が言葉をつけ加えてくれた。『山南の悪口は言って欲しくない。好きではないが、付き合いが古い。昨日今日のヤツよりは遥かにまし』これを聞いて筆者は拍手を送りたくなった。歳三のやる事は確かに理不尽かもしれないが、山南をかばう姿勢を見せたのは嬉しかった。これも生え抜きという点がポイントか。でも、伊東に対抗出来るのは山南しかいないからという理由だけであるなら、これほど悲しい事はない。来週、歳三は山南の死に号泣するらしいが、山南の死をどのように受け止めるのだろうか。自分が死に追いやったと悔やむのか?いや、悲しみながらも、やはり脱走するヤツが悪いと鬼になるのか?
F勇は自分の道をまだ悩んでいる?
京都所司代で容保の弟である松平定敬が登場。容保は西郷、佐々木、勇を呼び寄せ、定敬を紹介し、これから考えねばならぬ事として意見を聞いた。『太ってきたから正座がきつい』と胡座をかき、質問を聞いていなかったと…西郷の考えている事はよく分からない。桂がなかなか信用する事が出来なかったのも分かる気がする。勇は『異国人は日本を滅ぼす気はない』と松本良順の話をするが、佐々木に実情を知らぬ学者のたわごとと言われる始末。容保はそれを黙って聞いていたが、良順の話は、今はまだ夢物語に過ぎなかったのは事実だ。でも、松本の話をそのまま容保に話すとは…勇は今、何を思う?まだ悩んでいるのか?
G山南は駒?
寺田屋で昼間から酒を飲んでいた龍馬を山南が訪問した。自分の進むべき道について助言を求めに行ったのだろうか?しかし、勝海舟が軍艦奉行をお役御免になり、日本の未来に失望した龍馬からは、何の助言も得られなかった。もうここは1人でじっくり考える時間が必要と感じたのか?山南は屯所に帰って、歳三に休暇を願い出る。仮の話…とは言うものの、それは本心であった。『今、隊を離れてもらったら困る。局長が許しても副長の俺は認めない』と山南を慰留?する歳三だが、そう言うのなら力でねじ伏せるのではなく、山南の思いを分かって欲しかった。でも、休暇を1人認めたら次々と願い出る可能性もあるし、歳三の判断は間違ってなかったと思う。でも、『伊東に理屈で対抗出来るのは山南しかいない…』と言った歳三は、山南を単なる駒の1つとしか考えていなかったのかっ。嫌いだけど、新選組になくてはならない存在…。このように思って欲しいが…。
H山南よ、急げ!
山南のオアシスはもう明里だけだった。隊の中で誰か頼りになる人はいなかったのか?と思うが、建白書の一件もあったので、勇にも相談出来なかったのだろう。永倉と原田がいるではないか?と思うが、彼らは勇と直に和解しているので、今さら…という感じ。山南はもはや隊を離れる事でしか悩みが解消出来ないと悟ったようだ。そんな中で『富士山が見たい』と言う明里。ますます山南の心は脱退に傾いて行った。屯所に戻ってから勇に告げた『己の信ずる所に従って生きて下さい』の言葉は勇への別れの言葉だったのか?そんな中、永倉、左之助にだけは告げ、2人の協力で屯所を抜け出す事に成功。しかし、脱走を斎藤に見つかってしまうのであった。ホント、この男はおとなしいながらも要所要所でいい役をしている。この事件にはどうからむのか?そして1人稽古に励む総司にも『剣先が下がっている』と山南らしい最後の言葉をかけ、隊を離れたのであった。なんと!明里と一緒にだ。『山南よ、急げ!』筆者は心でそう叫んでいた。
Iはっきりと見えない
山南は朝になっても屯所に帰らなかった。それだけで脱走と決め付けるのはいかがなものか?と思うが、暇が欲しいと言って来た事と、荷物が無くなっていた事で脱走と断定。勇は『脱走したものは連れ戻す。それが法度だ』と総司に連れ戻すよう指令を出すが、ここで筆者は、『冒頭で歳三に(切腹は)当たり前だろ…と言われたからではないよな?』思わず勇に話しかけていた。冒頭から近藤勇を厳しく書いたが、ドラマでの主人公であるという部分で、キャラ設定が今でも中途半端になっているのは否めない。でも、人の良さを表現するだけでは物語に限界がくる。実際の所は歳三の徹底ぶりにも『お前は〜!』と怒鳴りつけるのではなく、『トシよ、まぁまぁ〜』と諌めただけだったに違いない。筆者は何も実際の近藤勇を描け!と言っている訳ではない。でも、最大の権限を持っている局長だけに、部下に言いくるめられる存在にはなって欲しくない。素直なのはいいが、素直過ぎるのはいけないと思う。厳しいようだが筆者の目からはまだ近藤勇がはっきりと見えない。
【来週の展望】
ついに山南が切腹する。今回だけでも切なくなってしまったが、来週は切ない感情を超えたものになるであろう。既に予告で山南の切腹する様子が描かれていたが、『この1週間の間にもっと遠くへ歩を進めろ!』と言う筆者がいる。まだ史実は変えられる…しつこいくらいにそう思った。
第31回「江戸へ帰る」 (8月8日放送)
【物語】
勇(香取慎吾)は、松平容保(筒井道隆)の命により将軍上洛を幕閣に談判するため、永倉(山口智充)らを連れて江戸へ向かう。勇が永倉を同行させたのには、先日の‘建白書’の一件以来ぎくしゃくしがちな隊内の空気を察し、永倉と歳三(山本耕史)を一時的に引き離そうというねらいもあった。その頃、龍馬(江口洋介)は薩摩藩の大島吉之助(=後の西郷隆盛/宇梶剛士)を相手に、長州や会津らと手を組んで強い日本を作り上げよう、と説得を試みていた。江戸に到着した勇は試衛館を訪ね、つね(田畑智子)や
みつ(沢口靖子)、周斎(田中邦衛)、ふで(野際陽子)ら懐かしい面々と再会する。その後、松前藩邸を訪ねた勇は、老中格の松前伊豆守(大石継太)に将軍上洛の件を切り出すが断られてしまう。伊豆野守が内々に語った、その“理由”に、勇は言葉を失う。一方、勇のいない京では隊の引き締めを図ろうとする歳三が建白書の一件を“謀反”と決め付け、山南(堺雅人)の反対を押し切り、下書きした(平畠啓史)を切腹させる。仲間内の争いに終始する新選組に対する山南の思いは急激に冷めていく。そんな時、偶然出会った遊女のおすず(鈴木砂羽)に山南は心惹かれていくが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
まず、筆者多忙の為更新が遅くなった事をお詫びいたします。即日更新を目指しているのですが、今後なんとか頑張りたいと思います。さて、休みを利用して京都を訪問。新選組ゆかりの八木邸、角屋、池田屋跡などを見てきた。中でも八木邸は大人気で、朝早く行ったにもかかわらず、行列が出来ていたのにはびっくり。ガイド、屯所餅、抹茶付きで1000円だったが、ガイドさんに『芹沢が殺された場所はこのへん』と具体的に示されたのはとても刺激的だった。ガイドさんはしきりに『大河ドラマとは違いますが…』と言いながら説明していたが、確かに八木ひでの存在や芹沢の死に方は違う。永倉も芹沢が新選組によって命を奪われた事もかなり後になってから知ったらしい。『いいじゃん、ドラマなんだから…』と思いながらも、史実の重さを感じた。
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屯所前は大行列 |
池田屋跡です |
池田屋跡も今はパチンコ店になっているが、大勢の観光客が石碑の写真を撮っていたのも印象的。京都御所の広さにはびっくりさせられたが、蛤御門は意外に小さかったなぁ〜。坂本龍馬が暗殺された近江屋跡は旅行代理店になっていて、繁華街に写真を撮るのに苦労した(笑)。それと筆者は、島原は遊郭と思っていたが、ガイドさんは『遊郭ではありません』としきりに否定していた。う〜ん、よう分からん!分かる方は教えて下さい。今回は壬生、島原、四条などを周ったが、時間の関係で全て周りきれなかったのが残念!次回はスケジュール表を作って今年中に再度行こうと思う。と同時に、このサイトに遊びに来てくれる方だけで集合出来ればと思った。機会があれば是非よろしくお願いします。それと気になったのが、現地の新選組に詳しい人が大声で『坂本龍馬と近藤勇が一緒に黒船を見に行くわけがない』と観光客に大河を否定する発言があった点だ。思わず『大河ドラマのお陰で繁盛しているんだろう!』と突っ込みを入れたくなったが、地元の方にはくれぐれも暴言は謹んでもらいたいと思った。
さて時代劇に関するニュースだが、『時代劇専門チャンネル』で放送されていた『武田信玄』が終了。10月から渡辺謙主演の大河ドラマ『炎立つ』が放送されるとの事。それと現在放送中の『赤胴鈴之助』は面白い!これは来週書く事にしよう。さぁ、それでは今回の感想文にいきましょう。
@鬼の局長?
冒頭は先週のおさらいや解説ではなく、いきなり本編からのスタートだった。江戸に行って欲しいと容保に頼まれた勇だったが、その用件とは長州を打ち滅ぼすため、上様に上洛してもらうよう老中に談判して欲しいとの事だった。その際、"新選組の鬼局長"と容保は言っていたが、こんなに人の良い人が鬼か?と筆者は思ってしまった。少なくとも今年の大河において"鬼の局長"という形容はふさわしくないのでは?
A江戸に帰った事が間違い?
江戸に行く事になった勇だが、帯同する人間として永倉を指名した。山南が『永倉を連れていくのは正解。土方君とは離しておいたほうがいい』と言っていたが、勇が永倉を帯同したのは明確にされていなかった。半ば山南の察した通りのようになっていたが、史実では永倉が松前藩士だったからという事らしい。それは確かに理にかなっている。一方で歳三と山南を残す事になってしまったのは誤算だった。永倉と歳三より、歳三と山南を離すべきだったのでは?いや、勇が江戸に帰ったのがまずかったのかも。
Bもっと新選組を…
龍馬が薩摩の西郷(大島)の所に出向き、『長州、薩摩、会津で将軍家を盛り立て、強い日本を作る』と訴えていた。今後、薩長同盟に至る経緯が描かれるだろうが、その部分をあまりじっくり描きすぎると、主役である新選組の物語が薄くなってしまう恐れがある。国の動きは確かに大事だが、正直言って前半のんびりとしたツケがここにきてたまっている気がする。国の動きは軽く描き、出来るだけ新選組の身の周りに起きた事件を細かく描いて欲しいものだ。
C可愛いたま
今週は1864年(元治元年)9月9日を描いた。先週から20日後になるが、江戸に着いた勇を近藤家、佐藤彦五郎、沖田みつらが出迎えた。約1年半ぶりの帰郷となるが、その間に起きた池田屋事件など、新選組の活躍は江戸にもしっかり伝わっていた。"多摩の誇り"と言われていたが、その言葉には間違いないだろう。つねも安心した様子で勇を見つめていたが、『総司は元気?』と言うみつの問いには『頑張っています』と答えた勇には力強さは感じられなかった。そしてたまとの対面。メッチャ可愛いたま。『こんな可愛い子が、げんこつくわえて寝るわけねーだろ!』と思って見ていたが、この子を残して逝ってしまうなんて…筆者の心の涙がこぼれ落ちた。
D山南のピンチ
勇らは松前伊豆守に目通りし、将軍の上洛を願い出た。しかし、支度金が出ないからという理由で断られ、さすがの勇もあきれ顔。松平上総介にも再会するが、こんなヤツはどうでもいい。書くに値しないからやめておこう。その頃、京では歳三が謀反人を処分する意向を示していた。『ここで引き締めておかないとまた起きる』との事だが、『起こらないようにすればいい』と反発した山南の言う事は最もだった。結果的に葛山を処分する事になるが、『建白書を書かせたのはあんただ』と山南を名指ししたように、処分は山南への見せしめだったのでは?でも、山南がいくら反論しても、建白書の存在は消えない。さすがの山南もピンチに陥ってしまった。
Eオダギリさんに期待
謹慎部屋では狭い部屋に数人。それぞれが適当に過ごしていた。そんな中、『会津公に目通りした時になぜ局長がいたのか?』と疑問を斎藤に投げかけた葛山。『俺じゃない』と斎藤は否定したが、ここまで平常心でいられる斎藤は只者ではない。筆者はこのオダギリさんの淡々とした演技が好きだが、感情の入らない、ある意味抜けた口調は良い意味で不気味だ!オダギリさんは筆者の住む岡山県出身という贔屓目もあるかもしれないが、今後もオダギリさんに期待!
Fん?もう山南脱走?
一人悩む山南は『本を買いに…』と外へ出ようとするが、そこで総司に『おたふく行きませんか?』との誘いが。筆者は、まさの店が"おたふく"という名前である事をここで始めて知ったのであった。(前に名前出ていましたっけ?)そこでお汁粉を食べる女性と出会うが、その女性こそ山南の恋人になる明里であった。出会ったのが本当にこの時期だったのかは分からないが、山南がまもなく脱走する事を考えると短い恋だった事になる。ん?でも脱走は確か2月の事だったはず。そう思うと勇が江戸に帰ってから、山南脱走までの時間が空きすぎのような…。すると、大坂の豪商からの借金、ぜんざい店石蔵屋襲撃事件は描かないのかっ?それはそうと、明里という名は山南の命名だった。『あなたの里にも明るい日が指す事を祈って』との事だが、『さんなんよ、なかなか俳人じゃのぉ〜』と筆者は関心しながら見ていた。
G当時は異国人、今だったら火星人?
勇は医者の松本良順に総司の病状を相談していた。明らかに労咳であり、喀血したら今の医学では難しいとショッキングな話を耳にする事になった。そんな中、『医療道具は外国から持ち込んだもので、西洋のものを使っている。世界と断ち切ったらおしまい』という思いもしない事も知る事になった。『それでもあなたは攘夷をよしとするんですか?』この言葉は重かった。今こそ国際化社会が当たり前だが、当時は"攘夷"としか考えられなかったのだろうか?今に例えると、火星人が地球上陸を望んでいるようなものか?う〜ん、そうなったら攘夷に間違いないが…。
H鬼の副長のオアシス
謹慎中の隊士の名を前に、歳三は決意を固めた。源さんが『お決めになられたんですね?』と声をかけるが、そこで『人にどう思われようと構わないが、源さんには分かってもらいたい』と歳三の本音も出た。『俺も甘いな』と自分を恥じる歳三だが、歳三の人間らしさが垣間見られたこの演出は良かった。でも、源さんの存在は良い。源さんの存在は明らかに他の隊士とは別格だ。鬼の副長の唯一のオアシスだったのかもしれない。
Iなぜ?と言いながら死んでいった隊士達
歳三は葛山に切腹を申し付けた。『土方!』『山南に会わせろ!』と声を荒げる葛山に、『お前のその姿を見て安心した。なんの覚悟も信念もなく謀反に加担するとは生きるに値せん』と言ったのはきつい言葉だった。そして介錯はなんと謹慎中の斎藤。自分を陥れた男に介錯されるとはなんたる屈辱か。でも、このように『なぜ、俺が死ななきゃいけないの?』と疑問を持ちながら死んでいった隊士も多かっただろう。次は河合かっ。
J山南よ…
龍馬と山南が再会した。『うまかでごわんど〜』と薩摩弁になっていた龍馬だが、『優秀な人物を集めたら日本は変わる。おまんも一緒に世直しに加わらないか?』と山南を誘う。さらに新選組を『役に立つ連中を斬るだけ』と言った龍馬だが、今の山南にその言葉は重かった。山南よ、何を思う。
K伊東もついに…
江戸で伊東甲子太郎が『お仲間に加わりましょう』と勇に申し出た。その顔は希望に満ち溢れ、まさに善人、これなら勇のよき参謀になるであろうという予感をさせた。しかし甲子太郎の入隊は策略があっての事で、谷原章介さん演じるその後の伊東の豹変ぶりは恐ろしかった。今後、どんな行動に出るのか注目したい。葛山とはケースが違うが、どんな風に殺されるかも楽しみ。楽しみ…と言っては失礼かもしれないが、平助も一緒に命を落とすと思うと…ううう…。
Lついに山南が… 山南が屯所に戻り、葛山が死んだのを知った。そこへ歳三。にらむ山南。そして、『やつを殺したのは俺とお前だ』と一言。もう修復は不可能な状態となった。そして来週、ついに山南は脱走する…。ううう…。
M深雪太夫?
勇は妻のつねにだけはお土産としてかんざしを渡した。なんと優しい男か。つの喜ぶ顔が印象的だった。それはそうと深雪太夫がこの所ご無沙汰だが、彼女の存在がイマイチ中途半端な感じ。大河で描かれている"誠実な勇"には深雪太夫は必要ないような気がするが…。
【来週の展望】
京に戻った勇の行動に注目したい。不在中に起きた葛山切腹事件をどう思うのか?伊東甲子太郎を参謀にしてどんな反発が起こるかも注目。タイトルにあるように山南も脱走する。涙を流す視聴者が全国に何人居ることだろう。筆者も自信がないので、ハンカチを用意して見ようと思う。