牛嶋のプロレスマスクコレクションを紹介!
まずは、初代タイガーマスクの”伝説”の後期デザインと言われるタイプだ。
前期デザインで使われたマスクの全体的なバランスが修整されたもので、
タイガーマスク人気が定着した時にこのタイプを被っていた初代。
牛嶋も一番好きなタイプで、現在でもファンの多い名作中の名作である。
マスクは倉敷在住の佐藤嘉彦さんによるものだ。
そして、これが牛嶋が高校生時代に2万5000円で買った”逆ヤギリ”タイプのタイガーマスク。
もう20年以上になるので金ラメの色が落ちてしまったが、試合用の本格的なマスクである。
確かに裏地がしっかりしている。
高校時代は、これを被りながら腕立て伏せなどトレーニングをしたなぁ~。
この”逆ヤギリ”は、初代タイガーマスクのマスクを製作していたOJISANの山崎一彦さんによるものだ。
そしてこれが、76.8マシン。
スーパーストロングマシンのマスクをアレンジしたもので、
額には、『76.8 FM岡山』と書いている。
そして、耳穴もあり、そこには”牛”の文字も・・・。
これも、佐藤嘉彦さんによるものである。
次は獣神サンダーライガーが欲しいなぁ~と密かに思っている牛嶋でした。
新日本プロレスの岡山オレンジホール大会を生観戦!
会場前には新日本プロレスのバスが数台・・・。さぁ、いよいよだー!
今回一緒に観戦したのはマスク職人の佐藤嘉彦さん。
早速会場に入ると、席は最前列!おー!!嬉しい!!
ところで・・・昨日の番組で、『会場ではマスクを被って観戦するかも・・・』と言ってしまった。
一応、マスクを持ってきたが、本当に試合を見ながら被る事が出来るのか?ちょっと緊張!
ちなみに、佐藤さんは自身のマスクを数枚持ってきたとの事・・・。
いよいよ試合が開始!いきなり第1試合から目の前で場外乱闘が繰り広げられた。
すげー!迫力!この時はまだ素顔で観戦。
んー!次の第2試合は早くもタイガーマスクが登場だ!
『やっぱりタイガーマスクの試合の時に被った方がいいですかね?』と、隣の佐藤さんに相談。
すると『被りましょう!』と、佐藤さんが自分の持ってきたマスクを出して被り始めた。
『佐藤さん、度胸あるぅ~。佐藤さんが被るなら・・・』と牛嶋も装着!
でも、それだけではない!なんと佐藤さんは、隣りに座る女の子2人にも、
『みんなでタイガーを応援しましょう』とマスクを手渡したのだ。
女の子は『わーい!』と素直に被ってくれた。
こうして4人のタイガーマスクで一緒に観戦!
ちなみに・・・左の女の子が被っていたのは佐藤さんが作ったグレートムタイガーマスクでした。
でも、まさかタイガーマスクが増殖するとは!
タイガーが退場した後、佐藤さんはマスクをあっさり脱いだが、
牛嶋はマスクを脱がず・・・というより、脱げず・・・。
ここで脱いでしまうと、素顔をさらす事になる!そう思ったら脱げなかったのだ。
よって、後半もそのままマスクを着用して観戦。ひとりだけマスク姿だったが、
意外にも恥ずかしくなかった。慣れって恐ろしいなぁ~。
こうして新日本プロレス岡山大会は終了。
試合後は、別の席で観戦していたグレートムタイガー、プロレス友達の石見さんとも合流し、佐藤さんも交えて4人のタイガーで記念撮影。あー!最高に楽しいひとときでした。いくつになっても、好きなモノは好き!男という生き物は、永遠に少年なのだ。
8月7日(金)から始まる”フィールズPresents G1 CLIMAX2009”、及び、
9月19日(土)に岡山県卸センターオレンジホールで行われる岡山大会のPRのため、
IWGPヘビー級チャンピオン!新日本プロレスの棚橋弘至選手が来社!
インタビュー収録をさせてもらった。
棚橋選手は、IWGPヘビー級のチャンピオンベルトを持参。
なんと!ベルトを巻かせてもらったが、これがメチャクチャ重い!
まさに鍛え抜かれた強いレスラーだけが巻けるものだと、改めて分かった。
初めて見るIWGPヘビー級チャンピオンのベルト。
巻かせてもらっただけではなく、なんと!肩にかけさせてもらった。贅沢だぁ~!
今度は棚橋さんのワンショット。
やはりIWGPヘビーのベルトは棚橋さんだからこそ似合う!
取材を受けた、故・三沢光晴さんへの追悼記事が山陽新聞に掲載された。
地方紙がこのようにプロレスを扱うとは思いもしなかったが、
それだけ”三沢光晴は偉大だった”という事を証明したと言えるのではないだろうか。
追悼コメントは、牛嶋の他、岡山アマチュアレスリング協会会長の梶川政文さんをはじめ、
グレートムタイガー、そして、マスクメイカーの佐藤嘉彦さんなどで、
知り合いがこのように名を連ねるとは思いもしなかった。
夕刊と朝刊の2回に渡って掲載して頂いたが、三沢さんにエルボーをもらったのは良い思い出だ。
手加減はしてくれただろうが、失礼のない程度に”強く、優しく、信頼して”エルボーを放ってくれた三沢さんには深く感謝したい。
これまで三沢光晴選手、小橋建太選手(電話)、橋誠選手、KENTA選手らにインタビューしたご縁で、PRO-WRESTLING NOAHさんから、岡山卸センターオレンジホール大会に招待を受けた。
『もうひとり連れていっていいですか?(牛嶋)』
『大丈夫ですよ~(NOAHさん)』との事で、迷わず、あの男を誘った。
あの男とは・・・そう、親友のグレートムタイガーだ!
先月の全日本プロレス観戦に続いてになるが、熱狂的なプロレスファンである彼との観戦は最高に面白い。
会場に入ってすぐ、『一応、マスク持って来ました』と、子供のような顔でバッグの中を見せられた。
一般の人からすると、『持ってきて何をするのか?』と思うだろうが、
マスクは彼の身体の一部だから、これは自然な事なのだ。
今日は嬉しい出来事が・・・。
場外乱闘で、目の前に小橋建太選手、潮崎 豪選手が来たのだ。
なんと!フェンスを越え、牛嶋の目の前に・・・。
牛嶋の座席の前に座った状態の潮崎選手に対して、
小橋選手の逆水平チョップがまさに繰り出そうとしていたその時・・・グレートムタイガー乱入!
な~んて・・・事はありません。
今日のネタ元は・・・私です。
おっ、もしかしたら潮崎選手が俺のところに倒れてくるかも・・・と、
喜びながら身の危険も気にせずそのままでいると・・・
セコンドに付いていた若手が『危ないですよ』と牛嶋を制止。
しかし・・・小橋選手は、チラッと牛嶋を見て、
『この客は、技を受けたがっている・・・』そう思ったのか?そのまま潮崎選手に逆水平チョップ。
そのまま牛嶋の膝の上に潮崎選手が倒れてきたのであった。
この膝は自慢モノだ。思わずこんなフリを・・・。
『もし、ムタイガーがマスクを着用していたらどうなっていたでしょうね?(牛嶋)』
『いや、その時はここで場外乱闘しないんじゃないですか?(ムタイガー)』
『・・・・(牛嶋)』。
なんか訳の分からない会話だったが、
隣りにいたグレートムタイガーはきっと『いいなぁ~膝で受けられて・・・』と
羨ましいと思ったに違いない。
事実、そんな顔をしていた。
『いやぁ~面白かったですね。ホント、面白かった・・・』グレートムタイガーの目がさんさんと輝いていた。
でも、これがOPGのリングではグレートムタイガーが小橋選手の立場になる・・・。
彼がやめない理由はきっとこれであろう!まぁ、やめる必要はないのだが・・・。
でも、プロレス少年は一生プロレス少年なんだなぁ~。牛嶋も一生少年であり続けようっと。
今回ご招待してくださったNOAHさん、ありがとうございました。また次の大会時に選手の派遣をお待ちしていま~す。
全日本プロレス岡山大会を観に岡山県卸センター・オレンジホールへ。
今回は、親友のグレートムタイガーと一緒に観戦。
全7試合が大盛況だったが、実は、休憩時間にある事件が勃発!
鈴木みのる選手が、休憩時間を利用してグッズ売り場でサイン会を開催。
そこにスルスル・・・と、鈴木みのるに向かって歩を進めた紺のトレーナーを着た男がいた。
その男とは・・・素顔のグレートムタイガー!だった!
そして、恐るべき行動を取ったのであった。
(グレートムタイガー)『おい!鈴木!』
(鈴木みのる)『・・・・・・』
(グレートムタイガー)『おい。鈴木、聞こえねーのか!おい!』
(鈴木みのる)『・・・・・・ん?なんだ・・・?』
グレートムタイガーに気づいた鈴木みのる!
(グレートムタイガー)『鈴木、お前、OPGを知っているのか?』
(鈴木みのる)『なんだそりゃ・・・知らねーよ』
(グレートムタイガー)『お前、男だよな』
(鈴木みのる)『見りゃ、分かるだろうが・・・。なんなんだ、お前は・・・』
目線をそらす鈴木みのる!
(グレートムタイガー)『おい、鈴木、お前、OPGのリングで俺と戦え!』
(鈴木みのる)『何言ってんだ、こいつ・・・。おい、こいつをつまみ出せ』
無視する鈴木みのる!
(グレートムタイガー)『おい、鈴木、逃げんのか?』
(鈴木みのる)『うるせーな。分かったよ、受けてやるよ!』
(グレートムタイガー)『よし、鈴木、それでこそ男だ!』
こうして2人がガッシリ握手!鈴木みのるのOPG参戦が決まったのでした。
めでたし、めでたし・・・
と、言いたいところですが、実はこれは私の妄想で、実際は鈴木みのるさんのTシャツを買って、
サイン&握手をしてもらっていたグレートムタイガーでした。
しかし、新日本プロレスの練習生だった頃に2人は親交があったそうです。
いやぁ~でも妄想とはいえ、良い夢を見せてもらいました。
ご覧頂いた方、混乱させてしまってごめんなさい。
4月26日にオレンジホールで試合を控える全日本プロレスの西村 修選手が来社。
『Fresh Morning OKAYAMA』の収録を行い、なんと!50分もの独占インタビューになった!
こりゃぁ、編集が大変だ(笑)。
でも、これまでずっと西村さんの試合を会場で見てきたので、話が聴けてとても嬉しかった。
OPG(俺たちプロレス軍団)の岡山武道館大会にリングアアナウンサーとして参加させて頂いた。
武道館には開場と同時にたくさんのお客さんが詰め掛けた。
そしてリングはOPG千葉道場から運ばれたもの。見事だ!
会場内に実況が流れるのがユニークなところ。
悪役レスラーの正体を『実は小学校4年生の担任です』とバラしたり、
『なんでしょう?この技は?』と技を掛け損なったレスラーのミスを堂々と指摘するところも面白い。
とにかく面白いというよりは上手い!OPGランブル(時間差バトルロイヤル)も見所があった。
OPGのエースであるグレートムタイガーは今大会からマスク(青ラメ)を新調!
4代目タイガーのドームマスクのように特別感があってとても良かった。
そして注目は、今回初登場のブラックムタイガーだ。
かつてタイガーマスクに対して、ブラックタイガーが登場したように、
色は違えどもマスクのデザインは一緒。まるで合わせ鏡のようだった。
初代タイガーマスクと初代ブラックタイガーの再現か?と思うようなシーンもあり、
マニアにはたまらなかった。
ダイビングフットスタンプなどを受けながらも勝利したグレートムタイガー。
試合後はリング上から、『元気のない時代、夢を持って頑張りましょう』とメッセージ。
リング下に降りると写真攻め。
そして、牛嶋と”友情”の写真撮影。近くで見たら、青ラメと皮素材が実に良い事が分かった。
プロレスファンなら誰しも憧れるプロレスのマスク。改めてマスクっていいなぁ~と思った。
グレートムタイガーは、来年どんなマスクで登場してくれるのだろう。
リング上にいる時はレスラーを前に多少緊張してしまったが、メインイベントは師匠のケロさん(田中秀和さん)を真似て前口上を披露。
実に気持ちが良かった。
グレートムタイガーをはじめ、関係者のみなさん、本当にお疲れさまでした。
また来年を楽しみにしていま~す。
仕事でプロレスラーに会ったことがある。
前田日明、山本宜久、成瀬昌由、坂田 亘、高田延彦、高野拳磁。
いずれも試合を間近に控えたインタビュー取材だったが、前田日明選手に出演していただいたCBCラジオ
『ぽっぷん王国ミュージックスタジアム』の収録時にはリングスのはからいで、その様子が『週刊プロレス』にも掲載された。
ここでは、前田日明選手の更なる魅力を知ってもらうべく『前田日明フォーエバー』と題して、
その放送された内容と放送にのらなかった部分も交えて、CBCの倉庫から発掘されたマスターテープを再現する。
※下記のアニメーションGIFは、GIFアニメを作っていたサイト主から頂いた大変貴重な画像である。
この番組は、10代のアマチュアミュージシャンを応援するのをコンセプトに放送している。
そんな中で格闘家の前田日明さんがゲストというのは異例かもしれないが、
それは私牛嶋の『前田さんに話を聞きたい』という熱い想いからだった。音楽番組という事で試合に関する話はなし。
内容は『テーマ曲』をメインという、今にして思えば画期的な放送だったと想います。
なお、放送では20分収録されたうちの約10分少々。
今回は、(株)リングスの協力を得て完全ノーカットで再現する。それではさっそくその模様をどうぞ。
(牛嶋)それでは前田日明さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
(前田)よろしくお願いします。
(牛嶋)さて、実はこの番組音楽番組でして・・・格闘技と音楽と考えるとやはりテーマ曲という事になるんでしょうね。
その辺りを中心にお話をお聞きしたいと思います。
(前田)分かりました。
(牛嶋)まずは前田さんの好きな音楽ってなんですか?
(前田)別にこれが好きだというのはないんですよ。
まあ、たまにロック聞いたりジャズ聞いたり、この頃なんかクラシックを聞くようになったって感じですかね。
(牛嶋)クラシックですか・・・
(前田)自分の場合、複雑なもんじゃなくてね。ヴァイオリンなんかの小品集とかね。ピアノでも短い曲とかね。そんなの聞いてますね。
(牛嶋)最近になってですか?
(前田)去年ぐらいからですね。
(牛嶋)じゃ、昔これが好きだったというのはありませんか?
(前田)自分が高校生ぐらいの時ですかね。当時、ラジオから聞いたり、
ポピュラーベスト10っていうんですかね、オールドファッションラブソングとか・・・
それから周りでビートルズが良いっていうんでビートルズを聞き始めてそれからカーペンターズやイーグルス、
キャロルとか聞き始めて・・・っていう感じですかね。
(牛嶋)でも前田さんて音楽業界の方ともお付き合いありますよね。
(前田)そうですね。昔UWFの旗揚げの当時ですかね。ハウンドドッグとかありましたけど・・・
(牛嶋)じゃ、それは今いろいろと膨らんだんじゃないですか?
(前田)いや、そうでもないですよ。(笑)
(牛嶋)それにしても、前田さんのリングスって非常に音楽を有効に使ってる団体だと思うんですが・・・
(前田)あっそうですか?ありがとうございます。
(牛嶋)いえいえ。いや何故かと言いますと、まずは会場での音が全然違うんですよ。
失礼ながら他の団体と比べさせて頂きますと、まずスピーカーが大きいですし、
音も鮮明でその部分でファンを熱狂させるって所があるんですよね。また、入場式って必ずやるじゃないですか?
その時のテーマもいつも一緒ですし、試合が終わった後に流れる曲も同じだし、
この曲が流れるとリングスみたいな感じで僕らファンからすると、頭にイメージづけられちゃうんですよ。
あと、選手のテーマにしても1人づつ必ずありますし、会場でもそうですが、テレビで見ても音に合わせた映像作りをしている・・・
その点は前田さんの考えなのか?あるいはテレビ中継をしているWOWOWの考えなのか・・・その辺りを聞かせてもらえますか?
(前田)そうですね。誰の考えという事でもないんですけどね。
やっぱり格闘技って格闘技そのものだけだと凄く殺伐としちゃうんですよね。なんか他のスポーツと違ってね。
それで、ムード作りって言ったらアレですけどそれは大事な事だと。
あとは人間ってひとつの物に集中しようとすると意識的に段階を踏んで楽しむっていうかそういう所があると思うんですよね・・・
時間の流れって言うんですかね。
それを一緒に体験してもらおうという事で、入場式も大切だし、選手が入るときのテーマミュージックも大切だし・・・
だから音響っていうのは、試合は目で見て、場内の雰囲気を身体で感じて、耳に入ってくるものは音楽って事で
それはやはり全部が全部大切ですからね。
(牛嶋)そう言えば昔UWFの時代に試合が始まる前に・・・
いわゆるお客さんが会場に入って来る際にBGMを流してお客さんを迎える・・・
これプロレス界では前田さんのUWFが初めてでしたよね。
(前田)そうですね。
(牛嶋)さて、テーマ曲についてですが、ファンはですねえ。レスラー=テーマ曲という感じで見てしまうんですよ。
(前田)そうですね。音にも重さがあるじゃないですか?
それに自分の持ってるムードとか目指すムードとかそれがピタッと合った入場曲を持ってる人っていうのは
ファンにとってはイメージしやすいですよね。
(牛嶋)今前田さんが使っている『キャプチュード』(キャメル)<POCD-1829>これは前田さんが選んだんですか?
(前田)そうですね。これは自分の友達でレンタルCDショップをやってる人間がいまして・・・
今から10年、いや12年ぐらい前ですかね。
その人はずっとアマチュアバンドをやってた人でもあるんですけど、なんかねえ、デーモン小暮さんと一緒にやってたらしいんですよ。
で、当時自分の入場曲なんかいいのがないかなあって相談したら、毎週毎週20曲ぐらい持ってきてもらったんですよ。
3分ぐらいの短い曲にしてもらってね。全部で200曲ぐらいになりましたかねえ。
そこから5曲いいのがあって選んでそのうちの1曲がこれ(キャプチュード)だったんですね。
(牛嶋)でも、見事にピッタリ合ってますよね。
(前田)そうですね。でも、この曲は最後に聞いた残り5曲の中のものだったんですよ。
最初は心配したんですけどね。流して見るとムードがあってピッタリはまってるんでね・・・
(牛嶋)あと、リングスのみなさんは結構良い曲使ってますよね。こだわりがあるというか、成瀬選手はB’zの曲を使ったり・・・
(前田)そうですね。彼はB’zの稲葉さんに可愛がってもらってるんでね。本人に使っていいっていう許しをもらって使ってるんですよ。
(牛嶋)で、B’zが新曲出るたびに変えてますよね。
(前田)変えてますね(笑)時々はまりすぎて前奏の時に訳の分からないポーズ取ったりしてますけどね(笑)
(牛嶋)やっぱり入場する際には『前田日明選手の入場です』という古田リングアナの呼びかけがあってから
テーマが流れるじゃないですか?その時ってテーマ曲はあのざわめきの中でちゃんと聞こえるものなんですか?
(前田)聞こえてますよ。自分の場合はアレってイントロが静かに入るじゃないですか?だから気持ちを乗せやすいですね。
それと気持ちを集中させる手助けって言うか・・・
(牛嶋)やっぱりそういう効果ってあるんですね。
(前田)いや、人によって違うんでしょうけどね。
(牛嶋)じゃ、それでリングに向かう花道で気持ちを高めるわけですか?
(前田)いや、自分の場合は高めるってよりは、余計なものを落としていくみたいな・・・
リングに上がる時に必要のないものは全部脱ぎ捨てて行くって感じですかね。
(牛嶋)高めるんじゃないんですか?でも、そう言えば昔ってテーマ曲がない時代があったじゃないですか?
今は新人レスラーでもありますもんね。
(前田)そうですね。自分の若手の頃はなかったですね。自分が23ぐらいの時ですかね。
15年ぐらい前ですか?イギリスに行く前ですから・・・その時に猪木さんが今使ってるテーマを使い始めた頃ですからね。
その後、急にパパパッってブッチャーやテリーファンクらがテーマ曲を使うようになってね。
(牛嶋)前田さんの一番初めのテーマ曲って覚えてますか?
(前田)覚えてないですね(笑)
(牛嶋)いや『クラッシュボーイ』って曲があったんですよ。
(前田)そうなんですか(笑)
(牛嶋)イギリスから帰って来て蔵前国技館で凱旋のあいさつをしたじゃないですか?その時に流れたんですよ。
(前田)いやあ、知らないですね(笑)たぶんその時だけじゃないですか?
自分はその後ユニバーサル(旧UWF)に移りましたからね。
その時点で新日本プロレスが版権を持ってるんで使えなくなってますからね。
ユニバーサルでは用意してもらった物を使ってましたけどそれもピッタリきてませんでしたね。
(牛嶋)でもやっぱり若手の頃猪木さんが使っていたのを見て自分も将来こんなテーマを使ってやろうとかって思ってたんですか?
(前田)いやあ、自分は猪木さんのテーマを聞いて正直言って、猪木さんつらいんじゃないかって思いましたけどね(笑)
なんか全然合ってないっていうかね。なんか軽すぎるんじゃないかってね(笑)
猪木さんも最初はイヤそうにしてましたよ(笑)そのうち気にしなくなったみたいですけど。
(牛嶋)ああ、そうですか(笑)あれは、モハメド・アリがプレゼントした曲らしいですけどね。
まあ、今のこの世の中ですからこうして音楽が有効に使われてると思うんですけど、
見る人も試合を見る上で気持ちが盛り上がるっていうか・・・ただ何も流れなかったら寂しいですからね。
やはり会場のお客さんもテーマ曲が流れる事によってノってるなあっていうのが分かりますか?
(前田)そうですね。効果音ってあるじゃないですか?レスラーのテーマ曲の場合はねえ、効果音のひとつだと思うんですよ。
その人の持ってる雰囲気を音とリズムとメロディーを付けたらどうなるかっていうんで・・・
ピタッとハマってるのがそのレスラーに合ってるっていうかね。
でも、その人自身が感じるものじゃなくてね、周りの人から見てその人に望むものっていうかね、
その人に対するイメージが決まってくるんじゃないですか。
ですからレスラー側から見た理想の物とファンから見ている理想の物とクロスした部分でムードが出てくるんじゃないですかねえ。
(牛嶋)そういう意味ではテーマ曲を選ぶのは非常に重要ですよね。
(前田)いやこれは本当に重要だと思うんですよ。
(牛嶋)リングスのみなさんはみんな自分で選んでるんですか?
(前田)自分で選んでますね。若い奴は試行錯誤してて、しょっちゅう変えてるみたいですけどね。
あんまりしょっちゅう変えるのはどういうものかと思いますけどね。
(牛嶋)外国人選手もですか?
(前田)そうですね。でも、ハン(ヴォルク・ハン)とかね、ナイマン(ハンス・ナイマン)は、
本人に合うようにって事でリングスでチョイスして作りましたけどね。
(牛嶋)でも、ハン選手のテーマって良いですよね。
(前田)あれもピッタリですよね。
(牛嶋)でも、リングスの中継をテレビで見てると、試合はカットする事はないですけれど
時間の関係で入場シーンをカットする場合があるじゃないですか?
画面ではもう既に選手が向かい合っていて、そこからゴングが鳴って試合が始まるという・・・あれ僕は非常に嫌なんですよ。
(前田)そうですか。自分の所(リングス)は試合時間がバラバラですからね。編集の人も大変そうですけど・・・
(牛嶋)いや、試合はカットしてもいいから、入場シーンを見たいっていうのがあるんですよ(笑)
(前田)そうですか・・・でもね。あの入場シーンを見ててその日の選手の体調が分かったりするんですよ。
それに、その試合に対して選手が自信を持ってるか持ってないかも分かりますしね。
その試合に勝てるか、あるいはアカンなあ(負ける)っていうのも分かったりするんですよ。
それに、もしかしたら格上の選手を食っちゃうんじゃないか・・・なんていうのを感じたりね。
控え室のモニターテレビでいつも見てますけどね。
(牛嶋)へ~っ。そんなことまで見てて分かるもんなんですね。
(前田)はい。なんか独特のムードを発散してるんですよね。そういう人ってね。
(牛嶋)いやあ、でも驚きでした。
それにしても前田さん自身は、さきほど伺ったようにテーマ曲の変化がほとんどないという事なんですけど、
他の団体のレスラーって結構換えてるんですよね。
長州(力)さんはずっとパワーホールのままですけど藤波(辰爾)さんはずいぶん換えてるんですよ。
(前田)そうですね。換えてますね。
(牛嶋)僕が思うには、レスラーの成長とともに会社側が換えてるんじゃないかと思うんですね。
藤波さんはジュニアで一時代を築いた時があって、その後、ヘビー級に転向してと・・・強いイメージにしようと・・・
そのイメージが変化してるからっていうかね。
(前田)いや~、このマット界ではそういう会社側からの戦略的なものは一切ないですね。
だから、藤波さんの場合も自分で換えたかっただけじゃないですかねえ。
長州さんのテーマは、ファンのミュージシャンが作ったって聞いてますけどね。
だからレスラーの成長によって気分が変わってくるでしょうから、そこで換えてるんじゃないですか?
(牛嶋)そうですか・・・でも、前田さん今日は僕なつかしい物を持ってまして・・・
前田さんのテーマ曲キャプチュードのアナログ版なんですけどね。
(前田)は~っ。これ今売ってないんじゃないですか?
(牛嶋)いやあ、宝物のように大切にしてましたけど・・・このジャケットには技を掛けている写真がありますけど、
これは、相手の蹴り足を取ってそのまま後方に投げる技ですけど、この技の名前がなんと『キャプチュード』という事で、
実は、この曲からこの技の名前がついたんですよね。
(前田)そうですね。
(牛嶋)これ、選んだ時にキャメルのキャプチュードって曲だというのは知っていたとは思うんですが、意味までは知っていたんですか?
(前田)いや、知らなかったんですよ。
キャメルは、イギリスのフュージョンバンドなんですけど、昔ルバング島で小野田さんが見つかった時に・・・
あのニュースってUPIを通じて世界に流れたんですけど、それを見たキャメルが、
1人の日本人が20何年間も孤独なゲリラと戦っていたっていうんで感銘を受けて、それで1枚のアルバムを作ったんですよ。
キャプチュードは、そのアルバムの中で小野田さんが発見された・・・
言葉悪いかもしれませんが捕獲されたっていう意味付けでその曲が収録されてるんですよ。
(牛嶋)へ~っ。あの小野田さんを見て作った曲なんですか・・・しかも、イギリス人が・・・
(前田)今でこそキャプチュードは有名な技の名前になりましたけど、使い初めの頃は名前のない技で、
イメージとして相手の蹴り足を取る技ですから・・・捕まえるとかそんな言葉ってないだろうかって思ってたんですよ。
それで、ふとそのテーマ曲のキャプチュードってタイトルを見てこれはどういう意味なんだろう?って調べたんですよ。
そしたらね。英語でね。捕獲とか、捕まえるとかそんな意味だったんですよ。
それでびっくりして・・・その当時はその曲に小野田さんの話があったなんて事は知りませんでしたから・・・
これでいこうって決めたんです。
(牛嶋)は~っ。それにしてもテーマ曲は技の名前まで決めてしまうんですね。
その点では偶然とは言え、前田さんのテーマになるべくして出来あがった曲という事もいえるんじゃないでしょうか・・・・
いやあ、この話はびっくりでした。
さて、このキャプチュードに乗って前田さんが試合をする日(1996年10月25日愛知県体育館)が近づいて参りました。
ラジオをお聞きのみなさんも是非、今日聞いた話を参考に入場式からしっかりとリングスを見ていただきたいと思います。
最後に前田さん、膝の状態はどうですか?
(前田)順調に試合に向けて調整している所ですね。
(牛嶋)でも、あまりトレーニングする時間もなかったんじゃないですか?
(前田)そうですね。やったりやれなかったりですけど、こういう経験初めてじゃないんでね。なんとかやってますけど。
(牛嶋)でも相手がコピィロフ(アンドレイ・コピィロフ)選手じゃないですか?この間山本選手に勝ちましたよね。
僕は改めてコピィロフの強さを感じたんですけどね。
(前田)でも、あの選手は非常に波のある選手なんでね。山本もコピィロフとやる前に完全KOの試合が続いてたんでね。
あれで身体のキレがなかったですね。
勝ち負けはともかくとしてもう少しキレがあっても良かったんじゃないかと思いましたけどね。
(牛嶋)でも、益々面白くなってきましたよね。田村さんも入って来て・・・
1人入って来たことによって対戦カードがどんどん広がりますしね。
(前田)そうですね。それはありますね。
(牛嶋)トーナメントでは、まず田村さんは長井さんと対戦する可能性があるんですよね。
(前田)長井はねえ、凄い燃えてますよ。それに今すごく乗ってますからね。どんな事があっても阻止するって気合入ってますよ。
(牛嶋)そうですか・・・そういう意味では益々楽しみになってきました。今日は本当にありがとうございました。
(前田)はい。ありがとうございました。
実はこの後もずっとスタジオで前田さんとお話をさせていただいてました。
リングスの方向性をはじめ亡くなった極真会館の大山総裁の話も・・・・
残念ながらその部分は時間の関係と放送には使わないという事でテープを止めてしまってたんですね。
今にして思えば残念ですが・・・それにしても、試合の話じゃないテーマ曲の話にもかかわらず前田さんは、
ひとつひとつ丁寧に答えてくれました。その辺で非常に好感を持ちました。
リングスの方も『前田さんは周りの人を凄く大事にしている』と話していたように、相手に対して心遣いを忘れない人のようです。
その点が格闘家として、また1人の人間として非常に魅力があり、たくさんの人を魅きつけてる理由なんでしょう。
もうラストマッチを行いファイトを見る事はありませんが、前田さん!僕は人生の中であなたと出会った事を最高に幸せだと思っています。
これからもご活躍下さい。ありがとうございました。そして、前田日明よ永遠に・・・
※下記のアニメーションGIFは、GIFアニメを作っていたサイト主から頂いた大変貴重な画像である。