このページは、2004年の大河ドラマ『新選組!』を語るページです。

第21回 どっこい事件 5月30日放送 第26回 局長近藤勇 7月 4日放送
第22回 屋根の上の鴨 6月 6日放送 第27回 直前、池田屋事件 7月11日放送
第23回 政変、八月十八日 6月13日放送 第28回 そして池田屋へ 7月18日放送
第24回 避けては通れぬ道 6月20日放送 第29回 長州を討て 7月25日放送
第25回 新選組誕生 6月27日放送 第30回 永倉新八、反乱 8月 1日放送


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第30回「永倉新八、反乱」 (8月 1日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)ら新選組の池田屋での働きに対して、ご公儀から恩賞金が与えられる。ところが恩賞金の分配をめぐって議論が分かれ、結局、戦いぶりに応じて分け前に差をつける歳三(山本耕史)の意見が通るが、隊内に禍根を残してしまう。まさ(はしのえみ)の身を案じて隊を離れた左之助(山本太郎)に対する厳しい処分に続き今回の不平等な恩賞金の分配方法…と、強引な歳三のやり方が気に入らない永倉(山口智充)は勇に直談判する。しかし、隊を思って建前しか口にしない勇に、永倉の不満は募るばかり。さらに、歳三の発案による新しい体制が発表されたことで、永倉の不満が爆発する。自分たちは家来ではない、勇や歳三に権力を集中させて意見の異なる者を遠ざけようとしている ― 厳しく批判する永倉。また、山南(堺雅人)も、試衛館以来ともに歩んできた仲間のことも考えて欲しいと話す。そんな中、勢い余った歳三が芹沢殺しの真犯人が自分たちだと明かしてしまう。勇までが自分を欺いていたのだと知った永倉は激怒し、隊からの脱退を宣言。島田(照英)も永倉の後に続いて席を立ってしまう。そんな二人に山南は、会津藩主・松平容保(筒井道隆)に建白書を提出して容保から勇を諭してもらおうと提案する。建白書を提出した永倉らは、容保との謁見を許される。容保は、命に代えて新選組を正したい、と訴える永倉らをある人物と引き合わせるが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
『時代劇専門チャンネル』で放送されている大河ドラマ『武田信玄』も大詰め。40話を過ぎる頃から咳をし出した信玄は総司と同じ労咳であった。ヘンな話だが、『演じる中井貴一さんが本当に病気なのでは?』と思わせるほど、咳き込む演技は見事で、筆者の中で武田信玄は、もう中井貴一さん以外には考えられない。そうそう、『ファミリー劇場』で現在放送されている緒形直人主演の大河ドラマ『信長 KING OF JIPANGU』が、8月14日から前半の14話が一気に放送されるとの事。筆者はリアルタイムで見ていて『おいおい…そりゃぁ、ないだろ…』と途中で見なくなったドラマだが、せっかくの機会だから改めて見てみようと思う。別の感想が生まれる事を祈るばかりだが…。さぁ、それでは今週の感想にいきましょう。

@しっかり見よう
冒頭は先週のおさらいから。長州が完全に孤立した…とあったが、その後の事を思うとよく巻き返したものである。もちろん長州の力だけでは成しえなかった事たが、時代が長州に味方したのであろう。一方の新選組は地位を揺るぎないものにしたが、これから一気に破滅の道を歩み始める事になる。大河も残り半分を切ったが、一瞬とも目を離さずに見ていきたいものだ。

A今になって龍馬と知り合い説を支持する
本編最初は『みんな、おらんようになってしもうた』と龍馬が嘆くシーンからだった。その横にはおりょうの姿があったが、『うちはどうなるの?』と聞くなど、龍馬とおりょうは既に恋仲になっていたようだ。勝海舟の元へ行く龍馬は、おりょうの身柄を寺田屋のお登勢に預けるが、『近頃はようわからん事を言う』と龍馬を心配する。いよいよ龍馬が長州と薩摩の間に入っていく事になるが、今回思ったのは、龍馬と勇を"知り合い"に設定したのは間違いではなかったという事だ。確かに最初は疑問を投げかけた筆者だが、例え出会いがなかったとしても、近藤勇、坂本龍馬の存在は、それぞれが当然知っていただろうし、きっと『どんなヤツなんだろう』と意識もしていただろう。しかし、2人を知り合いにする事でその部分に厚みが出るし、勇と龍馬の生き方を対比させる事が出来る。強引な設定とはいえ、こうする事によってドラマが2倍楽しめているんだなぁ〜と実感した。でも、"創作"と断言した三谷氏だが、勇と龍馬を知り合いにした本当の意図はなんだったのだろう?それが知りたい。

B勇、歳三に学んだ筆者
新選組に池田屋での働きに対する恩賞金が出た。『貰う訳にはいきません』と言う勇に対して、『ありがたく頂戴します』と言う歳三。相変わらず対照的な局長と副長だが、歳三のこの性格が新選組を大きくしたのは間違いない事実。同時に我々は歳三からは大いに学ぶべき事があったような気がする。人はみな、このような時は、欲しいんだけど『いらない』と遠慮して答えるもの。それが美学とされているからだ。しかし、堂々と『頂きます』と言った歳三の度胸は見上げたものである。もちろん、貰ってはいけない時もあるが、自信を持って『頂きます』と言える仕事を、私はしているだろうか?と、自問自答してしまった筆者であった。一方で、自信を持って任務を果たした勇の欲のない心にも感動!この2人から学ぶべきもの多々あり!

Cテレビに突っ込み
勇と歳三が一緒に酒を酌み交わしていた。『いろいろ苦労はあったが、ここまで来れれば大したもんだ。かっちゃん、喜べよ』と歳三が言えば、勇もこの時ばかりは新選組局長を離れ、試衛館の近藤勇に戻っていた。そして総司、源さんも交えて試衛館の生え抜き4人で楽しく飲もうとしたが、そこへ山南が現れた。『この度はおめでとうございます。頑張ったかいがありましたね』と言う山南は、『隊のために取って置いては?』と恩賞金の使い道を提案する。しかし、歳三の考えは『みんなに手当てとして分け与える』という事だった。しかも、『屯所に残った者は省く』という徹底ぶり。『いいよな』と山南に同意を求める歳三に鬼を見たが、山南も『私は別に…』と答えざるを得ない状況だった。歳三の考えはある意味で最もだが、池田屋に行かなくても、屯所を守る事で大いに貢献した山南である。『なんであげないの?』と、見ている誰もが歳三の考えに疑問を投げかけたと思う。もちろん山南も、自分がないがしろにされた事で面白くないというのもあっただろう。でも、本心は新選組の今後を考えてのものだったと思う。それは堺さんの演技に表れていた。しかし、歳三も新選組を思うからこその考えで、攻めようとする歳三と、守ろうとする山南の間にズレが生じたのが表面化してしまった。でも、歳三が山南を排除しようとしたのは明らかだった。何がそうさせたのか?山南が歳三に何をしたのだ?『おいおい、仲良くやろうぜ〜』と、テレビに向かって突っ込みを入れた人も多かったのではないだろうか?

D医者に安心感?
今週は1864年(元治元年)8月20日を描いた。先週から1ケ月後という事になるが、屯所では1人1人呼ばれて恩賞金を手渡されていた。確か恩賞金は池田屋事件の後すぐに貰ったと思うが、物語上、永倉らが容保に建白書を出すのと時を同じくしたのであろう。配分に関しては歳三の考え通りになっていた。そんな中、総司は町医者に通っていた。『人の身体の事なんか知らん。この病は治らない。じじいになったつもりで暮らせ』と口の悪い医者であったが、総司が労咳という重い病気でもあまり落ち込まなかった?のは、この口の悪さに救われていたのではないだろうか?もし深刻な口調で対処されたら、『俺は死んでしまうんだ』と立ち直れなかったかもしれない。『(医者の)腕は確かです』と歳三に言ったのも、腕というより、この医者に対しての安心感があったのかもしれない。なお、落ち込まなかった…と書いたが、相当落ち込んだのは事実だろう。でも、医者とのやりとりを見ていると"相当"という表現には感じられなかったが、それはきっと自分が病気であるという事を正面から受け止められなかったからだと思う。

E可愛いに同感
人によって額が違う恩賞金には誰しも不満があった事だろう。しかし、『なぜ差をつける?』と率先して異を唱えたのは、なんと!池田屋で活躍した永倉新八であった。任務を離れて単独行動を取った左之助の謹慎処分にも納得いかない様子で、正義感ある永倉といった感じ。『江戸からずっと謹慎しているものだ』と、筆者を笑わせてくれた左之助だったが、任務より大切なものを守るというのは、ある意味筋が通っていると思う。人間なら誰しもそうするだろう。そういう意味では最も人間らしいのが左之助だったのではないだろうか?そんな中、まさが左之助に差し入れをした。『台所だけは焼け残ったから…』と言うまさだが、ここを見る限りではあれから急激な進展はなかった模様。『一緒に店を建て直そうという』と言う左之助だが、『自分でやりますから』と言われる始末。しかし、左之助を見る目が変わった事は確かだ。今後どのように進展するのであろうか?でも、『可愛いぃ〜』と鼻の下を伸ばした左之助だったが、それは筆者も同感だった(笑)。

Fお見事!三谷氏
総司が歳三の元へ行った際、三味線を弾いていた歳三。同時に俳句好きのエピソードを描くなど、なかなか芸の細かい演出だったと思う。『うぐいすや はたきの音も つひやめる』など、歳三の残した『豊玉発句集』から数句披露されてたいが、歳三の俳句ノートに、これからの新選組の仕組が書かれていた設定は面白かった。さすが三谷氏!この手があったか!

G総司は湯治に行け!?
総司の病気が歳三にばれてしまった。山崎を町医者に潜伏させたのだが、筆者は老爺とすれ違った際、これは山崎だ!と見破った。山崎よ、まだまだ甘いな…と言いたい所だが、これは視聴者に分かるようにと考えた演出であった。新選組を日本で一番にするために作った新しい仕組みを総司に見せ、『身体を治しておけ。元気なら血は吐かない』と告げるとはなかなかカッコ良かった。『近藤さんには言わないで』と言う総司だが、その目には涙が光っていた。今、筆者が見ている大河ドラマ『武田信玄』では、『労咳には湯治がいい』と度々湯治に出かける信玄だが、思わず総司にも『湯治に行け!』と、またテレビ突込みをしてしまった。

H歳三の言う事も最もだ
新しい体制をみんなに相談する歳三。『では、これからはこれで…』と勇は簡単に言葉を発したが、『おいおい、山南の名がないけど、これでいいと思ってるのか?』と、また1人突っ込み。そんな中、『私は承服できん。これでは近藤、土方が大きくなるだけ。近藤さんの出世に利用しているのでは?』と異を唱えた永倉。それは最もな言葉だった。しかし、『遊びごっこはやめてくれ』と言う歳三も最もだと思う。組織にいる人なら分かるだろうが、優秀な人間でも時には冷や飯を食わされるもの。それが会社のためになったりするのである。だから、歳三の言う事も的を射ている。しかし、それを理解させる事の難しさが難点であった。それと、芹沢を斬ったのが永倉や島田にバレたのがまずかった。一気に信用を失った勇。それが建白書へとつながる事になる。

Iもう2人の修復は不可能なのか?
『隊を抜ける』という永倉に対して『勝手に抜ける事は法度で禁じられている。切腹ですよ』と歳三。例え永倉を騙した事とはいえ、切腹という二文字の重さを感じた。退席した永倉だったが、山南はあくまで冷静だった。『ここは踏みとどまって、中から変えていきませんか?』と松平容保に建白書を提出する事を提案。簡単に言うと『○○くんが悪い事をしている』と先生に言いつけるのと同じだが、永倉は了承し、それに左之助、島田らも加わった。しかし、斎藤を誘った事で勇にも話が通ってしまったのである。それにしても斎藤の考えやスタンスがイマイチ分からない。でも、これが三谷氏の狙いなのかもしれない。個人的に、芹沢殺しの事をどう思っているのか聞いてみたい気もするが、やがて伊東甲子太郎の元へ間者として入る伏線だったのかも。そして歳三は、"知恵者が企んだ事"から、裏で糸をひいているのが山南だと察知する。以上の事から、歳三と山南の亀裂はより一層深いものとなってしまった。今回、2人が無言ですれ違う場面が編描かれていたが、これは迫力あった。でも、歳三と山南の絶妙な連携で芹沢暗殺を成し遂げたのに、もう2人の修復は不可能なのか?

J誤解だよ…
建白書を提出する永倉だが、『あくまでも近藤さんに目を覚ましてもらうのが目的だ』と、新選組のためを思っての行動だった。それは山南、歳三とて同じ事。微妙なズレを修正出来ないものか!と地団太を踏んだ筆者だが、日頃のコミュニケーションの大切さを改めて知った次第だ。誤解…全てはこの言葉が新選組に亀裂をもたらせた。

K史実を変えろ!
今回の最大の見せ所は本編の最後にあった。建白書の提出に併せ、容保に目通りする勇。そして容保の仲介によって腹を割って話す事になったが、勇の気持ちはただひとつ。それは永倉たちに頭を下げる事だった。永倉らよりも低い場所から侘びを入れる勇。その言葉ひとつひとつに筆者の目頭も熱くなった。島田が大泣きしていたが、筆者があの場にいたら、やはり泣いていただろう。永倉は勇の誠意ある行動に心を打たれ、一件落着を見たが、問題はここからである。和解した事で歳三と山南の関係がより一層悪くなってしまったのだ。徐々に追い込まれていく山南。『まあまあ〜土方さん、山南さん』と間に入る人がいれば、また違う展開になったのではと思うと、非常に腹立たしい回だった。『歳三!山南!ここは踏みとどまれ!今こそ史実を変えろ!』と、バカな事を思った筆者であった。でもそれは見ている人みんなが思った事だろう。

【来週の展望】
来週は勇が久しぶりに江戸に帰る話だ。今は新選組局長として大出世?した勇だが、周斎やつねにはどんな風に映るのだろうか注目。そして不幸な出来事がこれからどんどん起きる。まず、葛山武八郎が切腹させられる。そして、山南のカウントダウンも始まった。今月はテレビの前で涙!涙!涙!であろう。

第29回「長州を討て」 (7月25日放送)

【物語】
長州兵が京の街に攻め込もうと布陣を始め、勇(香取慎吾)は佐久間象山(石坂浩二)と共に松平容保(筒井道隆)に招かれて意見を求められる。その帰り道、勇らと別れた象山は、従者の捨助(中村獅童)の目の前で河上彦斎(高杉亘)に斬殺される。その頃、桂小五郎(石黒賢)は、過激な藩士の暴走をくい止めようと説得に当たるが久坂玄瑞(池内博之)らは耳を貸そうとせず、幕府方との衝突は避けられない情勢となる。一方、医者から自分が労咳であることを知らされた総司(藤原竜也)は、病状を隠して、銭取橋に布陣する新選組の仲間のもとに合流する。長州藩兵が動き出した頃、新選組は彼らを匿っているという噂の船宿・寺田屋を調べようとするが、気丈な女主人のお登勢(戸田恵子)に上手くいなされてしまう。ついに御所方面で戦闘勃発し、それを知った新選組は急ぎ出陣する。しかし左之助(山本太郎)は、想いを寄せている お汁粉屋のまさ(はしのえみ)の身を案じ、ひとり隊を離れてまさのもとへ向かう。長州藩兵は御所・蛤御門で激烈な戦いを挑むが勝機をつかめず、久坂らは居合わせた捨助に、「桂に渡してほしい」と言って切り落とした髷(まげ)を託す。捨助から久坂らの遺髪を受け取った桂は、捨助に自分の連絡係になって京の情勢を知らせてほしいと頼み、密かに京を脱出する。夕刻、長州勢の敗戦が決定的になる中、新選組は天王山に残る真木和泉(大谷亮介)に迫る…。
【牛嶋のズバリ解説】
まず、多忙で更新が遅くなった事をお詫びします。さて、7月25日(日)の日刊スポーツに三谷幸喜さんのインタビューが掲載されていた。"日曜日のヒーロー"という連載コーナーなのだが、満を持して登場したという感じだ。一面を割いていたので内容盛りだくさんだったが、その一部を紹介しよう。
@芸能レポーターの梨本氏に『打ち切りにした方がいい』と書かれ、こんなに嫌われていたのかとショックだったA視聴者から『香取大明神』にケチがつき、『そんなダジャレで笑いはとらない』と反発。しかし、香取くんからもギャグと受け取られたとかBNHKから路線変更やテコ入れを打診されたら、海老沢会長に直談判してでも断固戦うつもりだった。しかし、初志貫徹で頑張ろうと励まされたとの事などなど、初めて脚本を書いた時の事、奥様の小林聡美さんとのエピソードなども紹介されていた。その他、香取くんからも『5年間も携帯番号を聞かれていますが、教えられません』というメッセージ?裏話?も披露されていたが、これもジャニーズ事務所の掟か?とにかく読んでてとっても魅力的な人だという事がよく分かるインタビュー記事であった。やがては日刊スポーツのサイトにUPされるのでは?さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。

@考えるだけで…
明治維新を1年遅らせたと言われる池田屋事件。多くの志士が血祭りにあげられた大事件であり、攘夷派の怒りは我々の想像を遥かに上回るものだっただろう。『会津憎し!新選組憎し!』で、新選組に対する恨みがのちのち近藤勇の処刑にも関わってくる事になる。当然と言えば当然だろうが、新選組は幕府のために当然の事をしたまで。う〜ん、考えるだけで悲しくなってしまう。

A覚悟ある死に方
池田屋事件を受けて、長州が報復に出る事はあらかじめ予期されていた。しかし長州は天王山に陣を構えたままで動かず。象山は天皇を彦根に移すよう容保に提案するが、その帰り道、肥後藩の河上彦斎によって暗殺されてしまった。『佐久間象山先生』と呼びかけられ、『ん?』と振り向いた際にバッサリ斬られてしまったのは可哀想だったが、『わしを殺した男の名を是非知っておきたい』と、斬った相手の名前を聞き、しかも『かわかみのかわは三本川か?さんずいか?』などと聞いたのは、最後まで『新選組!』の佐久間象山であった。このやりとりはもちろん三谷氏の創作であろうが、勇に『人には天命というものがある。死ぬ時は死ぬ』と言った通り、覚悟ある死に方だったのではないだろうか?しかし、源さんを『たくあん』と呼んだように、もっといろんなニックネームをつけて欲しかったぁ(笑)。

B真面目な勇
『今の私達の働きが日本のためになっているのか?』相変わらず勇は悩んでいた。池田屋で大きな仕事をしたにも関らず、驕らず謙虚な姿勢でいるのは、さすが近藤勇!器がデカイ!といった所か。でも勇は必ずしも思い悩んでいたばかりではなかったと思われる。『国を思う気持ちがあるなら迷う事はない』という象山の言葉に安心し、『般若、よろしくな』と捨助に言うくらい余裕があった訳で、仮に長州の志士に『近藤、お前は間違っている』と言われたら強く反論したであろう。全ては真面目な性格だからこそ、考えすぎるクセがあったのだろう。そんな自分に対して憤りを感じているのかもしれない。ちょっと深読みしすぎかな?

C1ケ月後
今週は1864年(元治元年)7月18日を描いた。先週から1ケ月後という事になるが、8月18日の政変以降、京から追放された長州藩の久坂玄瑞がいきり立っていた。一方、新選組の屯所では稽古が行われていた。山南が『今日か明日にも長州が攻め入ってくる』と読んだ事で、いつも以上に激しい稽古になっていたが、あの平助が怒鳴りながら指導。その形相は勇の前にいる平助とは全然違っていた。先週の池田屋事件では傷を負った平助だが、傷も癒えかかり、心のダメージもなかったようだ。むしろ、少ない人数で池田屋に踏み込んだ事が自信になったのかもしれない。そんな中、谷昌武が勇に養子になっていた。名も近藤周平と改めたが、剣術をちゃんと学べと言う永倉をはじめ、槍は左之助、柔術は松原、そろばんは河合と、"先生"がたくさん囲んでいた。勇の養子という事ではなく、"人が寄ってくる"人柄がそうさせているような気がした。

D総司の病気が歳三にバレた?
その頃、総司は単身町医者へ出掛けていた。そこで労咳である事を告げられたが、『なんで私が?納得出来ないよ』と現実をまだ受け止めていない様子。やがて命を落とすなんて想像もしなかっただろう。『もう心配ないって』と復帰するが、その顔は少しやつれた様子だった。総司が血を吐いた事を知っている永倉と左之助はほっと胸をなでおろすが、『斬られた時の血と吐いた時の血は違うのか?』と山崎に聞くなど、歳三だけは疑いを持ち、そして総司が重い病気にかかっている事を確信したのであった。人一倍総司を可愛がっていた歳三だが、これまではあまりその関係が詳しく描かれていなかった。今後は歳三と総司の関係がよりクローズアップされそうだ。そうそう、黒い誠の旗が映し出されていたが、なかなかカッコ良かった。

E寺田屋と新選組
御所に出陣した新選組だが、既に長州部隊は敗走していた。その後、潜伏先と思われる船宿・寺田屋へ。血のついた布を見つけて確証を得たが、女将のお登勢に追い払われる事に。『それは鼻血です』と、以前捨助を殴って鼻血を出させた総司の姉・みつと同じ技を披露したお登勢。勇が総司に対して『お前のお姉さん』と言ったのもこういった点かっ?しかし、『また来る』と言って引き下がった勇の眼光は鋭かった。武士の情けだったのか?いや、そんな事はないだろう。でも、勇チェックが入った事で、これが新選組の龍馬暗殺疑惑にもつながるのか?

F一発逆転?
京の街に火が放たれた。再び新選組も出陣。しかし、左之助だけは『まさちゃんの店が燃えてもいいのか?』と1人まさの店へと単独行動。そして、真っ黒になって町をさまよっていたまさに遭遇、そして店が焼けて悲しみの中にいるまさをぎゅっと抱きしめた。左之助、一発逆転の出来事であった。

G池内さん、おつかれ
桂小五郎の制止を振り切って帝に嘆願書をと久坂は御所に出陣した。しかし、長州包囲網と、頼りの鷹司卿にも見放され、自害する事に。切腹シーンが描かれなかったが、自らマゲを切った事で、ドラマ上はしっかりケジメがついていて良かった。見ている人は当然新選組贔屓だろうが、相手が例え長州でも登場人物が去るのは悲しい事。池内博之さん、お疲れさまでした。あなたも素晴らしかった。

H宇梶西郷はぴったり
佐々木と会った勇は、御所の警護を全て取り仕切っている大島吉之助に今後の指示を仰いだ。ご存知!大島吉之助とはのちの西郷隆盛である。西郷も当然『新選組!』に出るとは思っていたが、このように勇と遭遇するとは!でも、西郷役の宇梶さんはいい。鹿児島弁もうまかったし、何よりも濃い顔は西郷にぴったり。見事なキャスティングだと思う。『これからもお世話になります』と、勇に頭を下げた西郷だが、これも長くは続かなかったのであった。

I捨助の行方は?
久坂にマゲを託された捨助は桂の元へ。あんな風に簡単に桂が見つかるなら新選組は苦労しないだろうが、ここは黙認しておこう(笑)。身の危険を感じた桂は京をしばらく離れる事を決めるが、京と桂の連絡係を、なんと!その場で捨助に頼んだのであった。『長州と日本の未来はあなたにかかっている』と、桂の言葉に乗せられた捨助だったが、自分が利用されているとは分からずに引き受けてしまった。いずれにしても今後ずっとからんできそうな捨助。勇と一緒に処刑されたのは捨助では?という疑惑があるが、これからも注目したい所だ。

Jピークを迎えた新選組
真木が新選組の目の前で切腹した。最後に吐いた言葉はせめてもの意地だったのか?しかし、京の町を焼いた事を嘆く勇。しかし、隊士達は任務をひとつひとつ果たす事で充実感に満ち溢れていた。『いよいよ、これから俺達の時代がやってくる』この言葉を信じて頷く勇。そして、『国を思う己の気持ちに誠があるなら己を信じて生きたまえ』という象山の言葉を思い出し、自分のやっている事を信じて疑わなくなった瞬間でもあった。これから破滅の道を進む新選組だが、池田屋ではなく、この時がピークだったのかな?

【来週の展望】
新選組内部では徐々に亀裂が生じていた。そして8月放送の最大の出来事である山南の切腹へと物語は進んでいく。山南よ、お前は本当に脱走するのか?思い留まれ!と言っても無駄なのである。 それでも、そう言ってしまう素晴らしい堺山南!もう残り少ないが、あなたの顔を、筆者の目にしっかりと焼き付けるつもりである。

第28回「そして池田屋へ」(7月18日放送)

【物語】
浪士たちの不穏な動きを察知した新選組。先手を打って浪士たちを急襲しようとするが、行動を起こす前に、勇(香取慎吾)は八木源之丞(伊東四朗)を訪ねる。京の町の将来に関わることは京に住む人の意見を聞いてから決断したい ― そう考える勇は源之丞の激励を受け、出動を決意する。勇たちは事の次第を会津藩に報告し、正式に出動の命を受ける。しかし会津藩の内部には「長州と事を構えたくない」「この一件によって京都守護職を解かれれば国許に帰ることができる」という考えを持つ者もあり、新選組への加勢の出動を引き伸ばそうと画策する。一方、新選組の隊士たちは、各々、祇園の町会所に集合し会津藩の加勢を待つ。しかし、その加勢が到着しないことが分かり、勇は自分たちだけで行動を起こすことを決断する。勇の率いる組と歳三(山本耕史)の組との二手に分かれ、浪士の集会場所の探索に当たる新選組。やがて、勇の組が池田屋で浪士たちを発見し、激しい斬り合いとなる。奮戦する勇たちだったが、平助(中村勘太郎)は額を割られ、総司(藤原竜也)は吐血して倒れてしまう…。
【牛嶋のズバリ感想文】
いよいよ待ちに待った池田屋事件である。その前に今週の新選組メディア情報をお伝えする事にしよう。まず、三谷幸喜さんが朝日新聞に連載している『ありふれた生活』では、当然の如く池田屋事件について書かれていた。今回の為に2階建ての池田屋をスタジオに作ったそうで、かなりの迫力ある映像が撮れたらしい。でもチャンバラシーンが多かったため、脚本家として難しい回であったようだ。台詞が『やっ』とか『こっちだ』とかしかなく、『壮絶な死闘が続く』や『一瞬のうちに勝負が決まる』という文章が延々と続いていたらしく、自身のボキャブラリー不足を感じたそうだ。なお今回はかなり史実を忠実に書いたらしい。冒頭はのんびり。最後はなんでもない1日が突如として阿鼻叫喚の世界に変貌するとの事。それから三谷さんは池田屋事件は、『あえて通過点で最大のヤマ場ではない。本当のヤマ場は池田屋の後にやってくるのである』という興味深い事も書かれていた。
そして、このエッセイをまとめた単行本『三谷幸喜のありふれた生活』の最新刊も紹介されていた。30万部を超える大ヒットシリーズらしいが、今回は『三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日』というタイトルで、巻末には香取くんとのスペシャル対談が収録されているらしい。その一部が朝日新聞に掲載されていたが、これは見逃せないかも。なお三谷さんをイラストで描いた表紙も紹介されていあが、デザインの可愛さに笑えた(笑)。
それから、朝日新聞の『科学してますか?』というコーナーに山南敬助役の堺雅人さんが登場。自宅でコケ栽培をして3年が経過するというプライベートネタだったが、その他、当然の如く新選組ネタもあり、『演技とは演じる役柄についての考察を人々に伝える事』という事も書かれていた。堺さん自身が山南を徹底的に調べ、役になりきっている様子が伺えるのでは?これを読んで思わず、『死ぬな!山南!』と心の中で叫んでしまった筆者であった。さぁ、それでは三谷さん曰く『最大の通過点』である今回の感想文にいきましょう。

@怒鳴る山南
冒頭はいきなり新選組幹部による軍議から始まった。『会津藩に加勢を…』と言う山南と、『俺たちだけで…』という歳三が対立。意外にも今まで比較的仲良くやってきた2人。これが2人の対立の始まりだったのか?武田観柳斎は新入りなのに軍議に出席していたが、古高俊太郎を捕縛した功績と『私が見つけました…』と訴えたのがポイントだったのか(笑)?しかし、総司も指摘したように、怒鳴った山南にはとても迫力があった。事の重大さを表すとてもいいオープニングだったと思う。

A背中を押してもらいたかった勇
先週は『これは戦だ!』と鬼の形相を見せた勇だが、すぐには決断出来ず、八木源之丞にどうすべきかを相談していた。こんな時になぜ源之丞に相談するのか?と思ったが、相談する以前に勇の気持ちはほぼ固まっていたと思われる。単に勇は隊士以外の人に背中を押して欲しかったのではないだろうか?でも、筆者的にはあまり意味のないシーンだったような気がする。『これは戦だ!』という気持ちを、迷わずそのまま貫いて欲しかったのが本音。

Bもっと怒っても?
新選組の出陣に会津藩は知らぬ振りを決め込んだ。『殿が京都守護職を解かれたら会津に帰れる』というのが会津藩の本音であり、確かにその気持ちは最もだと思う。しかし、新選組が生死をかけた闘いをするというのに逃げるとは、なんたる事か!広沢の『500人が加勢』という言葉も嘘だった。のちに勇はこれを受けて『幕臣に男児なし』としたためるが、ここはもっと怒っても良かったのでは?というのが筆者の見解。

C山崎の活躍は?
今週は先週と全く同じ1864年(元治元年)6月5日を描いた。つまり1日を2週に渡って描いたという事になる。先週あったいろいろな出来事も1日に起こったのか?と今さらながらに濃い1日を感じさせたが、これはあくまでもドラマの都合によるもの。ここはあえて指摘するつもりはない。それより、密偵の山崎烝が大活躍するのかと思ったら、そういう内容にはなってなかった。実は山崎が池田屋に潜入したりするのはフィクションなのである。筆者に『新選組始末記』のイメージが強く植えつけられすぎたのであろう。

D見事!池田屋のセット
感想文の冒頭にも書いたが、三谷さん曰く、今回は2階建ての池田屋をそのままスタジオに作ったとの事。桂小五郎が一足早く池田屋入りした際に、内部の様子が描かれていたが、お見事!と言えるセットであった。テレビや映画の場合は、映る部分だけのセットを作って、それを編集でつなぎ合わせるという手法がよく使われるが、これは正真正銘の池田屋。セットの材質はともかく、この見事なセットに感激してしまった筆者であった。それにしても、あの狭い廊下でよく斬り合えたものだ。出来ればこのセットを永久保存版にして欲しいが、NHKさんには是非ご一考願いたい。

E逃げの桂
桂小五郎が池田屋に早く着きすぎたため、一旦外に出て難を逃れたというのは有名な話だが、捨助がそれに関わっていたという設定にはびっくりした。捨助が桂に酒を届けに池田屋へ行き、膳をひっくり返して着物を汚し、桂は一旦藩邸に戻る…。この設定に、作りすぎでは?という感は否めないが、史実でも池田屋を離れた理由がはっきりしていないので考えられない訳ではない。事実、桂がなぜ池田屋を一旦離れたのかを疑問視する声もあるのだ。そんな中で捨助を利用するとは三谷さんはうまく考えたものだ。でも、桂があのまま池田屋にいたのなら、のちの木戸孝允はなかったのか?でも、仮に池田屋にいても"逃げの小五郎"と呼ばれたように、池田屋からも逃げていたのでは?という気がするが…。

F踏み込んだ理由は?
会津藩の広沢が『会津は来ない』と言った事から、新選組だけで踏み込んだ設定になっていたが、筆者が知る所では、『来ない』と報告される以前に、これ以上待ったら好機を逸すると判断して踏み込んだ…と思ったのだが、実際の所はどうだったのだろう。会津藩は池田屋事件が終わった後にようやく到着するが、『今しかない!』と踏み込んだ勇の判断力が、後者の設定にした方がよりクローズアップ出来たと思うのだが…。

G昌武を供にした理由は?
テレビドラマや映画では、池田屋?四国屋?などと絞られた上で探した設定になっている事が多い。しかし史実では、志士たちが潜んでいると思われる旅籠を一軒一軒じっくり探したようだ。これだけでも大変な作業であり、突き止めるまで3時間もかかった事から、まさにギャンブルだったといえる。留守部隊を除いて34人を二手に分けるという作戦に出たが、祇園を受け持つ手間を考えて、近藤隊は永倉、総司、平助ら10人。その中に勇の養子になる谷昌武を連れて行くとは意外だった。結局、土方隊に伝える連絡係になっていたが、良い役どころだったと思う。でも実際に昌武を供にしたのはどういう意味があったのだろう?父の生き様を見せようとしたのか?こいつは俺が守る!と思ったのか?いずれにしても養子になる訳で、昌武を特別な存在に思ってうたのは間違いない。一方残りの24名は全て土方隊。そしてご存知のように、当たりくじをひいたのは近藤隊であった。はずれでは?と思うのは、我々平成に生きる者だけかっ!

Hう〜ん
池田屋に踏み込んだ近藤隊。これまでの映画やテレビを見過ぎなのであろうか?筆者は近藤隊の必死さ、土方隊のあせる様子があまり表現されなかったような気がする。近藤隊は10名といっても、2階で勇と総司、1階で永倉と平助が斬り合いをしていたと聞く。いくら死を覚悟していたとはいえ、返り血を浴びて必死になって斬る姿を想像していた。一方の土方隊は、勇たちが数少ない隊士で池田屋に入った事を知り、近藤隊の危機を思い浮かべなかったのだろうか?現に『待たせたな』という登場の仕方はあんまりだと思う。あくまでもドラマだが、こういうカッコ良さはいらなかったように思う。むしろ『かっちゃん、死ぬなよ』という歳三の心配しながら池田屋に向かう様子を挿入して欲しかった。

Iふぅ〜っ
それに、これまであまり殺陣シーンがなかったからだろうか、新選組の強さを感じなかったのが正直な所。勇、総司、永倉はともかく、歳三の殺陣には凄く違和感があった。もちろん実際の腕は確かなのだが、新選組=演じる俳優=殺陣という構図が一致しなかった。これまで殺陣シーンをもっと描いていたら、もっと違う感じに見えたと思うのだが…。とにかく、これだけの大事件に、みんなが冷静沈着だったのが不自然に思えた筆者であった。なお、これまでのテレビや映画では、甲冑をつけている新選組があまり描かれていない。しかしそれは見栄えを気にしてのものであろう。実際は今回の大河のように甲冑や防具をつけていたと思われる。

J歳三は気づいている
総司が戦いの最中、喀血した。分かっていながらもその姿を見てショックを受けた視聴者も多かったのではないだろうか。青のアジサイが血に染まり、ひらひらと舞い上がったのにはびっくりした。もちろんそれはCGによるものだが、演出の良し悪しについての指摘はやめておこう。でも、それだけ総司の喀血はドラマチックであると言える。総司の『誰にも言わないで』という頼みを受けて、目撃した永倉と左之助は嘘をついたが、歳三は総司の脱ぎ捨てた羽織を見て、返り血ではなく、吐いた血であるという事を察したようだった。

【来週の展望】
久しぶりに厳しい事を書いてしまったが、ここはいろんな見方があるという事でご了承頂きたい。確かに筆者は新選組関連のドラマや映画を見すぎた。特に池田屋に至っては、史実を抜きにして『こういう出来事だった!』という固定観念があったのかもしれない。さて来週以降もいろいろな出来事が展開される。あと1年あっても描ききれないくらいであろう。禁門の変、伊東甲子太郎の入隊、山南の脱走、薩長同盟、河合の死、伊東、平助らの脱退、大政奉還、龍馬の暗殺、伊東、平助の死、勇狙撃事件、鳥羽伏見の戦い、源さんの死、甲陽鎮撫隊への改名、永倉、左之助との決別、そして勇の投降…。とにかく事件がありすぎる!今後もじっくりと見つめていきたい。

第27回「直前、池田屋事件」 (7月11日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)に養子縁組の話が持ち上がる。谷昌武(浅利陽介)を近藤家の養子にという話に、相手がれきとした武家でもあることから、「新選組にとっても良い話だ」と、山南(堺雅人)も賛同する。  このところ、ぐんと名を高めてきた新選組に対抗すべく幕臣のみで構成された見廻組を率い、佐々木只三郎(伊原剛志)が再び上洛してくる。一方、浪士の怪しい動きを追っていた武田観柳斎(八嶋智人)が、桝屋という商家の土蔵で多量の武器弾薬を発見、大変な企ての予兆を感じて主人を捕縛する。頑として口を割らない枡屋の主人だったが、歳三(山本耕史)の過酷な取調べでようやく口を割らせることに成功する。不逞(ふてい)浪士が京の街に火を放ち、混乱に乗じて会津藩主・松平容保(筒井道隆)を討ち、帝を長州へ連れ去ろうと画策している。もたらされた情報のあまりの重大さに、勇たちは衝撃を受ける…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今回は参議院選挙のため放送時間が7時15分からと45分早まった。報道機関に勤務する筆者は当然会社で選挙対応に追われていたが、今回の感想の前に業界ならではのニュースをお届けする。実は、放送批評懇談会が創設したギャラクシー賞という賞があるのだが、テレビ、ラジオ、CM、報道活動の4部門制で年間の賞を選び出している、いわゆる業界人が選ぶ業界人のための賞である。そこで、なんと!『新選組!』で土方歳三を演じている我らが山本耕史くんが5月の月間賞を受賞。業界内で評価が高いという事は、非常に名誉ある賞と言える。雑誌『GALAC』によると、"山本耕史にとって代表作になりそうだと思っていたが、最近ではむしろ彼は土方歳三役の代表格になるかもしれない"と評価を受けている。なんと素晴らしい事であろうか!山本くんにはただただおめでとう!と声をかけたいものだ。そして筆者も同感である。さてそれでは今週の感想文にいきましょう。

@次第に存在感を増す新選組
佐々木只三郎が再び京に戻り、勇、歳三、山南と再会した。新選組局長となった勇の姿は佐々木にはどう映った事だろう。佐々木と向き合っている勇の姿には、清河によって支配されていたかつての面影はなかった。佐々木は見廻組なるものを組織したとの事だが、正直いって名前もそのままでインパクトもない。そのまま新選組に吸収合併されれば良かったのだが、それは佐々木が許さなかっただろう。幕府直参の隊士で編成され、規模も大きかったというプライドもあっただろうが、佐々木はそれだけ新選組の存在を強く意識していたとも受け取れる。

Aストイックな三谷さん
大坂で永倉が、とある芸者と会っていた。その芸者とは、市川宇八郎が夫婦の約束をしたという小常であった。京に来てから度々大阪入りしていた永倉だが、アルバイトしていたのは市川のため。そして合間を見て小常を探していたのだろう。誠に持って永倉は義理堅い男である。かんざしを手渡されて小常は号泣していたが、已むを得ない理由で、夫婦になるのが叶わなかったこの時代の悲しさが垣間見られた。それにしても、何気ないシーンでも、こうして後日しっかり描くのは三谷氏の素晴らしい所。現に市川と永倉のやりとりを忘れていた人も多かった事だろう。作者だから描くのは当然かもしれないが、当然の事が出来ない人が多いのだ。三谷氏は見ている我々以上にストイックな方と見受けた!

B信頼されていた勇
永倉が、内山、芹沢の死は新選組の仕業では?と勇に問いただした。勇は長州の仕業と答えたが、嘘をついた事で心を痛めた姿を見ると、勇はまだ完全に鬼になりきれてないといった様子。それが勇らしさでもあるが、勇がしっかり答えた事で永倉の心配も収まったのは間違いない。きっと、『この男には嘘はない…』と信頼されていたのだろう。その後、『自分のしている事が正しいのか分からなくなってきた』と、胸のうちを山南に打ち明け、『新選組はそんなに大事なのか?』と訴える始末。それには『おいおい…』と突っ込みを入れてしまった筆者だが、この見えない壁を越えられるのはいつか?『あなたが望んでなくても周りが望んでいるんです』と山南は言っていたが、それだけで局長という地位にいていいのか?厳しいようだが、いい加減に覚悟を決めて欲しいと筆者はイライラが募った。勇らしさと言ったら勇らしさなのだが…。

Cいきなり池田屋?
今週は、1864年(元治元年)6月5日を描いた。先週から約半月後になるが、なんと!池田屋事件当日という事になる。この日にいろんな出来事が凝縮され過ぎていた感は否めないが、"いきなり池田屋"という戸惑いが、視聴者にはなかっただろうか。現に4月に京で火事が起きていたが、尊王攘夷派の志士達が続々と京入りしていたという"池田屋の前兆"を描いても良かったのでは?と個人的に思ってしまった。

D総司を病が襲う
総司とひでが一緒に出かけた。その事は隊士内でも噂になり、歳三は『女は別れた後が面倒くさい』と、自身の経験を元にした発言。一方の山南は、八木家との今後の関係を気にしていた。これら一言一言に人間性が表れるから『新選組!』は面白い。さて、総司の行き先はなんと病院であった。単なる風邪と言う総司だが、前の患者が悲鳴を上げていた事で診察を受けずに帰ってしまった。でも、まさか自分が病に冒されているとは思ってもみなかっただろう。その後、咳込む姿が初めて見られたが、歳三がそれに気づき、声をかけたシーンはポイントだった。池田屋での喀血まであと数時間。

E養子かぁ〜
勇は谷三十郎から養子を…という話を持ち寄られた。しかも谷の末弟である昌武を…という事で戸惑いを隠せない勇。『悪い話ではないのでは?』と山南は賛同していたが、こんなに簡単なものなの?と疑問を感じてしまった。筆者はこの時代を生きた訳ではないが、勇には妻・つねがいる訳だし、つねとの間に今後男子誕生も在り得る。周斎の了解もいるだろう。そんな中でなぜ養子を?と思ったが、『世間体が…』という言葉に、この時代は仕方ないのか?と、ある意味納得した筆者であった。しかし、養子を考える前に、総司に試衛館を継がせたいという意向を持っていたのだ。江戸に残しておきたかったという理由もここにあったと思われる。のちに養子となる昌武だが、近藤家の養子に入りたいという欲がなく、学問が好きで、人を斬るのが好きではないという所を気にいった勇であった。それで継がせていいものなのか?とも思ったが、昌武は愛すべき男であったのは間違いない。

F河合は理解したのか?
最近入った隊士と面談の場?が設けられた。今で言うと『おい、ちょっとお茶でも飲みに行こうか』という感じだろうが、そこで勘定方の河合から『剣術の稽古はいるのか?』との質問が出た。勇は『己の心を鍛えるのだ』と答えたが、思えば以前、筆者は若い刀鍛冶を取材した事があったが、『刀を鍛えるという事は、自分自身を鍛える事』という言葉に感動したものだった。いつの世にもスペシャリストを望まれるが、苦手分野だけは作ってはならないという事を改めて感じた次第だ。また、『近寄りがたい…』という印象もあるとの事で、『私はげんこつが口に入る』と、距離の近さをアピール。これで河合は全て納得したであろうか?

G可愛い?
左之助 甘味屋のまさが、左之助から手紙(恋文)をもらったらしい。その対応に困ったまさが勇に相談したのだが、まさは"風呂にも入らない。何かあったらお腹の傷を見せる。でも、思ったより字が綺麗だった"と、左之助を評した。勇が左之助に『あきらめろ。お前は好みではないそうだ』と一喝するが、『字が綺麗』の言葉に居直り、『だって、可愛いじゃね〜か』とまさへの思いを口にしていたが、筆者はそんな左之助を可愛いと思った。

H理想の上司?
平助が総司になりすまして芸者の所に出入りしていた。勇に見つかり、大慌ての平助だったが、『あんた沖田さんでしょ?』と聞かれ、ついつい調子に乗ってしまったとの事。そこには、いくら頑張っても総司に勝てないというコンプレックスが隠されていたが、それを聞いた上で発した勇の言葉が良かった。『総司になりすましたらお前が辛いだけだろ?平助は平助。総司は総司。あいつにないものはお前が持っている。お前の方が総司より何倍も大人だ。お前にしかないものを探していけばいい。俺も一緒に探してやる』そして、この言葉の後に優しい源さんの顔が…。平助を叱る事なく、悩みを受け止め、励ましの言葉を言うとは…凄く説得力のある言葉であった。近藤勇…まさに理想の上司像かもしれない。

I宮部を捕らえれば…
肥後藩脱藩浪士の宮部鼎蔵が、京の炭問屋・桝屋に潜伏しているとの噂があった。さっそく武田観柳斎が探ったが、あと一歩の所で宮部を逃してしまった。しかし、土蔵から多量の武器弾薬を発見し、桝屋の主人喜右衛門を捕らえる事に成功。観柳斎の見事な働きだったが、『よくやった』と褒められる前に『私が見つけました。私が…』と観柳斎。観柳斎の人柄が出るエピソードで、そのしつこさに思わず笑ってしまった。宮部を捕らえていれば完璧だったのだが…。

Jさすがに無理か…
桝屋喜右衛門は偽名で、実は近江藩士の古高俊太郎がその正体であった。さっそく古高への拷問が始まったが、簡単には口を割らず…。拷問に当たったのは島田だったが、ここまででも相当な拷問だったと思われる。しかし、NHKとしては悲惨な描写は出来ず…。これは仕方ないが、歳三が行った五寸釘による拷問も表現されず…。これも仕方ないが、筆者的にはもう少し描いて欲しかった。でも、歳三が1人で拷問し、『俺が出て来るまで入るな!』と言った言葉だけで十分説得力はあった。しかし、歳三はホントに鬼の副長よな。

K人を斬るのは嫌いだけど…
斎藤が伝授?した歳三の拷問によって古高はとうとう口を割った。なんと!そこで恐ろしい事実が明らかになったのだった。不逞浪士が京の街に火を放ち、混乱に乗じて京都守護職・松平容保を討ち、帝を長州へ連れ去ろうと画策しているとの事。あまりの重大さに、勇は衝撃を受け、『これは戦だ!』と不逞浪士に宣戦布告。人を斬るのは嫌いな勇だが、そんな事は言っていられないという、ある意味覚悟を決めた瞬間であった。バッタバッタとためらう事なく来週は斬れるのか?

【来週の展望】
いよいよ池田屋事件である。新選組と聞いたら、近藤勇、土方歳三、沖田総司と隊士名がまず出てくるだろうが、場所では池田屋が最初に出てくる言葉であろう。それでも寺田屋と言った人もいたが…(笑)。しかし心配なのが、これまで人を斬るシーンがあまり出なかった事である。池田屋では、まず勇らが少ない人数で突入するが、勇が人を斬るシーンに違和感があったらどうしよう?と実は心配だったりする。でも楽しみだ。早く来い来い日曜日!

第26回「局長近藤勇」 (7月 4日放送)

【物語】
京都で活躍する勇(香取慎吾)から、江戸で待つ妻・つね(田畑智子)の元に近況を知らせる便りが届き、つねは一言一句をもらさぬよう目を通す。京都の新選組屯所では何度目かの隊士募集の面接が行われる。「自分は面接を受けているのではなく、自分が今、新選組を値踏みしているのだ」と言い放つ軍師・武田観柳斎(八嶋智人)。三度目の応募にも関わらず誰の記憶にも残っていなかった監察方志望の山崎烝(桂吉弥)らが新たな隊士として加わることになる。勇は松平容保(筒井道隆)からの要請で、諸藩の俊英が集る席に呼ばれ、堂々と時勢について熱弁を振るい周囲の感動を呼ぶ。 一方、勇たち新選組の大坂での活動を面白くないと思っている大坂町奉行の内山彦次郎(ささきいさお)との溝は深まるばかり。歳三(山本耕史)は山崎を使って内山の悪行を探り出させる。勇と歳三は、直接、内山と会って揺さぶりをかけるが、逆に内山は斎藤(オダギ リジョー)を捕縛して拷問にかけ、新選組との対決姿勢を鮮明にする。そんな内山に対して、勇はある決断を下す…。
【牛嶋のズバリ解説】
NHK大河ドラマストーリー新選組!後編が発売された。当然筆者も買ったが、芹沢暗殺から後半にかけての物語や解説、三谷幸喜さんのインタビューも掲載されていて大変興味深かった。まさにこれは必見!必読!是非、一家に一冊買った上で楽しみましょう。ただし、今後の展開を知りたくない人は、ストーリーの部分を読まないよう気をつけましょう。でも、ドラマが終わった後、NHKには新選組!関連の本をもう1冊出して欲しいと思った。三谷氏のあとがき、香取くん、山本くん、藤原くんらの手記。新選組!ファンの各界著名人のコメントなど総まとめをした本が出るのを望むが…無理かな?でも、三谷さんは何らかのカタチで大河の話を本にすると思うのだが、これも期待のしすぎであろうか?
さて、話を変えよう。前にも紹介したが、現在スカパーの時代劇専門チャンネルで、かつての大河ドラマ『武田信玄』が放送されている。当時リアルタイムで見ていた筆者だが、今見ても古さを全く感じないのは驚きだ。中井貴一さんは当時20代後半。見る前は『ちょっと若いかな?信玄のイメージではないのでは?』と思っていたが、見ていくうちにそれを全く感じさせなくなったのは中井貴一さんの演技力と、中井さん自身が完全に信玄になりきったからに他ならない。信玄と名を改めた際に剃髪しなかったのは残念だったが、筆者の中では中井信玄が今はベスト信玄となっている。ドラマはちょうど桶狭間が終わった所だが、信玄の命を受けた山本勘助が、今川義元のいる場所を織田信長に教えた設定はなかなかユニークであった。今川義元を演じた中村勘九郎さんも見事で、石橋凌さんの信長もなかなかである。若き堤真一さんが信玄の嫡男・義信を演じているのも見逃せない。実は当時から『この人はいい!』と堤さんに目をつけていた筆者であった。なお『武田信玄』は8月上旬で放送終了となるが、その後大河は放送されないとの事。う〜ん、残念だ。でも、8月は赤胴鈴之助まつりがあるという事で、それはそれで楽しむ事にしよう。さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。

@タイトルバックに変化が…
今週からが後半のスタートだ。特にドラマで"後半"と銘打っている訳ではないが、今回からタイトルバックに、ジョン・健・ヌッツォの独唱に合わせて、歌詞の字幕スーパーが登場した。これで歌詞を見ながら一緒に歌う事が出来る?が、ここにきて歌詞が出てきたのはなぜだろう?単純に後半だから?視聴者の要望が多かったから?これからが核心だから?などいろんな理由があると思うが、今まで何となくしか分からなかった歌詞が明確になったのは嬉しい限りだ。

A大きなお世話
タイトルバックもそうだが、本編最初の部分で、改めて新選組について説明されていた。勇がつねに宛てた手紙…という、前にも同じパターンがあったが、物語を語る上で”時を進めるため”の手法だったりする。京都の様子、局長に就任した事、そして隊士も何人か紹介されていたが、今回から見始めた人にも分かりやすい解説だったのではないだろうか。今後、池田屋に向けてマスコミも大きく取り上げる事だろう。それに、池田屋の少し前から見ておこうと言う人もいるはずだ。筆者からすれば『何を今さら…』となるが、1年間という長いドラマだけに、こんな視聴者心理が表れるのはある意味当然だったりする。欲を言えば最初から見て欲しかったが、数話でも関心を持ってもらえるのは嬉しい事である。あともうひとつ言うと、マスコミには話題性、現象面だけで面白おかしく取り上げて欲しくないと筆者は思っている。視聴率、視聴率とうるさいが、そもそもNHKが視聴率を気にするのが間違っている訳で、悪いからといって視聴料を安くしてくれる訳ではない。取り上げる方も取り上げる方で、けなす前に紙(雑)面の売り上げ部数を気にするべきだ。

Bん?総髪?
つねが手紙を読む際に日付が出た。1864年(元治元年)5月21日。先週の芹沢粛清から8ケ月が経過した事になるが、近藤勇も31歳になっていた。総髪になり、顔つきもすっかり変わって局長としての自覚が出てきたという感じ。今回は5月21日をベースに、この8ケ月を振り返るという設定だったが、総髪で登場したと思ったら、また月代に戻っていたのがその理由である。でも総髪によって、勇の顔が勇ましく見えるようになったのは事実である。

Cうまい技
今回から新隊士が登場した。武田観柳斎、山崎烝、谷三兄弟らである。早くもそれぞれ個性を発揮していて、今後どう描かれていくのか注目したいところだ。中でも映画『新選組始末記』の主人公になるほど有名なのは山崎烝である。人には決して自分の顔を覚えられないが、人の名前と顔を覚えるのは得意と言う山崎烝。短いやりとりだったが、『そりゃぁ、山崎は監察方に向いているわぁ〜』と視聴者に伝わるうまい技(演出)だった。

Dりょうの字
坂本龍馬の妻になるおりょうも登場した。正直言って、おりょうを出す必然性があるのか?と思うが、坂本龍馬が出ている以上、決して不自然ではない。と言うよりも三谷氏の龍馬に対するこだわりを感じるが…。このドラマはあくまでも新選組が主役だが、出したからには龍馬とおりょうのやりとりも今後期待したいものだ。それと、"りょう"の字を"龍宮城の龍"と説明していたが、今の時代、もし"りょうの字"を説明するとしたら、坂本龍馬の"りょう(龍)"と説明する人がほとんどだろう。とにかくおりょう役の麻生久美子さんに期待しよう。

E鴨が作った?局長・近藤勇
歳三は大阪にも新選組の屯所を作りたいと勇に打ち明けた。歳三の計画は毎回物凄く規模が大きいが、『あんた(勇)を大名にする』と言った男の行動力は並大抵のものではない。今回の一番大きな出来事は大坂町奉行所の内山暗殺だったが、斎藤が捕らえられて拷問にかけられたのを受けて、怒りの表情を表す歳三は印象的だった。まさに鬼の副長。そして、ついには局長である勇自らが対峙したが、鋭い目つきで内山に相対したのは、頼れる局長になった事を感じさせた。そこには相変わらず"身分"に捕らわれている事に対する怒りがあったが、それより勇自身が、芹沢亡き後、局長職とは…というものを自覚したのではないだろうか。局長・近藤勇は芹沢鴨が作り出したと言えるのかもしれない。ちょっと強引かな?でも、芹沢が更生してこの世に生きていたら、今の近藤勇はいないと思う。

F丹下左膳から捨助に戻った?
佐久間象山が再登場。顔を覚えるのが苦手なのか?今回も勇を見て『始めて見る顔だ』と言っていたが、かつて勇に付けたあだ名・鬼瓦が出てきたのは面白かった。その後、『国の事を考えたか?』と勇を思い出した象山だが、かつて自分が言った言葉を思い出すとは佐久間象山は、流石!なかなかの男である。その後、甘味屋をクビになった捨助の身を引き受けるなど、器が大きいと見た!捨助に『お前は般若に似ている』と言ったのも笑えた。つい先日は捨助ではなく、丹下左膳だったのになぁ〜と思いながら…。

G武士よりも武士らしく?
先週が芹沢なら、今週は内山だった。今後の事を考えればまだまだ序の口なのかもしれない。ましてや内山ごときに貴重な1話を使うのか?と思ったが、力士との一件もあったし、今回の暗殺シーンがないとすっきりしないと思ったのは事実だ。現に勇が歳三の腕をつかんで『俺も加えてくれ』と訴えた時は、心の中で拍手を送っていた自分がいた。それに対する歳三の『総大将は本陣にいるもんだ』と言ったセリフも良かった。『いつも手を汚すのはお前たちだ』と返したのは局長としての責任感からだろう。ホントに良いヤツ勇!そして、こんな状況になってまでも『闇討ちはするな。そして勝て。恥ずかしくない闘い方を。あの男に笑われないような誇りある闘いを…』というセリフには感動した。そして筆者は、『俺は武士よりも武士らしくなってみせる!』と言った、かつての勇の言葉を思い出した。

H必殺仕事人?のようだった
勇は内山暗殺の5月20日の夜、深雪太夫の所にいた。平常心になれる唯一の場所なのか?その勇の真意は分からないが、太夫に対する何がしかの心があるのは間違いない。三味線に合わせて舞う太夫。一方、その音色が聞こえるかのように新選組が動き出す。三味線、内山を乗せた籠、橋の上…まるで必殺仕事人のおりくと勇次親子を見るようだった。そして、歳三、総司、斎藤、左之助、島田が内山を襲う。満を持して総司が内山を斬きかかる。そんな中、内山が持っていた銃が総司をとらえた。鳴り続く三味線…総司のピンチに斎藤が飛び込んで内山にトドメを差した…。そして深雪太夫が倒れる。ここまでは最高の演出だった。

I難しい演出
ここまでは最高…と書いたが、欲を言えば勇が太夫に言った『大丈夫ですか?』の言葉はいらなかったと思う。太夫はあのまま倒れ、勇が太夫の元に歩み寄って抱き寄せる…三味線の音が流れ続け、画面は太夫が落とした扇子をとらえていた…で良かったと思う。でも、これだとここで太夫は死ななければいけなくなるわけで…。う〜ん。演出とは難しい。

Jつねの不安
内山暗殺の一件までもつねに伝えようとするのか?と思ったら、紙を破り捨てた勇。さすがにこれは書けなかったようだ。心配が増すばかりと勇も察したのだろう。結局は心配させないような内容に書き直したが、手紙を太夫に渡したばかりに、白粉の匂いを付けてしまったという汚点を残した勇であった。違う意味で不安に思ったつねだったのでは?

【来週の展望】
芹沢粛清が終わったと思ったら、次は早くも池田屋事件である。考えてみれば内山暗殺から10日でもう池田屋なのである。ここまで(25話)じっくりきて、後半はスピードが速いような気もするが、今後も目が離せない。とにかく今回は"近藤勇=新選組局長"と言う図式がとてもよく表現された回だったと思う。さて来週は池田屋までのプロセスが描かれる。早くも楽しみである。なお来週は参議院選挙のため7時15分からの放送との事。みなさん、注意して下さいね。そう言いながら、『来週は会社で見る事になるのかぁ〜』とつぶやいた筆者であった。

第25回「新選組誕生」 (6月27日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)は、歳三(山本耕史)と山南(堺雅人)から、自分の留守中に新見(相島一之)を切腹に追いやったという報告を受け、憤りをあらわにする。「仲間をわなにかけたお前は切腹しなくてもいいのか?」という勇に、歳三は、「お前がそうしろと言うのなら腹を切る」と、決然と言い放つ。歳三の並々ならぬ覚悟を知った勇は、芹沢(佐藤浩市)の排除に傾き始める。そして、勇出席のもと、歳三を中心に山南、左之助(山本太郎)、源三郎(小林隆)による謀議が行われる。一方、当の芹沢は、会津藩からの呼び出しを勇に任せ、斎藤(オダギリジョー)を用心棒代わりに連れてお梅(鈴木京香)と紅葉狩りに出かけてしまう。先の政変での働きに対する褒美を受け取るため、一人で松平容保(筒井道隆)に拝謁した勇は、新しい隊名を授けられる。その夜、芹沢暗殺のために仕立てられた宴会で、勇は芹沢に身の危険を伝えようとするが、逆に芹沢から「鬼になれよ、近藤」と忠告される。泥酔した芹沢は平山(坂田聡)らに連れられて屯所へ戻る。芹沢らを追って、歳三を中心とした刺客は芹沢暗殺に向かおうとするが、芹沢に恩義を感じている斎藤が立ちはだかる。その場に駆けつけた勇は斎藤に刀を収めさせ、歳三らを送り出す…。
【牛嶋のズバリ感想文】
先週話題にした三谷氏の病状だが、朝日新聞に連載されている『ありふれた生活』にその後が書かれていた。腎結石の疑いありとの事だったが、手術は回避され点滴で石を洗い流しただけで済んだとの事。発病から家に帰るまでの5時間に、健康でいる事の素晴らしさを発見したと書かれていたが、まずは良かった良かった。我々ファンもほっと一安心といった所だ。それから読売新聞に、沖田総司役の藤原竜也くんのインタビュー記事が掲載されていた。等身大の沖田を演じている・・・殺陣は刀の差し方さえ分からなかった・・・撮影の休憩時間にはじゃんけんして、負けた人がジュースを買いに行く…などとユニークな内容になっていたが、嬉しかった出来事は鈴木京香さんと共演出来た事らしく、あのシーンは素だったのか?と筆者は思わず笑みを浮かべてしまった。そして、幕末の志士の姿から何かを感じて欲しい嬉しい・・・と締めくくっていたが、短いインタビューの中だけでも藤原くんの高感度は抜群。そんな藤原総司を今後もしっかりと見ていきたいものだ。さて新選組!も、早いものでもう25話目に突入。今回は前半のクライマックスと言っていいだろう。それでは感想文にいきましょう。

@今夜ばかりは…
今週は冒頭の解説はなく、いきなり本編からの始まりだった。小寺アナウンサーがどんな紹介をするのか期待していただけに、ある意味嬉しい裏切りだった。『いよいよ芹沢が殺されるのか…そうか、ついにきたんだな』そんな思いを持ってオープニングテーマが始まった。テーマ曲が、今夜ばかりはブルースに聞こえた筆者であった。

A悩め、勇!
新見が切腹した事を知らされた勇は、当然の如く怒りの表情を見せた。歳三を責めるが、『あんたがそう(切腹)しろというなら俺は腹を切る』と言う歳三の決意は並々ならぬものがあった。しかし、勇はまだこの現実を受け止められずにいた。『多摩に帰る』と言い出すが、それこそ上様に背く行動に他ならないのでは?いや、それより『みんな、お前(勇)について来たんだ』という言葉が重かったのかもしれない。そして芹沢粛清計画をじっと聞く勇。勇の心の葛藤が始まった。

B今回のタイトルは?
今週は、文久3年(1863年)9月18日を描いた。先週から5日後という事になるが、この日は新選組ファンにとっては忘れられない芹沢が暗殺された日である。しかし今回のタイトルは、『新選組誕生』。『芹沢、死す!』といった芹沢がらみの方が良かったのでは?と思ったが、芹沢暗殺と新選組誕生が重なってしまっただけに、これは致し方ないのかもしれない。しかし、悩んだ上でのタイトル決定だった事と思われる。

C総司の決意
八月十八日の政変での活躍によって会津藩から褒美が出る事になった。当然、局長2人で貰いに行くべきだが、芹沢は拒否して嵐山に紅葉を見に出掛けてしまった。斎藤を用心棒として一緒に連れて行くが、その間に着々と計画は実行されていた。平助が宴を任され、総司には芹沢が帰っても残るよう指示された。そこで芹沢を殺す事を察した総司は、『私も加えてください。芹沢は私が斬る。あの人はそれを望んでいる』と、襲撃メンバーに加わる事を願い出た。その発言に恨みなどは全くなかった。芹沢の元にいた時から既に、『死に水は俺が…』と決意していたのかもしれない。しかし、永倉、斎藤らを襲撃メンバーに加えないという位置関係をしっかり描いていたのは良かった。

D紅葉
嵐山の紅葉は実に綺麗だった。もちろんスタジオ撮影だが、とにかく美しかった。我々視聴者にとっては梅雨の真っ最中だが、毎日暑い中での紅葉は一服の清涼剤といった感じだ。『血の色だ…』と斎藤が言っていたが、芹沢殺害まであと数時間。美しい嵐山の紅葉は、芹沢がこの世で見た最後の美しい風景だったかも。

Eタイミングが良かった"新選組"
褒美を貰った際、松平容保から正式な隊名が与えられた。その名は"新選組"。新しく時代を築く者…と容保が話していたが、聞くところによると"新選組"という名は会津藩ゆかりの名前らしい。芹沢粛清⇒新選組誕生というのは、まさに運命的な流れだったのかもしれない。

F挑戦を受けた芹沢
宴が始まった。宴会どころではない歳三と山南。目で合図しあい、その機会をうかがっていた。歳三は芹沢に酌をしに行くが、『魂胆は?』と歳三に探りを入れた芹沢は、死を覚悟していたのだろうか?それとも俺は絶対に死なない!と信じて疑わなかったのだろうか?でも、『酒が入れば切れ味が鋭くなる』と言った事から、『お前らの挑戦を受けた』と、歳三への返事とも受け取れた。

G惜別の言葉
勇は芹沢に"新選組"の名を賜った事を告げた。他の者にはまだ見せず、芹沢に最初に話すとは、なんと出来た男であろうか近藤勇よ!そして『実は…』と打ち明けようとするが、『鬼になれよ近藤!鬼になって俺を喰ってしまえ。遠慮はいらない』と、勇の言わんとした事をさえぎり、覚悟を見せた芹沢も素晴らしい。そして『(その紙を)もう一度見せて見ろ。悪くないな。明日からこの名前でいけよ』と芹沢。勇への惜別の言葉、激励の言葉であった。

Hついに覚悟を決めた勇
芹沢は1人では歩けないくらい泥酔していた。帰る芹沢に対して、目で合図しあう歳三と山南。いよいよ芹沢暗殺計画の開始だ。一方、勇も動く。その目は迷いの涙目から、決意に満ち溢れた目に変わっていた。そして留まらせようとする源三郎に対して『俺は鬼になった』と宣言。勇がついに覚悟を決めた瞬間であった。斎藤は芹沢を守らんと近藤派の前に立ちはだかるが、そこへ『そこまでだ。斎藤君、通してやれ』と勇。芹沢に恩を感じている斎藤だが、『既に芹沢さんは覚悟を決めている』という勇の言葉には引くしかなかった。勇には芹沢以上に恩義があり、勇が覚悟を決めた事で斎藤も納得したのかもしれない。ここにきて勇がようやく動いた事になるが、芹沢の気持ちを正面から受け止めた事に他ならない。勇と芹沢の最初で最後のガチンコ対決であった。

Iみんないいぞ
斎藤と立ち合った時の左之助の目は良かった。こやつは、ただの風来坊ではなかった。これまでも隊士の個性は十分表現されていたが、今回を境に益々個性が出たのは間違いない。勇、歳三、山南、斎藤、左之助、総司、永倉、平助、源三郎、そして芹沢…みんな素晴らしいぞ。

Jいよいよ…
9月18日…運命の日は大雨になった。歳三を筆頭に芹沢の部屋に飛び込むが、斎藤の姿は床にはなかった。『ずいぶんと待たせやがって』と、起きて歳三らが来るのを待っていたのである。『土方、山南、左之助…』と1人1人名前を呼んで、『もうひとりは誰だ?』そこに総司の顔が…。『嬉しいぜ…。たった4人か。俺もなめられたもんだ』と芹沢。最高の見せ場ではないか!そして、お梅が平山、平間を呼ぶ。そしていよいよ運命の出来事が始まった。

K天国の芹沢は…
芹沢は見事だった。歳三、総司を相手にしても全くひるまず、『酒が入れば切れ味が鋭くなる』という言葉通りの立合いを見せた。歳三の刀を真っ二つに折り、総司を追い込み、迫力では明らかに芹沢に分があったが、自らが投げ捨てた瓢箪に足を滑らせて、総司の一撃についに倒れた…。芹沢は笑顔を浮かべて死んでいったが、そこにどんな思いがあったのだろう。しかし、自ら招いた事とはいえ、我が人生に悔いなしといった表情ではなかっただろうか。史実では布団の上から屏風をかぶせ、めった刺し。しかし芹沢は跳ね除け、そのまま隣室に。しかし不運な事に文机に足を取られて転倒。そこを刺されて芹沢の命は尽きた…芹沢は素っ裸だった…とされているが、今回はほとんどが三谷氏の創作であった。でも、創作…大いに結構ではないか。ここまで描かれた芹沢はある意味幸せ者である。でも、天国の芹沢はきっと『ちっ、こんなにカッコよかぁねーよ』こう言っている事だろう。

L前半のクライマックス
今回は、芹沢の最期=お梅の最期でもあった。芹沢を斬った後、総司はお梅を逃がそうとするが、お梅は自ら命を絶つ道を選んだ。しかも、総司の刀で…。これも三谷氏の創作になるが、お梅の死に方は意外だった。どうしてこのような演出にしたのか三谷氏の思いを知りたいが、前半のクライマックスである芹沢の暗殺が見事に描かれたのは間違いない。あっぱれ三谷氏!一方で、頭の固い一部の文句つけ屋さんから『こんなわけねえじゃん』という声が聞こえるが…。そんなのは無視、無視、無視…である。なんと言われようと、筆者は三谷脚本を支持する!

Mリアルに感じた
今回の出来事を、幼少の八木為三郎が見ていたシーンが描かれていたが、これは芸が細かくてとても良かった。ご存知!子母澤ェの"新選組遺聞"に収められている"八木為三郎老人壬生ばなし"に、為三郎が語った新選組隊士の日常の姿が描かれている。最近、子母澤作品は創作である…という議論がなされているが、それは抜きにして、ドラマの中で母の雅が怯えるシーンがあった事で、この本の存在を物凄くリアルに感じてしまった。思わず、『もうちょっと詳しく教えてよ、為三郎くん』と言いたくなったのは筆者だけではないだろう。

N野口はこれで終わり?
芹沢以外のいわゆる"芹沢一派"と言われた隊士についてだが、平山は殺され、平間は山南が逃がしたという設定になっていた。これはなぜか?筆者の疑問は残るが、中立派的な存在であった野口は、近藤派の隊士によって宴の席に足止めされていた。これはナイスプレー!誰もが野口の身を案じていた事だろう。芹沢の死を知って号泣した野口に、勇は『水戸に帰れ!』と言ったが、史実では野口はのちに切腹させられてしまう事になる。でも、今回のシーンを見る限りでは、このまま水戸に帰って切腹はないのかな?そんな雰囲気だった。でも野口が切腹するのは12月の事。筆者はこれで終わりという気がしないのだが…。

O鬼になれたか勇!
芹沢の葬儀の日は、さわやかな浅葱色の空が広がっていた。弔辞を読む勇には今回の事を、決して後ろ向きに考えず、ただ前を向いていこうという姿勢が表れていた。そしてこの日を境に、浪士組は新選組と改めて新たなスタートを切ったのである。もう勇の顔に迷いはない。鬼になったこれからの近藤勇に注目だ。でも、本当に鬼になりきれたのか?

【来週の展望】
来週からは後半がスタート。タイトルは『局長近藤勇』。いよいよ近藤体制が正式にスタートを切る事になる。そして新隊士・武田観柳斎も登場。とにかく今後も目が離せない。ところでNHKの新選組!サイトもトップページがリニューアルされていたが、相変わらず近藤勇の写真が載っていない。ジャニーズ事務所の所属タレントは、写真掲載が一切NGになっているのは業界でも有名な話だが、大河においてもNGなのは残念な限り。でも、写真以外の絵をうまく取り入れてトップページを構成していたのはNHKサイドの努力と言える。

第24回「避けては通れぬ道」 (6月20日放送)

会津藩から芹沢(佐藤浩市)の所業について最後通告を受け、勇(香取慎吾)は反対するも、歳三(山本耕史)と山南(堺雅人)は真剣に芹沢排除を考え始める。歳三は具体的に芹沢を追い詰めるために、隊の規律を定めた法度を明文化する。また、お梅(鈴木京香)は総司(藤原竜也)を誘惑し、ついに関係を結ぶ。一方土方らは、まずは芹沢の取りまきから除いていく方針を立て、新見錦(相島一之)を呼び出し、隣の部屋に芹沢を潜ませた状態で又三郎殺しについて芹沢を裏切るような発言を誘導し罠にはめる。まんまと土方・山南の策謀にはまった新見は、自らも認めた法度の中の「士道に背くまじきこと」を盾にされ、その場で切腹に追い込まれる。そして腹を切る寸前に、「先に行って待ってる」と不吉な言葉を残す。新見が死んだあと屯所に帰った芹沢は、お梅と戯れる総司を目にし、我を忘れて殴りつけ、新見の次は自分の番だとお梅に自らの弱さをさらけ出す。そのころ、勇は深雪太夫(優香)らとの宴の席で龍馬(江口洋介)と再会。そして、土方はいよいよ芹沢の……。
【牛嶋のズバリ感想文】
朝日新聞に連載されている三谷幸喜さんのコラム『ありふれた生活』によると、三谷さんは腰の痛みを訴えて、医者から腎結石の疑いありと診断されたそうだ。このまま手術になったら『新選組!はどうなるのだろう?まだ最後まで書き上げてないのに!僕以外に書ける人はない!』と心配していたが、コラムはそこで終わっていた。その後どうなったのか我々も心配だが、その後、ワイドショーや新聞で取り上げられる事がないので、大丈夫だったのでは?とは思うが…。それと、某新聞に『脚本家を代えろ!』と書かれていたらしいが、三谷さんには改めて『誹謗中傷に負けずに頑張って下さい!いつまでも応援しますよ』とエールを送りたいものだ。それと、日刊スポーツの芸能欄にかなり大きく『新選組!』が取り上げられていた。『NHK大河仕切る小劇場役者たち』という見出しで、『新選組!』に出演している小劇場出身の俳優を1人1人紹介していたのだ。『新選組総長はギャラ安くて演技はうまい』という堺雅人さんの私生活にまで話は及んでいたが、記事としては『新選組!』を応援するような内容になっていて嬉しかった。それに、小劇場出身の俳優さんたちが、今の浪士組と同じような境遇にいるような気がして、心から頑張って欲しいと思った。それぞれに大きな野望があるかどうか分からないが、メジャーな俳優には負けないぞ!という自負はあるだろう。とにかく多くの人に、彼らの演技を見て欲しいと思うばかりである。さぁ、今週の感想文にいきましょう。

@局中法度書が今あったら…
冒頭は、局中法度書についての説明だった。芹沢の悪行ぶりから、組織として厳しい規律が必要とされていて、士道ニ背キ間敷事…など、内容も紹介されていた。正直言ってかなり厳しい。これが現代にあったら、切腹者続出だろう。特に政治家からは何人出る事か。切腹とまでは言わないが、議員辞職というのを掲げてもいいのではないだろうかと思ったのは筆者だけではないだろう。それだけ世は政治不信である。

A意外な事
芹沢排除論を隊士に唱えたのは山南だった。まずこれが意外だった。歳三が勝手にどんどん進めるのかと思いきや山南が仕切っている。もちろん歳三も加わっていたが、山南がリーダーシップを発揮していたのは驚きだった。そして意外な事がもうひとつ。永倉は山南の言葉に『なぜ?』と疑問を投げかけたが、同じ近藤派の隊士でも芹沢の悪行ぶりが伝わってなかったという事だ。これも意外だった。でも、歳三1人では話が簡単に進まなかった事だろう。山南とともに進めたからこそスムーズに進んだと思われる。

B斎藤は不思議な男
芹沢排除論を聞いて斎藤が『あんたらはどうしたい?』と聞いていたが、『浪士組を離れるように説得する』という山南に対して、『そういう話は苦手だ』と退席してしまった。苦手ならなぜ聞いたのか?と不思議に思ったが、この斎藤の発言はのちのち解明されるだろう。でも、斎藤自身が何をしたいのか?何を目的に浪士組にいるのか?が分からない。江戸で金を回収していた頃の斎藤とは明らかに違う。のちに局を脱して伊東甲子太郎に間者として忍び込む斎藤だが、筆者はそんな斎藤に早くも惑わされているのか?三谷氏の秘策はいかに?

C重い源三郎の言葉
それにしても、芹沢が言う事を聞かなかったら『斬っちゃえばいいじゃん』とあっさり答えた左之助は良い味を出していて良かった。永倉は、『一度は志を同じくした仲』と、問題がこれ以上大きくならないようにと願ったが、芹沢とは無関係という隊士もいたようだ。歳三は『浪士組を守るためには芹沢を斬るのはやむなし』と言っていたが、勇は口を真一文字にしてその場を立ち去った。まだ芹沢をあきらめきれないといった感じだが、一方で、もうどうする事も出来ない状況にある事を察したのではないだろうか?でもその後の源三郎の言葉が良かった。『人は2つに分けられます。人の上に立ってはいけない人が人の上に立つのは不幸。もっと不幸なのは、人の上に立たねばならぬ人が人の上にいないこと』この言葉は良かった。これで勇の心はどう変化したのだろう。

D歳三と山南
歳三と山南が絶妙の連携を見せていた。『(芹沢を)斬るべきです』と山南。『壬生浪士が生き残る道がそれだ。たまには意見が合うな』と歳三。『ここは慎重に。近藤さんの名に傷がつかないように』とまで。『俺の考えを聞いてくれるか?』と歳三が山南へ。ご存知!仲の悪い?2人…と言われているが、ここまで見事なコミュニケーションを取るとは!全ては目的が一緒だからこそ…という事か?でも、のちに脱走する山南に対して切腹させるのが歳三である。まさかそんな風になるとは2人は思ってもみなかっただろう。一方で、仲が良かったと言われる総司と山南が描かれていないのはなぜ?これからか?

Eしばらく京に?
当掲示板でも話題になるなど大人気の滝本捨助だが、今週は甘味屋に登場。そこで勇と鉢合わせするというベタな演出だった。しかも、まさにお使いを頼まれるが、指示通りに出来なかったというオマケつき。そして、父親と喧嘩して家を飛び出してきた事も明らかにされた。どうやらこのまま京に滞在するようだが、今後どうからんでくるのか注目だ。

F芹沢の心境は?
今週は、文久3年(1863年)9月13日を描いた。先週から1ケ月後という事になるが、芹沢暗殺まであと5日。ここで"隊士がやってはならないこと"として、局中法度書が隊士に発表された。仕切るのは山南。歳三も途中で割って入るが、山南が仕切るとさすがに説得力がある。歳三が仕切ると、"隊を自分のものにしたい!"という誤解を受けそうだが、山南が冷静に話すと凄く規律あるものに聞こえるのは知恵者・山南ならではだろう。次々と明らかになる内容に芹沢の顔色が変わったが、『いいじゃねーか』 とあっさり同意した。もうやけくそになっているのか?それとも自分は大丈夫と思っているのか?芹沢の心境はいかに?

G新見、死す!
『士道に背く…というのはあまりにも漠然である』と、副長に格下げとなった新見錦が局中法度書に物言いをつけた。確かに漠然で、具体的な内容ではない。しかしこれが歳三らの狙いで、まずは新見に対して芹沢粛清の話?が持ち掛けられたのだ。芹沢一派を一掃しようという歳三らの動きは読めていたが、芹沢の子分的な地位に甘んじている新見は、芹沢粛清は願ったり叶ったりだったのでは?でも、そうなると、今後は近藤派と行動をともにしなければならない。それを覚悟の上で新見は乗ったのだろうか。そして、あっという間にハメられてしまった新見。まさか芹沢もそれにからんでくるとは思いもよらなかっただろう。そしてついに新見切腹。同郷という事だけで芹沢とつながっていて、強い絆は結ばれてなかったと言っていたが、それが不幸を招くカタチとなってしまった。でも『足元救われないように』と山南に警告した言葉は重かった。

H死を恐れる芹沢
芹沢に対して、『アホ!おまえ、死ぬで』と言うオウムが登場。カチンときた芹沢はオウムを斬ろうとするが、局中法度書が出来た事で、自ら"死"というのを意識していたのは間違いないだろう。その後、屯所に戻った芹沢は、総司とお梅が仲よさそうに酒を飲んでいるのを激怒!総司を何度も殴るが、総司に対しての怒りではなく、新見の死を受けて『次は俺だ』と言ったように、全ては死への恐怖心からだった。実に人間らしい芹沢。今後の総司の行動はいかに?それはそうと『新選組!』オフシャルサイトで、オウムの声は永倉新八役の山口智充さんと明らかにされていたが、お見事!の一言だ。

I総司が一皮向けた?
総司とお梅が結ばれたようだ。ここまでの展開を見せるとは思わなかったが、女によって男は大きく成長するもの。これを機に総司は一皮向けた事だろう。

J勇も覚悟を決めた?
勇は坂本龍馬と再会した。相変わらずよく会うなぁ〜と思ったが、龍馬が出るといつものように政治ニュースが勇に伝えられる。『ますます時代は混沌としてくる』という説明に対して、『ご厚誼にたてつくものが敵です』と勇は答えた。『おまえは分かりやすくてええの〜』と、腹踊りする龍馬だが、それを見ながら、『芹沢を切るのはやむなし』という歳三の言葉を思い出していた。いよいよ勇も覚悟を決めたか?いや、その逆か?

【来週の展望】
来週はいよいよ新選組誕生である。そして芹沢もついに…来週も見逃せないぞ。さらには今後描かれる池田屋事件も予告として流れた。総司の喀血も…。ますます、『おおっ!』と期待に胸をふくらませたのであった。

第23回「政変、八月十八日」 (6月13日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)は、芹沢(佐藤浩市)一派が大和屋で働いた乱暴狼藉の件を、会津藩公用方の広沢富次郎(矢島健一)からとがめられる。歳三(山本耕史)は勇に、この期に乗じて浪士組から芹沢一派を排除しようと説く。歳三と考えを異にする勇は、あくまで芹沢の自戒を促そうと試みる。だが、当の芹沢は聞く耳を持たず、お梅(鈴木京香)と総司(藤原竜也)を伴って呑気に湯治に出かけてしまう。文久3年(1863年)8月18日。会津藩と薩摩藩は、長州兵の禁裏警護からの締め出しを決行する。大砲の音に何事が発生したのかを察した桂小五郎(石黒賢)は、一戦交えて挽回を図ろうとする久坂玄瑞(池内博之)らを説得し、京を離れて機会をうかがうことにする。そんな中、浪士組は松平容保(筒井道隆)から直々の要請を受け、武装したまま壬生の屯所で待機するが、待てど暮らせど会津藩からの出動命令(=下知)は届かない。湯治から戻り事態を知った芹沢も戦装束に身を固めて待機するが、ついにはしびれを切らし、下知を待たずに出陣する…。
【牛嶋のズバリ感想文】
朝日新聞に連載されている三谷幸喜さんのコラム『ありふれた生活』に、久々に新選組ネタが掲載された。芹沢鴨の事であったが、三谷氏は脚本を書くにあたって、芹沢を大河史上最高の悪役にすると決めたらしい。また『新選組!』は、全国の小学生のために書いているそうで、そこには三谷氏自身が大河を見て育った経験がそうさせているようだ。また、芹沢には、スティーブンソン原作の『宝島』に出てくる海賊シルバーのモチーフが少し入っているらしい。筆者は恥ずかしながらその人物を詳しく知らないが、酒好きで悪事を繰り返し、あっという間に殺される所は芹沢そっくりだとの事。そして、これまで描かれた粗野で凶暴で酒浸りといった芹沢ではなく、教養もあり、腕も立ち、人間として弱い部分を沢山持ち合わせた男にしたいと思ったと言う。鴨暗殺シーンは既に撮影されたようだが、最後の撮影の日、佐藤浩市さんは『近藤と出会ってなければ芹沢ももっとましな人生を送っていたかもしれないのに。人との出会いは大事なんだなぁ〜』と語ったとの事。以上の事から、これまでのどの脚本家よりも芹沢に思いを込めた事が感じられた。三谷氏、万歳!これからも頑張って下さいと伝えたいものだ。さて、今週の解説にいきましょう。

@どう打開する?
冒頭の解説は、大和行幸の勅命が下ったという話だった。世の中は着実に動いているが、さらに拍車がかかったという感じで、我々もしっかり追いついていかなければならない。でも、これらの出来事と現代を比べてしまうのは筆者だけか?今の日本もいろんな問題を抱えているが、なんとも情けなさばかりが目につく。国会議員の中にどれほど日本の将来を考えている人がいるのだろう。幕末のいろんな出来事を見るたびに疑問を感じる筆者であった。日本の現状はどう打開すればいいのだ!大政奉還が必要なのか(笑)?

A芹沢擁護の理由をはっきりさせるべし
先週の大和屋焼き討ち事件が会津藩の耳にも入った。勇は芹沢に行いを改めるよう警告するが、芹沢は全く動じる様子はなかった。ましてや『責任をとらねば…』と、新見に腹を斬る事を命じる始末。ここで新見の顔つきが変わったが、これはいくらなんでもひどい事。なんて恐ろしい男だと思ったし、新見も芹沢に対して大いに不信感を持った事だろう。何よりも、芹沢にとって自分はもう必要ない存在?と感じたのではないだろうか。結局は新見の副長への格下げと謹慎が決まったが、歳三は絶好のチャンスを逃したと訴える。それでも勇は、芹沢は浪士組にはなくてはならない人と言ったが、新見の格下げを簡単に容認してしまったのか?それにしても、こんな理不尽な振る舞いをしている芹沢をここまで思う勇はなぜか?筆者も実は勇と同感なのだが、これはあくまでも芹沢の改心が前提の話。出来れば勇にはその辺りを明確にして欲しいと思う。

B総司よ、悩め!
総司は相変わらず芹沢にくっついていた。大和屋焼き討ち事件の際は少し迷いの表情を見せたが、まだ心ははっきりしていない様子。とにかくこのまま行くしかないといった所か。ついには芹沢、お梅とともに湯治に行ってしまったが、どこか後ろめたさを持っての行動だった。総司よ、迷え!悩め!そのうち自分の歩むべき道が分かるようになる…そうメッセージを送っておこう。

C見ながら納得
勇は新見の謹慎、格下げを会津藩に報告しに行くが、会津では大和行幸の勅命が下された事でそれどころじゃないという状況だった。勅命を偽物と見抜いて、薩摩とともに長州を追い払う事を決めた会津だったが、肝心の壬生浪士組への下知はなく、会津藩における浪士組の存在は小さなものだという事を感じさせた。容保は確かに勇を頼りに思うと言ったが、このような事例は現代の社会でもよくある事だ。社長が『遠慮なくどうぞ』と言っても、実際実務に当たるのは現場の職員で、そこで足止めをくらってしまう事がある。社長にお取次ぎを…と申し出て、初めてクリアする事など当たり前だったりする。容保に気に入られても、仕事相手は容保の重臣なのだ。このシーンを見ながら筆者は妙に納得してしまった。会津藩ではまだ存在の薄い浪士組だが、それは当たり前。やはり実績がモノをいうのだ。

D背景説明
今週は、文久3年(1863年)8月17日を主に描いた。先週から5日後という事になるが、『新選組!』は近藤勇の1日を1話で描くという手法のため、毎週日付が表示されるという事は前に書いた。そんな中ここ数週は、本編冒頭ではなく番組開始数分後に日付が出るようになった。1日1話は基本でも、1日1話に行くまでに多少の背景を描く必要があるからだと思う。特にここ数週は世の中の動きも早く、背景説明⇒日付は仕方のない事だと思う。むしろこれからは番組中盤で日付という事も考えられえるのではないだろうか。

E意味が分からない
『帝がなぜ容保を信用するのか?』と疑問を抱く桂。これは筆者も全く同じだった。しかし、その疑問はあっさり視聴者に明らかにされた。容保が正月に初めて帝に拝謁した際、『そなただけが頼りじゃ』と言われたというが、その理由は分からなかった容保。しかし、勇が容保の前に現われた時、勇に自分の姿を見て、『人のつながりは時の長さではない。人は一瞬にして親よりも深い絆を得る事が出来る』と分かったらしい。しかし、正直言ってこの意味がイマイチ分からない。確かに人を一目見て『こいつとは気が合いそうだ』という直感はある。その類なのか?分かる方、教えて下さい。

F浪士組の思想は?
『真の尊皇攘夷は誰なのか?』と勇が口にしたように、いろんな思想が複雑に入り組んでいたこの時代。勇の思想がイマイチ明確でないような気がするが、将軍の思想が勇の思想と言えば納得か。そんな中、山南は薩摩の動きを心配していた。新見も『薩摩は京の実権を握りたいだけじゃないのか?』と指摘したが、学のある新見をうまく近藤派に取り込めたらまた違った展開になったのでは?と思ったのは筆者だけか。でも、『その時は薩摩をやっつければいいんじゃないか?』と歳三が簡単に言うように、浪士組は思想を語るのとは別の位置にいた事を感じさせた。

G斎藤のメッセージ
八木ひでも沖田の行動に疑問を感じていた。芹沢に付いて湯治に出た事もそうだが、おにぎりやお守りを渡しても受け取らず…。初心忘るるべからず!という言葉を総司に送っておこう。斎藤は『あんたが人を斬ってはしゃいでいたからたしなめた』と総司に言ったが、『斎藤さんは…?』と逆に質問され、『めしを食う為に何かを感じているのか?俺にとってはそんなことだ』と切り替えされてしまった。これは肉体のみならず、心も武士になれ!という斎藤のメッセージなのでは?

H欲を言えば…
『兵を挙げれば帝にたてつくことになる』と、桂は長州の撤退を決めた。出来れば大砲を御所に向け、『逆心!』と疑いをかけられて、慌てて長州が撤退する様子を描いて欲しかったが、そこまでカッコいいシーンを要求するのは酷な話か。でも、ギャフン!と言わせるようなシーンをもっと作っても良かったのでは?と思った。

Iたのもしい芹沢
夜通し下知を待った浪士組だが、ついには下されなかった。そんな中、芹沢と総司が湯治から戻った。2人とも任務に就くが、『待っていても仕方がない』と芹沢が動いた。勇に聞いた任務通り『加勢に参った。お花畑にまかり通る』と、会津藩に臆する事無く進入するが、強引とはいえ、芹沢のたくましさを感じた。これが勇の心を捕らえて離さないのか?でも、自分が出来ない強引さを芹沢は持っている…だから必要と思ったら大間違いでは?まぁ、そんな事ではないと思うが、芹沢をたのもしく思えたのは確かだ。

J危機を感じた歳三
長州藩は京から撤退したが、『会津藩はいつまでたったら俺達を認めてくれるんだろう?』と、浪士組にはむなしさだけが残った。そんな中、『壬生浪士組を変えるぜ。そのためには会津藩の信用を勝ち取る。喜んで修羅の道に踏み込んでやる』と、並々ならぬ決意を示したのは歳三であった。実績が全て…これを歳三は十分感じていたのだろう。まさしく歳三なくして新選組はなし!それを実感したシーンであった。それが来週以降具体化されるという事になる。

【来週の展望】
来週はいよいよ局中法度が作られるらしい。それによってますます対立が深まった…との事だが、新見錦の最期を見るのは唐突に来週という事になるらしい。急展開?という気がしないでもないが、さらに芹沢のカウントダウンが進む。

第22回「屋根の上の鴨」 (6月 6日放送)

【物語】
勇(香取慎吾)たち浪士組は、京都守護職・松平容保(筒井道隆)の計らいにより、将軍の江戸帰還後も京に残留することを許される。筆頭局長の自分を差し置いて、勇ひとりが容保から内諾を得たことを知った芹沢(佐藤浩市)は腹の虫がおさまらない。そうしたいきさつもあり、酒に酔った芹沢は、些細なことから自分の部下、副長助勤の又三郎(松谷賢示)を斬り捨ててしまう。一方、勇たちは、大坂での騒動がきっかけで親交を得た相撲の小野川親方(瑳川哲朗)と話をつけ、日頃世話になっている八木家への恩返しを兼ねて壬生で相撲の興行を行うことになる。この機に活動資金を得ようと考えた歳三(山本耕史)ら試衛館の面々は、みやげ物の販売や客の呼び込みなどに精を出すが、総司(藤原竜也)だけは、盛り上がる一同から距離を置き、芹沢と共に傍観する。満員の会場には、会津の動向を探りにやって来た龍馬(江口洋介)や、町人を装いお忍びで足を運んだ容保の姿もあった。興行は大成功を収め、立役者の勇はますます容保の信頼を厚くする。反面、浪士組内での信頼感や存在感が日に日に低下していくことにいらだちを募らせた芹沢は、お梅(鈴木京香)の言葉に乗せられ、またもや騒動を引き起こす…。
【牛嶋のズバリ感想文】
まず、今週も更新が遅れた事をお詫びいたします。このところ休みなしで働いていましたが、勤務状態はさらにエスカレート。朝のワイドを1週間担当するという事態になり、朝は5時半出社という勤務を強いられました。さすがにパソコンに向かう時間も限られ、合間を縫ってようやく完成させたという感じです。中身に関しては薄い内容になってしまいましたが、皆様のフォローをよろしくお願いします。

さて、 『時代劇専門チャンネル』で、過去の大河ドラマ『武田信玄』が始まった。ご存知!中井貴一さん主役の高視聴率番組だが、中井貴一さんの素晴らしさが光った作品でもあった。既に父を追放し甲斐の国主になった所までが放送されたが、『独眼流政宗』を受けて、よくここまで作ったものである。それでも、家臣の名を苗字で呼ぶのと、助詞を省いているのには相変わらず違和感があるが…。いずれにしても、多忙で身体が相当疲れている中、『新選組!』とともに筆者の大きな安らぎになっているのは間違いない。さぁ、それではお待たせ致しました今週の感想にいきましょう。

@フィルム派?
番組冒頭はいつものように解説から。今週は将軍家持が江戸に帰り、浪士組と長州が取り残された…薩長が外国と戦争…尊皇攘夷運動は頂点に達していた…という内容で、時代は着実に変わっている事を窺わせた。そして、テーマ曲があって本編が始まったが、京都の町並みを数カット挿入していたのは良かった。京都の町並みは、なんて綺麗なんだろう。今すぐ行きたいと思うくらいだった。以前、映像が綺麗すぎてリアル感がないと指摘した事があったが、こういう綺麗な映像は大歓迎。なんか矛盾しているが、そうは言っても筆者はあくまでもフィルム派です。益々矛盾してるかっ。でも、大河はどの作品までフィルムだったのだろう。

A妬み?僻み?
将軍が江戸に帰っても京都に留まる事を決めた勇だが、全ては勇の嘆願によって、引き続き松平容保が面倒見てくれる事になったのだ。それに腹を立てる芹沢であったが、芹沢の気持ちも分からないでもない。現代なら確かに明らかにルール違反だ。上司を差し置いて物事を進めたら、当然、自分がないがしろにされたと怒る訳で・・・。でもそんな単純な理由ではないだろう。勇に対しての妬み、僻みに他ならない。

B力士談義
壬生浪士組が相撲の興行の手伝いをする事になった。大の相撲好きの八木雅は、『この人らが来て一番嬉しい』と口にしたが、これによって浪士組に対する姿勢が180度変わるのか?でも、相撲の稽古風景を見る限りでは明らかに素人俳優を使っていたのが気になった。四股の踏み方もヘンで、これでは力士と思えないし、強そうにも見えない。まぁ、でもこれはご愛嬌としておこう。ここまで厳しく指摘するつもりはない。でも、先週命を落とした舞の海のような相撲出身タレントをもう1人使っても良かったのでは?と思った。おっと、良ければ褒め、悪ければけなすとは、筆者は調子に乗っているみたいだ(笑)。でも、あれだけの体格の人をよく集められたものだと思う。しかし、中にはやせ細った人もいたのを見逃さなかった(笑)。

C意外な出来事
力士のインチキ手形や団扇を売ろうとする歳三。『やめよう』と勇は言うが、『稼げる時に稼いでおく』と相変わらず歳三は商売上手だった。年に何度か組めば会津藩に頼らなくても済むと言うほど、大変な興行人気だったようだ。結果的に、大成功に終わったが、お金を渡された時の小野川親方の満足した顔が印象的だった。その顔に特に意味はないのかもしれないが、小野川親方も所詮金のためならなんとやら・・・という気がしたのは筆者の勘違いか?でも、新選組を毎週見ている筆者の同僚から『相撲の話は本当にあったの?』と珍しく聞かれたが、新選組を知らない人から見ると、相撲興行は意外な出来事であったのは確か。いずれにしてもじっくり描ける大河ならではだ。嬉しいぞ!今回一番頑張ったのは照英さんかも。全裸で演じるとは思い切ったものだ。拍手!

D総司と芹沢
総司が相変わらずふくれている。剣の達人でも、まだ幼さが残っている事を窺わせるが、ちょっとした反抗期といった感じ。人は誰しも迷い、苦しむ時、自分の都合の良い人に寄り添う傾向があるが、まさに今の総司がその類なのではないだろうか。今週も芹沢派と行動を共にしたが、同時に芹沢の行動に疑問を持ち始めたのは確かだ。総司が斬った相手を心配するなど、決して血迷ってはいない事を伺わせた。いつどのようにして近藤派に戻ってくるのだろうか?そのきっかけは何か?でも、ここまでの展開を見ると総司が芹沢を斬る設定になるのは間違いないだろう。そこに至る総司と芹沢の関係に注目したいものだ。それにしても、勇は総司に『刀を人を斬る道具にはするな』と言っていたが、のちの新選組の働きと勇の気持ちは、今はまだ別の所にあるようだ。

Eさらにエスカレート?
今週は、文久3年(1863年)8月12日を描いた。先週から2ケ月経っている事になるが、芹沢の横暴ぶりは会津にすっかり知れ渡り、どんどんエスカレートしているようだった。よくここまで芹沢に対して何もしなかったものだと思うが、歳三も山南も、芹沢不要論を唱え始めるなど、彼らの許容は限界を超えたらしい。でも芹沢暗殺まであと数週あり、さらに悪行はエスカレートするものと見られる。

C佐伯又三郎死す!
佐伯又三郎が死んだ。この男もいずれ死ぬ運命にあったが、斎藤の『取り入る相手を間違えた』という言葉は重かった。でも、彼はなぜ芹沢を選んだのだろう。勇の下にいれば…とも思うが、立場が変われば人間性までも変わってしまう又三郎は、勇の下についても同じ結果を生んだと思う。彼の最大のミステイクは心が通じ合った仲間がいなかった事。人間、力があるだけで出世は出来ないのである。その前に愛されないと…。

D徹底した番組つくり
相撲には坂本龍馬も顔を出した。こんなにチョコチョコ顔を出せるほど余裕があったのか?と聞きたくなるが、ここは黙認しておこう。でも、ここまで徹底して龍馬をからめてくる三谷氏の姿勢には関心する。中途半端ではなく、やる時は徹底する。いいじゃないかぁ〜。きっと天国の龍馬も喜んでいるであろう。でも、龍馬登場の度に時代の流れが勇の耳に届き、同時に視聴者にも伝わる二重の効果を生み出していると思う。龍馬はある意味で案内人という役かも。でも、ここまで来たら徹底的に龍馬を生かして欲しい。

Eなぜモデル?
浪士組に入る為にと、滝本捨助が京都までやって来た。正義の味方気取りで来たが、それは捨助の完全なる勘違いであった。でも、このキャラは良い。中村獅童さんはなんて芸達者なんだろうと改めて思った。でも、この滝本捨助は実在した松本捨助がモデルとされているが、なぜ松本捨助ではダメだったのだろうか?

F筒井道隆さんへ
相撲にはなんと!京都守護職・松平容保も顔を出した。しかし、あくまでもお忍びで、若旦那という設定だったが、なかなか様になっていて良かった。時代劇俳優が減った今、筒井道隆さんには是非、時代劇の道をさらに歩んで欲しいものだ。あの淡々とした語り口はとても好感度がある。一方で、気性の激しい役には向かないかな?という気もするが、是非、一度見てみたいものだ。でも、筒井さんは江戸時代が似合うかな?

G芹沢暗殺まで
『いいものを見せてもらったぞ』と容保は満足気だった。小野川部屋との一件も勇が治めた事を知り、『真面目一徹の律儀もの』と、勇に強い信頼感を持った容保であった。一方、芹沢を激しく非難。既に容保の耳にも悪行ぶりが伝わっているようだった。芹沢暗殺には諸説あるが、勇の芹沢を思う気持ちを考えれば、会津の命令によって殺害されたという設定は間違いないだろう。勇も泣く泣く断行、いや、歳三が命を受けて指揮する・・・こんな感じか。とにかくこれから目が離せないぞ。

H勇の心境はいかに?
芹沢は完全に狂っていた。確かに勇にいいところを持っていかれすぎ・・・これはよく分かるが、お梅もけしかけるなど、悪の一途を辿るという感じ。その行動を見て、もうこれは変えようにも変えられないという事を筆者も悟ってきた。笑って屋根の上に上る芹沢。そこへ勇が来るが、勇の芹沢を見る目はいかに?

【来週の展望】
芹沢の奇行はさらにエスカレートするらしい。でも、ここまで来たら、誰も手がつけられない状態まで進んで欲しい。それでこそ芹沢も浮かばれるもの。なんかヘンな表現をしてしまったが、ここまで芹沢をいろんな面から描いた作品はなかったのではないだろうか?佐藤浩市さんの父・三国連太郎さんも『参った!』といった所か。

第21回「どっこい事件」 (5月30日放送)

【物語】
将軍が江戸へ戻ることになった。それは、将軍警護を任とする勇(香取慎吾)たち浪士組が京に留まる理由を失うことでもあった。将軍とともに江戸へ戻ろうと考える勇に対して、歳三(山本耕史)は、京に残って浪士組を大きくしようと話す。そこで勇は、「将軍にいましばらく京に留まっていただきたい」という主旨の嘆願書を、山南(堺雅人)の手を借りてしたためる。嘆願書を読んだ松平容保(筒井道隆)は、勇に自らの“志”― なぜ自分が守護職として京に留まるのか ― を語り、勇たちにはこれからも自分の手足となって働いてほしいと頼む。容保の言葉に感激した勇は、京に留まることを決意する。ある日、管轄外の大坂で不逞浪士の取り締まりを行ったことが原因で、勇たちは奉行所の与力・内山彦次郎(ささきいさお)から越権行為だと非難を受ける。かねてより浪士組を快く思っていなかった内山は、勇たちを「田舎者」呼ばわりする。その夜、往来で小野川部屋の力士たちともめ事を起こした芹沢(佐藤浩市)が力士の一人に手傷を負わせてしまう。小野川親方(瑳川哲朗)は、弟子の熊次郎(舞の海)に事の次第を奉行所に届けさせてお上の沙汰に従おうとする。ところが話を聞き付けた内山がこの機に乗じて浪士組を懲らしめようと画策し、逆に熊次郎たちをけしかける。大挙して押しかけた力士たちと対峙した芹沢が熊次郎を斬り捨てたことから、芹沢一派に総司(藤原竜也)、斎藤(オダキリ ジョー)、永倉(山口智充)、山南、島田(照英)も加わっての大乱闘がぼっ発。この騒動の中、総司は生れて初めて人を斬ってしまう。出先から戻って事の顛末を知った勇は、自分のやり方で事態の収拾を図ろうとするが…。
【牛嶋のズバリ感想文】
今週は更新が遅くなってしまいました。実はこの所休みなしの状態が続いていまして、私のつたない感想文でも楽しみにされていた方々には心よりお詫び申し上げます。さて、今週は新選組に関する新しい話題は新聞に掲載されなかった。新しい配役など随時掲載してくれればいいのだが、話題性のある人物しか取り上げないのがマスコミの悪いクセ。でも、新選組を好きな記者が絶対1人はいるはずだから、その辺りは偏って新選組を積極的に取り上げて欲しいものだ。マスコミ人はいかにこだわりを持つかが最も大切だと思う。当たり前の事を普通にやるなんて全然魅力ない。是非、新聞社には一考願いたいものだ。そんな中で、『これがマコトの新選組』を連載している産経新聞は支持したい。大野敏明さんという方の解説文だが、なかなか読みごたえがあって面白い。いずれ単行本になるだろうが、機会があったら、是非ご覧下さい。さぁ、そんな訳で今週の感想文にいきましょう。なお、これからどんどん筆者の知識が乏しくなっていくと思われます。中には当然知っているべき事を知らないと書くかもしれませんが、その時は『感想の解説』で結構ですのでご指摘頂ければと思います。

@歴史教科書に一言!
冒頭は"公武合体"についての説明だった。先週に続いての用語説明だが、冒頭で解説が入るとドラマがびしっと締まるから良い。基礎的な言葉や背景など、新選組フリークなら当然知っている事でもいいので、是非、このまま毎週続けて欲しいものだ。それはそうと、実は最近、高校時代に使っていた教科書をひっぱり出してきた。20年も前のものをよく保存していたと思うが、読んでみると歴史の説明が簡単すぎる事に改めて気がついた。数百年の動きが1ページ内に凝縮されているのが無理な話で、これでは歴史を楽しめないのは当たり前。でも、なぜ原始・古代から順に始めていくのだろう。もっとポイントを絞って、ひとつの事をじっくり探ってもいいのでは?と思う。そうすると、もっと歴史に詳しい人も増えると思うし、歴史が楽しくなるのではないだろうか。ちなみに筆者が使っていた"詳説日本史(山川出版社)"の教科書には、もちろん"新選組"が載っている。なんだか嬉しくなった。

A容保と勇
将軍が江戸に戻る事が決まり、将軍の警護をする浪士組は京都にいる意味がなくなってしまった。歳三の堅い決意と野望に勇は嘆願書を書く事になるが、ここで初めて容保とのツ−ショットが実現した。勇の志に大いに好感を持つ容保だが、この志こそが2人の距離を近づけたのである。短いやりとりだったが、勇、容保…互いの顔を見ているだけで、"手が合う"という事を感じさせた。

B雨のシーンっていいなぁ
『近藤たちに任せておけばいい』と芹沢は容保の元へは参らなかった。芹沢は縁側で横になってのんびり過ごしていたが、雨が降っているというシチュエーションだった。"梅雨"だから降らせたのか?一方で蝉の声。ん?季節は?と思ったが、雨、蝉…ドラマを作る上で季節感はとても大事な事なのである。そう言えば、八木家のお久が亡くなった時にも雨が降っていたが、そのシーンと一緒に撮ったのかな?と考えてしまったのは余計な事か?

C身分がつきまとう勇
今週は、文久3年(1863年)6月3日を描いた。先週から1ケ月ちょっとになるが、勇たちは大阪で不逞浪士を取り締まっていた。容保が自ら命令したとの事だが、勇が『壬生浪士組』と名乗って任務に当たる姿はカッコ良かった。しかし、奉行所から越権行為だと非難を受け、田舎者呼ばわりされてしまう。相変わらず"身分"という2文字が勇にはつきまとっていたが、『もう身分なんて気にしない』そんな思いが勇の顔からは感じられた。

D斎藤の過去の話
斎藤が腹痛を訴えていたが、我々視聴者は見てすぐに仮病だと分かった。案の定、山南、永倉に見破られてしまうが、ここで斎藤が裏で何をしているかが明らかにされた。浪士組に入りながら夜な夜な出掛ける理由は、"恩があるから…"との事だが、義理堅い斎藤の人間性がまたも表現された。性格的な部分がここまで徹底して描かれるのは珍しいが、きっと史実でも義理堅い人間だったのだろう。でも、斎藤の過去の話はこれで終わり?それ以外の話は?と思ってしまった。斎藤の過去を深読みした視聴者はガックリきているのでは?でも、筆者は本当にこれで終わりとは思えない。小六が勇を襲おうとして、それを斎藤が助ける…こんなシチュエーションはどうかな?

Eカッコいいぞ!誠の旗
歳三は、勇不在の間に"誠"の字が染め抜かれた旗を作った。誠は"近藤さんにふさわしい言葉である"との事だが、揺れると試衛館の"試"にも似ているという裏話も披露された。『なるほどなぁ〜』と妙に納得しつつ、『本当かなぁ〜』とも思ったが、新選組の象徴ともいえる旗が登場したのは嬉しい事。新選組誕生まで、もうまもなくである。

F失態!?
左之助と甘味屋のまさとのからみがあったが、いきなりの設定にびっくりしてしまった。"浪士組とまさ"という中での左之助の単独行動?とも思ったが、そんな自然な流れは感じられなかった。掲示板情報によると、2人の出会いの部分がカットされたとの事だが、出会いのシーンはカットせずにしっかり描いて欲しかった。でも、番組作りを仕事にしている筆者だからこそ、こういう事情はとてもよくわかる。優先順位をつけてカットしていこうとしても、それが叶わなく、どうしても別の場所をカットせざるを得ない状況が出てきたりするのである。45分という限られた時間の中で、翌週に持ち越す訳にはいかないという事情もあったりする。しかし、これだけは言いたい。編集とは、受け手側に見破られないようにしなければならないのだ。それを考えたら今回は失態と言える。厳しいだろうが、あえて指摘させてもらった。

G今では信じられない事
芹沢が力士たちともめ事を起こし、そのうちの1人に手傷を負わせてしまった。この頃の相撲事情は計り知れないが、正直言って力士もガラが悪いものだと思った。ましてや第5代横綱の小野川喜三郎の名をひく小野川部屋とあっては、相撲好きの筆者からしたら考えられない。なんかプロレス的だが、今のように本場所が6場所もあった訳ではないし、テレビ中継なんかわるわけがない。マスコミの影響力がなかった分、こういう事があってもおかしくなかったのかもしれない。でも今のこの時代に起きていたら大相撲は大暴落となるだろう。

H浪士組対内山
小野川親方は、弟子が斬られた事で報復に出ると思いきや、普通に奉行所に届けた。なんと紳士な親方であろうか。この辺りは横綱小野川の精神を継承していたのか?でも奉行所の内山がこの機に乗じて浪士組を懲らしめようと画策し、逆に舞の海演じる熊次郎たちをけしかけた事が最大の悪であった。その後、芹沢は熊次郎も斬ってしまうが、浪士組と内山との因縁が始まった瞬間であった。それはそうと、"小技のきく面白い男"と表現された熊次郎は、まさしく"舞の海"であった。これは創作であろうが、三谷氏もなかなか芸が細かいものだ。もしかして舞の海ファンだったのか?

I総司の反抗期?
力士との騒動の中、総司は生れて初めて人を斬ってしまった。初めて斬る相手は芹沢と思っていただけに筆者の予想がはずれてしまった。野口を助けるために斬ったとはいえ、総司の精神的ショックが大きいのでは?と思いきや、満足感?に満ち溢れた顔をしていたのは意外だった。事の顛末を知った勇は、『嬉しそうに言うことか!』と激怒するが、芹沢に褒められた事で、総司の気持ちは芹沢派に傾いていた。『おいおい総司!』と突っ込みを入れてしまったが、筆者なりに納得する事が出来た。信頼している人に子供扱いされる中で、初めて一人前と認めてもらえる人が現れた…これはある意味自然の流れなのかもしれない。それが敵対している芹沢であろうとだ。いずれ勇の元に戻るのは間違いない事実だが、勇こそ一番の理解者であるというのを、この時総司はまだ知らない。もしかしたら、今は総司の反抗期なのかもしれない。いや、反抗期というよりは総司も着実に大人になっているのである。

I芹沢のジェラシー?
総司を怒鳴りつけた勇だが、自らが初めて人を斬った時の事を思い出していた。斬りたくなくても斬らなければならない時がある…そう思ったのだろうか?結局、誠実な謝罪で一連の出来事を収めるが、力士は斬られ損といった感じは否めない。勇の誠実な行動を絶賛した山南だが、勇の行動を気に入らなかったのは芹沢だ。これはジェラシーか?いずれにしても、芹沢にはないものを勇が持っていたのは事実だ。

【来週の展望】
芹沢の悪行ぶりがエスカレートするらしい。芹沢にはないものを勇がカバーし、勇のないものを芹沢がカバーする。そこに歳三、山南、総司が加わったら何も恐いものはないと思うが…。芹沢の悪行ぶりから、もう殺すしか道はなかったが、芹沢の死は誠にもって残念だ。

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